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「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」 ー 自分はどちら側に立っているのか ー

手話通訳士が主人公の話である。

私の身内にはある程度手話を解する者がいるが、私自身は全く理解できない。
勉強したことはあるが、少しだけで終わってしまった。

「手話」が日本語とは違った「言語」であるからなのかもしれない。
英語だけでなく外国語というものが、そもそも苦手なのだ(英単語を覚えるのが苦手だった)。

この本の筆者も手話とは縁のない世界に住む人である。
しかし、たくさんの文献を読み、調べることで、ろう者とその文化について、詳しくてわかりやすい本を書いた。
やはり小説を書くというのは、こういうことなのかと思う。

ろう者とその周辺の人々の話ではあるが、物語自体はミステリーである。
最後まで予想を裏切られ、どきどきさせれる。

物語の中で繰り返される、「どちら側の人間なのか」という問いは、胸に深く刺さった。
自分はどちら側に立っているのか。
ときとして人生にはそう考えさせられる瞬間がある。

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