【システム屋のキャリア論】やりたくない仕事にアサインされたらやるべきか?
やりたくない仕事にアサインされそうになった場合、アサインされた場合の心構えについて書いてみたい。
そもそも断れるのか?
状況によるだろう。
SE・ITコンサル会社といったB2BのIT業界であれば、プロジェクトベースでの稼働が基本である。
なのでアサインはプロジェクト側の配員要求とエンジニアのスキル・経験とのマッチングで決まる。
あまりにも不向きなのではないか?とか、ロケーションが地方で出張ベースになってしまうが育児・介護の都合で出張はできないといった場合は、断ることも視野に入れたほうがよい。
さすがにプロジェクト側も事前にトラブルを避けたいと思うので、みんなが不幸にならないように、きっちり断りを入れることも重要だ。
自分のやりたいことと合致しない場合は?
スキルマッチングや就業環境に問題がなかった場合、次に気になるのは「やりたいことかどうか」だ。
これは人によって異なるところだが、例えば「Pythonで機械学習のコードを書きたい」とか「Unityでゲームを作りたい」というエンジニアも多いだろう。
だが実際にはこういうことがよく起きている。
のようなケースだ。
こういう時は、大人しく請けたほうがいいのか、それとも断ったほうがよいのか?
結論:少しでも未経験の要素があれば挑戦しよう
前述の「やりたいこと」に合致する案件が、自分のアサインの谷間のタイミングで都合よく見つかることはよっぽどの幸運だ。
であれば、現実的な落としどころとして「少しでも自分の引き出しが広がる機会」があれば、そこを積極的に学びに行くことをお勧めする。
筆者も以前、Ruby on Railsなど(当時は)最新のフレームワークを使って、少人数の精鋭メンバーでアジャイルな開発をやりたいと思っていたことがある。
ただ、当時所属していたコンサルファームにそんな案件はない。
でも、自分がやったことがない領域の案件ならたくさんあった。その一つがERPパッケージの全社導入案件だった。
最初はその案件のPMOチームで、プロジェクト管理用のVBAを作っていたのだが、2年目に突入するころに「どうせならERP本体をやらせてほしい」と手を挙げた。
その時の自分の志向としては、パッケージよりスクラッチ開発の方が優れていると思ってたし、パッケージしかできない人を「自分とは違う世界の人」だと思っていた。
だが、実際にERP導入を経験してみることで、業務をベストプラクティスに合わせるという考えを身につけることができ、明らかに人間として考える幅が広がった。
これは役割についても同じことが言える。
正直リーダーとかオフショア管理とかは向いていない、自分でコードを書きたいなと思っていても、一度は管理側に挑戦してみる。そうすれば管理する側の気持ちが分かるようになり、またメンバーに戻った時に以前より質の高い仕事ができるようになる。
逆に、技術面でも役割面でも、以前とほとんど変化がないようなアサインが続くようであれば熟考した方がよい。
自分のキャリア志向を棚卸して、アサイン担当者の営業や上司に「こういう開発がやりたいんです」「以前とは違うポジションに挑戦したいんです」と交渉してみてほしい。
また、今アサインされているプロジェクトが面白くない・得るものがないと思っている人がいれば、本当に現在の環境で上述の視点で自分に未経験の要素を学ぶ余地はないのかを探してみてもよいと思う。
一人でも多くのシステム屋が価値あるキャリアを積めることを祈りたい。
それではまた。