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日記的なモノ②~続・横浜トリエンナーレ、旧第一銀行横浜支店など~

再び横浜トリエンナーレに行ってみました

前回①では、リニューアル後の横浜美術館に行き展示を拝見しました。実はこのチケット、馬車道にあるBankART kaikoや旧第一銀行横浜支店内にも後日入館できるため、改めて馬車道に行ってみました。

旧第一銀行横浜支店の会場

まずは、旧第一銀行横浜支店。横浜の近代的なビル群を背景に白壁の荘厳な建物がとても異彩を放っていて建物を見るだけでも一見の価値があります。
中に入ると謎の提灯がぶら下がっていたり、学生運動のような看板が立ち並んでいたりとすでにかなりカオスな感じ。

冒頭に展示されていた山下陽光さんの展示の中に小さなブリキの車がおいてあり、息子がそれに興味を持っていると「触っていいよ、それ。面白いでしょ」との声が。

なんと我々の背後に作品アーティストの山下さんがいらっしゃり、息子に話しかけてくださったのでした。この距離の近さ、素敵です。

荘厳な雰囲気の旧第一銀行横浜支店

作品もさることながら、会場となった旧第一銀行横浜支店の内部が非常に荘厳で、館内を見るだけでも価値があります。隣接した近代的なビルの階段を登ると吹き抜けとなった旧館を眺めることができ、非常に美しい新旧の融合がみられます。

エッジのききすぎた作品群

北仲にあるBankArtにも往訪しましたが、ペッパーがあったり、消毒液のディスペンサーが大量にあったりとかなりエッジがきいている。

息子はペッパー君が苦手なため会場から逃走(苦笑)
作品をゆっくり見ることもできない。。。
でも、アート作品をみる、そこから何かを読み取る・感じ取るという姿勢が身についてくれたのは嬉しい成長。これは連れてきた甲斐があった!というものですね。

こちらも普段からいろいろな作品を展示していて、暇があると訪れるのですが、建物の雰囲気が非常に素敵で、この辺の再生建築という観点で見てみても非常に勉強になることが多いと思います。

アートを生かしたまちづくり

私自身、横浜市内に在住していることもあり、このマチの変化を強く感じます。実際、横浜市は「創造都市構想」というアートを取り入れた街づくりプロジェクトを推進しています。

BankARTさんをはじめ例を挙げればきりがありませんが、特筆すべきは昔からの横浜市民なら誰しもが恐れる娼婦街黄金町。ネットで検索すると未だに暗黒街やら麻薬、治安といった文字が並んでいますが、そんな私娼街も今では一掃され、空き店舗に小洒落たカフェが出店したり、アート作品が展示されていたりと、少しずつ変化が訪れています。

横浜トリエンナーレだけでなく黄金町バザールにもぜひ

横浜は、開港してからというもの、我が国貿易の先端として国際的に文化が交流する街だったわけで、確かにアートとの相性もいいわけです。

財界との関係から考える

今回訪問した旧第一銀行横浜支店ですが、第一銀行(第一国立銀行)といえば渋沢栄一翁が設立した日本最古の銀行で、今のみずほフィナンシャルグループの源流に当たります。

旧第一銀行横浜支店の記録

そして同じく馬車道にある神奈川県立歴史博物館はもともと横浜正金銀行という外国為替専業の銀行です。こちらはのちの東京銀行となり、現在の三菱UFJフィナンシャルグループになります。少し前であれば三菱東京UFJ銀行という名称でしたから、その名残が確認できましたよね。つまり、この辺りは貿易とともに栄えた金融街だったことが分かります。

そして今BankART kaikoがある北仲はもともと帝蚕倉庫といって生糸貿易で利用された倉庫だったようです。生糸貿易は、今でこそ大した産業ではありませんでしたが、明治維新後の我が国の外貨獲得手段として主力産業であり、その交易の中心地がまさに横浜でした。そんな国際貿易にかかる決済を上記の金融センターが支えていたと思うと、横浜という街のダイナミズムが見てとれます。

貿易の栄枯盛衰の中、アートで街を生まれ変わらせる横浜の取り組みには今後も要注目です。

「常に変化し続けること」が「横浜の変わらない街のスピリット」として残っている

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