最後の追跡(2016)
見た日:2024/01/14
評価:A
僕は他にも漏れずブレイキングバッド、ベターコールソウルなどの「アルバカーキサーガ」の大ファンだ。
そんな人には間違いなくブッ刺さる作品である。
これはおそらく現代版西部劇である。
ネイティブ・アメリカンの土地を奪った白人。更にそこに定住した白人を脅かす銀行、資本主義経済。アメリカのリアルがそこにある。
不況にあえぐテキサスの街の錆びれ具合、そして対比をなすような美しい荒地の映像に圧倒される。
日本人なのでピンとはこないことがもどかしいが、セリフやシーンの節々にでてくる「テキサス人の気概」が面白かった。
目には目を精神、開拓者魂。名作ゲームRDRに出てくる彼らはフィクションじゃなかったんだと確認することができた。
インディアンやコマン族の価値観と根っこは同じなんだというメッセージを感じた。
兄弟愛、仕事仲間それぞれの登場人物ごとの心情の変化とそれにマッチした美しいテキサスの風景。とても満足感の高い作品であった。
細かいところ設定がいくつか気になったが、まあ2時間映画なので良しとする。そこを丁寧にシリーズで表現しきったのがアルバカーキサーガの偉業なのだとおもう。
最後のレンジャーおじいの牧場訪問のシーン。
あれは犯行が家族のためだと判明したところで、レンジャーおじいの中では幕引きだったのかと思う。
実に渋いラストでとても良かった。
追記
弟が女性にモテるシーンがいくつかあったが、あれにどういう意図があったのか分からなかった。
家族を大切にしているから、決して浮気めいたことはしないよというキャラの表現だったのか。レンジャーおじいの中での犯人像を謎めいたものにするためのシーンだったのか。
追記2
あのカジノで逆ナンのシーンは兄弟愛のシーンだ。兄が女の子を恫喝していた。女に目はない兄貴が弟を守ったシーンだった。
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