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【#一分小説】適音《第二話》
また別の日には、
「文章こそ思考の略奪である。」とのことだった。
「文章は、事象の深みを装い、人々の感情をブラックホールの如く吸い尽くしてしまう。殊、我が国の歴史教育とは、表層的であると度々騒がれてはいるが、歴史なぞ、様々な学者の解釈があって然るものだ。その深みに自らわざわざ潜ってしまおうという蛮行は、その立位前屈体を亡き者とするようなものなのだ。そういったものは、そっと撫でるだけでよい。」と。
然し、マキシムは、「相当な覚悟を前提として」と前置きし、右鼻から薄茶の粘着性物質をぶちまけながら、嬉々としてほくそ笑む。
「文学の大家と呼ばれる者ーディキンソン、ハーパス、金崎厳、その他とても口外さえ憚られるやつら―の中に紛れられるという理屈も立ってくる。特にディキンソンのような、今生のサキュバスを煮詰めて皮だけ剥いだような奴までも出し抜いて、甚だ異常な振る舞いも、いつの間にか許されてしまうというね。ハナハダだけにね。」
ハナハダ・ダケニーネ????
(つづく)
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