臨機応変さも技量のうち
先日、登山ガイドをしてきました。
場所は滋賀県大津市の比叡山。延暦寺で有名なあの比叡山です。
普段から趣味で山に登っている私からすると、比叡山などは、超初心者向けの山。いや、登山と言ってもいいのかというほどです。
何しろ、山頂にたどり着くのに歩く必要がないのですから。登山電車とロープウェイを乗り継げば、ゴールは比叡山山頂です。
とはいえ、今回ガイドする方々は普段あまり運動しない方々で体力にも不安があるということで、この比叡山登山はまさに打って付けでした。
ただ、ガイド当日、比叡山の清流が流れる麓では、川遊びを楽しむ方々でいっぱい。駐車場に止めることができず、結局広大な駐車場が完備されている延暦寺に駐車せざるを得ず、延暦寺からのガイドスタートとなったのです。
もちろん、私が思い描いていた当初のガイド計画から大きく逸脱、いきなり想定外の事態となったのですが、そこから比叡山山頂まで30分ほどの軽い傾斜の登り。
山頂にはレストランを備えた植物園が設置されており、なかなか楽しいガイドとすることができました。
登山ガイドは臨機応変さが重要だと思います。
登山は自然を相手にする活動、どんな想定外の事態に対してもきっちり対応しなくてはなりません。
道迷い遭難、天候悪化、野生動物との遭遇、怪我、滑落・・・山ではどんなことがあるかわかりません。だからこそ、ガイドをするためにはガイド自身が豊富な登山経験を持つことが極めて重要です。
経験から生み出された知識の引き出しから、状況に応じて必要なものを取り出す。引き出しが空では対応のしようがありませんから。
そんな私からすると、ガイド出発地点の突然の変更など、もはやトラブルでもなんでもありません。
サッと頭を切り替えて、どのルートを案内するか検討、そして今回のガイドとなったのです。
とはいえ、登山ガイドとしての私はまだまだ発展途上。今回のガイドで課題も見つかり、次回に向けてしっかり備えていこうと決意したのでした。