北海道へ、愛を込めて
先日、4年ほど住んだ札幌市をはなれ、福岡市へ移住しました。福岡の好きなところもたくさんありつつ、やっぱり北海道暮らしは私にとって特別なものだったと感じるので、北海道の記憶が新しいうちに、できるだけ残しておきたいと思います。
北海道の空気が恋しい
私はだいたい毎朝走るという日課があり、福岡にきてからも続けているのですが、人の少ない静かな早朝に肺いっぱいにとりこむ空気のおいしさと透明感についていえば、札幌の空気がダントツで良いと感じます。
ひんやりとした乾いた空気で、何度か深呼吸するだけでエネルギーが湧いてくる。冬には、ガラスのような透き通った空気が、体を浄化してくれるような気さえします。北海道の朝はほんとうに特別です。
日が長い
冬になると夜が長いことの裏返しではありますが、北海道の夏はかなり日が長いです。3時台には日が出て、19時半くらいに日没です。
先述のとおり私は朝型なので、朝はやく明るくなるのはとても嬉しいです。というか単純に明るい時間が長いので、1日が長くなったような気がして嬉しくなります。冬は暗いけど、四季がハッキリしていて生きてる実感があって好きです。
街と自然のバランスがよい
札幌に住んで驚いたのは、公園の多さです。私の住んでいた家から徒歩10分以内に5つは公園がありました。それも、砂とコンクリの埃っぽい公園ではなくて、芝が茂った緑豊かな公園です。ふとしたときに公園まで散歩すると、とてもいい気分転換になります。
そして忘れてはいけないのが豊平川。札幌の真ん中を流れる大きなこの川は、毎年鮭が遡上する豊かな川です。両岸にはランニングコースや運動場があって、私のお気に入りのランニングコースです。
近年、市街地にまでヒグマが出没して問題になっていますが、そういうことが起こりうるくらい自然との距離感が近いというのは、200万都市として他に類を見ないのではないでしょうか。
食べ物が美味しい
言わずもがなですが、食べ物が美味しいです。挙げればキリがないですが、一部を挙げると、ニシンの刺身・ホッケのちゃんちゃん焼き・つぶ貝焼き・北海しまえび・牡蠣・ホタテ・毛ガニ・ウニ・秋刀魚・鮨・生ラムジンギスカン・サッポロクラシックあたりでしょうか。
こんなことを言うと怒られそうなんですが、色々と手を加えた料理よりも素材の良さで勝負する料理が美味しい印象です。本州は人が多くて競争が激しいので、調理法や味付けでおいしさを追求したのかな、と勝手に思っています。
福岡にも美味しいものはありますが、北海道でしか食べられないものもたくさんあるので、こんど食い倒れの旅に行きたいです。
絶景と温泉の宝庫
北海道には信じられないような絶景がたくさんあります。
まず、そもそも、道が反則級です。湖畔の横や丘陵のど真ん中をドライブできるような道や、左右に海と原野が広がる孤高の道、信号がなくひたすらにまっすぐ伸びる道など、運転するだけで気持ちがいいです。
そして特筆すべきは、全道にわたって美しい湖が点在していること、人の手の入らない原野や大自然が残っていること。それなりに色々と巡りましたが、いくつか挙げるとすれば、礼文島のトレッキングコース・大雪山・支笏湖・野付半島あたりは、訪れる度に大きな感動を与えてくれます。
野生動物も豊富で、札幌の街中をちょっとあるけばキツネやリスに会えますし、ドライブすれば嫌と言うほどシカに遭遇します。とくに、知床のシャチとフクロウに会えたときは感激しました。
また、温泉も忘れてはいけません。私は道内の野湯にはいけずじまいでしたが(ヒグマが怖いです)、ふつうの営業湯でも素晴らしい温泉がたくさんあります。オンネトーの野中温泉、帯広のアサヒ湯、函館の恵山温泉などは趣が素晴らしいです。
雪が降ること
当たり前ですが北海道は雪が降ります。雪があると色々と弊害はあるのですが、普段みていた風景が真っ白に染まる銀世界は、ため息がでるほど美しいです。
個人的には、冬の夜に白い街並みに街灯や車のライトが反射してキラキラしているのがとっても好きです。何年か前に年末の豊富温泉を訪れたのですが、人気のない温泉街と雪景色が印象的で、いまでもよく思い出します。
北海道には余白がある
北海道には、人間的な余白と空間的な余白があると思います。
まず人間は大らかでザックリした性格の人が多い気がします。だから(?)、みんな路駐します。危ないんですが、まあそんなもんだよね、という文化のように思います。
東京は関心のなさで多様性を許容する文化ですが、北海道は大らかさで多様性を許容する文化なのかな、と感じています。
空間的な余白は「北海道はでっかいどう」と言われるように周知の事実ではありますが、やはりどこに行っても「余ってるな〜」と感じます。過疎化など問題は深刻ですが、空間的な余白があることが北海道の魅力でもあると思います。どこに行っても人で溢れている今日、そういう余白のある場所はとっても魅力的です。
まとまりのないポエムになってしまったけれど、北海道がとても好きなので、また機会があれば住みたいなと思ってます。おわり。
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