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レム睡眠行動障害について

  note の記事第一号は、患者さんからよく質問されるレム睡眠行動障害について書いてみようと思います。専門用語をわかりやすいように書いたので冗長に思われる方もおられると思いますがご容赦ください。販売価格は500円ですが、その価値はあると思います。今後の睡眠障害の記事発信のための論文購入に当てたいので、何卒よろしくお願いいたします。なお、本記事の著作権は私にあり、転載を禁止します。購入者の個人利用にとどめていただければ幸いです。

①レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder, RBD)ってなに?いつ起こるの?

 睡眠時随伴症群(パラソムニアとも言います。睡眠中に生じるねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢など望ましくないイベントの総称です。)の一つで、レム睡眠時に夢内容に一致したイベントが生じます。ヒトの睡眠を終夜睡眠ポリグラフという方法で記録し、解析したものを睡眠経過図(ヒプノグラム)といい、下の画像のように結果が出されます。画像の赤い部分がレム睡眠で、RBDはこの睡眠段階でイベントが起きます。

スライド1

 ヒトのレム睡眠には次のような特徴があります。①90−120分のサイクルで出現する、②夢を見ることがある、③寝始めはレム睡眠の時間は短く、明け方になるにつれて長くなる。このため、RBDは、深夜から明け方に、夢内容に一致した異常行動/発声を、1〜複数回起こることが多いです。

②レム睡眠行動障害はなぜ起こるの?どのようなことが起きるの?

 レム睡眠中は、通常、筋肉の緊張がなく弛緩(ダラッとしている、力が入らない)していますが、レム睡眠ではこの機構が障害されているため、レム睡眠中であるにもかかわらず体が動いてしまいます(この現象をREM sleep without atonia, RWAといいます)。レム睡眠の中枢は脳幹ですが、そこが障害されると推定されています。(障害の要因は多岐に渡ります。アルファシヌクレインの沈着、脳血管障害、薬剤の影響など)(レム睡眠の筋脱力の機構は複雑なため別の記事で書く予定です。)

 レム睡眠の特徴は「夢をみる」ことですが、レム睡眠行動障害では、夢内容に一致した行動(会話をしたり、叫んだり、物をなげたり、起き上がったり)が見られます。このことを「夢見体験の行動化(dream-enacting behavior, DEB)」と言います。

 興味深いことにRBDの方の夢は暴力的なことが多いことが知られています。Olson先生が2000年にBrainで発表した論文(doi: 10.1093/brain/123.2.331.)では、

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