地域経済と私②~私たちって居たらいけない存在ですか~
そろそろ免許取るか…それが大好きな福島との出会い
私と地方の接点ということで前回①でルーツとの話をしましたが、今回は偶然の出会いについて。大学生の時の話ですが、免許を持っていなかったため、そろそろ免許でも取らないといけないなということで、免許を取得することに。
ただ、ご多分に漏れず貧乏学生だったため、地方への弾丸免許合宿でとることにしました。私の友人はすでに免許を持っていたため、泣く泣く単独での合宿参加。今思い返してもこれはしんどかったですね笑
人生初の一人焼肉は恥ずかしさで味は覚えていない
当時、最安値だったのが山形県米沢市の学校と新潟県の学校だったのですが、何も考えず米沢市を選択しました。単身で約2週間の米沢合宿。確かホテルはサンルート米沢でしたが、今調べたら名前が変わっていましたね。ホテルの一回に当時焼肉屋さんがあって、その合宿プランには「期間中一回、焼肉屋さんで米沢牛が食べられる!」と書いてあり、出発前まではそれを楽しみにしていました。
しかし、米沢に到着して冷静に考えるとこれって一人焼肉になるじゃんって思い、まさかの人生初”一人焼肉”は米沢で経験しました。当時は恥ずかしくて焼肉の味なんて覚えてませんでしたが、これも今思えば周りに客なんていなかったので、勝手な思い込みです。
20年無免許おじさん、背中が鮮やか兄さん、郡山のお水姉さん、そして地元短大生との会話
私が合宿をした時期はとにかく閑散期で、大学生がほとんどいませんでした。唯一いた都内の大学生とは仲良くなったものの、周りは20年無免許おじさんや、背中が色鮮やかなお兄さん達(上記の友達が宿泊するホテルの大浴場で目撃したらしい)、教官を口説くキャバ嬢2人組など個性的なメンバー。都会の受験競争で純粋培養された私にとって衝撃的な2週間でもありました。
20年無免許おじさんは、横浜の鶴見で仕事をしているらしいのですが、「20年間ずっと無免許で仕事を続けてきたが、社長がそれを知って全額払うから頼むから免許取ってこいと言われてきた」と豪語していて、確かに運転が無茶苦茶上手い笑 横に乗る教官の苦笑いは今でも忘れられません。
私たちって居たらいけない存在ですか?地元短大生との何気ない会話
大して話す相手もおらず、元来、口下手な私ですが、教習の待ち時間で地元の米沢女子短期大学(通称、米短)から通いで来ていた女の子と何気ない会話をしました。聞くと、福島県内から米短に通っているとのことで、原発事故直後だったこともあり、「福島は大変でしょう?」と聞いたところ、こんな言葉が返ってきました。
「念のため聞きますけど、このまま私と話してて大丈夫ですか。」
―― この質問、さっぱり意味が分からない。ん?もしかして怪しまれている?
いやもちろん平気だから話しかけているのだけど。。。
「実は、原発事故の影響で、福島ナンバーってだけで駐車場では車に傷をつけられたり、福島の人とは話すなって言われたりします。」
―― なるほど。。。これは彼女なりの配慮だったのか。ん、てか待てよ、配慮ってなに???
ふつふつと表現できない怒りが湧いてきます。
それと同時に自分の無知を恥じました。
色々と実情を話しているうちに最後に帰ってきた言葉はさらにつらい一言
「私たちって居たらいけない存在ですか?私たちって何かしましたか?」
―― そんなわけない。そんなわけないけど、そういう現実がある。
自分が知っている世界、学校、教科書、ニュースだけで見る世界がいかに狭い視野だったのか思い知る出来事となりました。
この国で一体何が起きているのか。このままでいいのか。社会人を出る前のモラトリアムの私にはこの時のことが深く胸に刻まれています。
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