嫌われて感謝されるのがマネージャー。耳の痛いフィードバックで職場を立て直す技術
こんにちは、しまね地酒マイスターの山﨑です。皆さんGW最終日いかがお過ごしでしょうか。明日から働きたくない気持ちでいっぱいでしょうか。あと30日はGWが続いてほしいものですね。
GWに入る前、本でも読んで過ごそうかと考えていたとき尊敬するコーチであるみやもっちゃん(@hiroki_miyamoto)のこんなツイートが目に入りました。
ほーん、フィードバックね。コーチングでもフィードバックは重要よね。読んでみるか。ということで楽天ブックスでポチって感想をポチポチとTwitterでつぶやいていたので、つぶやきをまとめつつその補足とアウトプットのために感想をまとめていきます。めっちゃ参考になったし、管理職の方は読んでおいて損はない内容の本だと思います。
フィードバックが重要なのはなんとなくわかるけどフィードバックってなんなん?という方のために、ここで言うフィードバックの定義は著者の中原淳さんの言葉を引用すると「耳の痛いことを部下にしっかり伝えて、彼らの成長を立て直すこと」のことです。
そもそもマネジメントできる人は少ない?
本書の中に、純粋にマネジメントに徹する人は2.7%しかいない、という調査結果が掲載されていました。現代のマネージャーはプレイヤーとしての活躍も求められるので、部下に向き合う時間はなかなか取れないですねぇ。
また、部下が育たないのはマネージャーの能力のせいではなく「みんなの問題」と説いています。2000年代に颯爽と現れた「コーチング」を基にした管理職研修では「教えてはいけない、相手に気づかせるべきだ」、「部下の自発性に任せるべきだ」、という傾向があったようです。そんなこんなで教えない上司が増えていったんだとか。
ティーチングとコーチングのバランスが大事ですね。誰だっていきなり補助輪無しで自転車乗れないですからね。フィードバックはティーチングとコーチングの2つの要素から成り立っていて、それぞれ、
ティーチング:現状把握と向き合うことの支援
コーチング:振り返りとアクションプランづくりの支援
こんな感じで定義されておりました。
育成の基本軸は、経験軸とピープル軸
自分の部下に経験軸とピープル軸が足りているか、マネージャーにはこの2つの視点が足りているか?を注視する必要があります。
経験軸は言わずもがな、ですね。新卒研修だけ受けて現場配属されたら即戦力、なんてことはまずないですしね。業務経験が一番重要ですが、背伸びすればこなせる業務(ストレッチゾーン)を上手いこと部下に渡すのが管理職に求められそうです。そのためには部下の力量の見極めも必要ですね。
ピープル軸は「点」でなく「面」での部下育成。マネージャーだけでなく、先輩社員や同僚からいろんな気付きを得て成長していく、ということですね。部下を育てるのはマネージャーじゃくて会社、ということでしょうか。
業務支援:専門知識やスキルを教えること
内省支援:客観的意見や新たな視点を提供し本人の気付きを促すこと
精神支援:励ましたり褒めたりし自尊心や自己効力感を高めること
バランスよく支援できると良い職場になりそうな気配がします。Twitterにはダニエル・キムのゴールデン・サークル理論って書いたけど本当は「組織の成功循環モデル」でした。謹んでお詫び申し上げます。
パフォーマンスが向上するフィードバックをするためには
よいフィードバックをするためにはどうすればいいか?本書では「事前準備」が大事だと説いています。おいおいフィードバックの仕方じゃないのかよ思われそうですが、フィードバックはフィードバックをする前から始まっているのです。
SBI情報とは、Situation、Behavior、Impact、の頭文字をとったもの。どんな状況で、どんな行動が、どんな結果をもたらしたか?という部下の情報を集めるということですね。とは言えマネージャーも忙しいですから、部下側からもマネージャーに情報共有は必要だなと思います。
あとは、フィードバックの場に心理的安全性があるか、言いたいことが言える関係性か、信頼関係があるか、というのも重要そうです。この人に言っても仕方ないや、って心を閉ざされてたらどんなに的確なフィードバックでも聞き入れられないですよね。また、行動変容を促すときには痛みを伴いますから、フィードバックをくれる相手がそもそも嫌いとか信頼できない相手だったら火に油って感じですよね。「ぜってぇコイツの言うこと聞かねぇ」みたいな。
フィードバックは「君にはがっかりした」といったような主観を交えず行動の事実を伝え、目標とのギャップを埋める対話が必要。「僕は言ったのに部下は行動してくれなかった」では対話=伝えたことにはならないのだなぁ。
ギャップを意識してもらったら、部下に自身の過去と現在の状況を言語化してもらい、なにがおこったか、それはなぜなのか、これからどうするか、を聴いていくのがよさそうです。言語化することで自分を客観的に見てもらえるようになるし、声に出すことでより理解が深まりそうです。オートクライン効果みたいだな。
フィードバックの心構えとコツ
ここまでフィードバックの知識を書いてきましが、言うは易く行うは難し。やすしきよしなわけです。本書にはフィードバックをする際の心構えとコツまでしっかりと記載がありました。心構えは色々記載がありましたが、相手に向き合う、これが一番重要ではないでしょうか。マネージャーも逃げずにしっかり伝える、という覚悟が必要なんですね。覚悟とは暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことだ、ってジョルノ・ジョバーナが言っていました。
コツも様々な記載がありましたが、「嫌われるのも仕方がないという覚悟」、これが一番マネージャーに必要かなぁと思いました。タイトルの「嫌われて、感謝される」これが良きマネージャーのようです。わー僕めっちゃ苦手だわー嫌われたくないわー。誰も傷つけたくないし傷つきたくねぇわー。神聖モテモテ王国でファーザーも言ってたよ。痛みから逃げるな~。
フィードバック力をつけるためには
心構えとコツはわかった。では、オーラ力ならぬフィードバック力をつけるためにはどうすればよいのでしょうか。これは身も蓋もないですが場数を踏むこと、フィードバックを受けること、厳しいフィードバックをくれる人を探すこと。フィードバックをしたことがない人はフィードバックできないし、フィードバックを受けたことがない人にもフィードバックはできないですよね。
フィードバックは個人だけでなく組織で取り組む姿勢が必要
と、ここまで色々書いてきましたが、フィードバック力向上のためにはマネージャー個人が頑張るんでなく、組織として取り組む姿勢が必要なんだろうなと思いました。いい会社を作るためにはフィードバック力をマネージャーが身につけ、その後押しを組織が行う。GW明けから何に取り組むかを考えていた中で、本書はいろいろなヒントをくれました。
他にも「タイプ別フィードバックのコツ」も書いてありましたが長いので割愛します!気になる方はぜひ本書を読んでみてください。