山の美ヒマラヤブラック岩塩

現在、取り扱っている岩塩は、1985年塩が民営化されたばかりのころ、インドの5つ星レストランのシェフに『最高級の岩塩を』とお願いして原石を取り寄せたものです。

大きいものは3kg、小さいものはカケラが1〜3mm。
その原石は黒く、水晶のように結晶化していて、割ると表面が宝石のようにピカピカ光ります。

岩塩は、天然鉱石の集合体です。
約3億5千年前。地球の太古の海が火山活動によって山に閉じ込められて、さらに何度もの火山噴火で山がどんどん隆起し、海は山の中に丸く大きな結晶として残りました。

ピンクや白の岩塩はこの結晶の破片と思われ、ブラック岩塩は、その結晶の中心の部分で、標高5000メートル近くの高山より採掘されています。
大きな機械が入れるところではないので、現在でも手掘りでの採掘作業をしているそうです。

ブラック岩塩が発見されたのは、冬が訪れる前に、毎年ヤクという動物が群れをなして高山に登っていくのを、どこに行くのか?とついていったところ、突き止めたのがこの岩塩でした。
厳しいヒマラヤの冬を乗り越えるには、充分なミネラルの補給が必要な動物の本能的な行動が発見につながったとされています。

現地では古くから薬用とされて、体の調子が思わしくない時や、山の人たちの不足しがちなミネラルを取り入れるのに、薬膳カレーの中に入れたり、アーユルヴェーダ(インド式伝統医学)では入れ物に入れて水に溶かし、沈殿物が黒く溜まるので、その上澄みの透明な塩水を、鼻うがいなど粘膜の洗浄にも使用したと聞きます。
大自然が作り出した塩は、人や動物の健康を支える貴重なミネラル源となりました。
またこの沈殿物は火山灰と思われ、口に入れるとたまに砂利っとします。
細かく砕くと色が変化してルビー色になります。
ルビー色にならない黒い部分は、水にも溶けず、その砂利感の原因となります。

臭いは、硫黄が鼻につくほど。
ただ、料理に使用すると、この硫黄臭はあまり気になりません。
そのままお好みの大きさに砕いてミルに入れて、食卓塩として使ったり、
醤油に少し溶かして、刺身に使用するのもおすすめです。
ミネラルの旨味が、まるで化学調味料のようなインパクトで美味しさに変わります。
保存は、小さなものほど水に溶け易いため、湿気を避けてください。

ヒマラヤブラック岩塩の効果、効能については、あらゆるサイトで見ることができるので割愛しますが、例えば、温泉の治癒効果は、この硫黄成分が役立っていると言われ、温泉の効果と抗酸化の還元作用にもっとも優れた健康食品であることには、間違いないと思われます。

生活習慣病の予防に『塩分の摂り過ぎに注意』というのは、塩化ナトリウムの摂り過ぎのことを指すので、この岩塩には匹敵しませんが、薬用としてご使用の場合は、医師の判断に従ってください。

筆者の使い方は、胃もたれや偏頭痛、腸や体内の気が流れなくなっている時には、そのまま塩を食べたり、最近は水に溶かし、火山灰を沈殿させ、その上澄みのキラキラした塩水を自家製の塩糀に使用して、毎日の食生活に欠かせない調味料となっています。私の料理を褒められるのは、このヒマラヤブラック岩塩糀が、一役買っているのは、確かです。

ちなみに火山灰には、体内の微生物の動きをいったんリセットして、新たに環境の循環を作り出す力があるので、砂利感も悪いものではありません。

余談ですが、ある日、マーケットで販売していると、歯痛を抱えたインド人が、試食用の岩塩を患部に塗っていたこともありました。

ご家庭の常備品として、多くのみなさまにお伝えしたいと思います。

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