ギタリストのつめみがきVol.10
今回のお話は、"今個人的にみなさんに紹介したいギター”についてです。
ベルギーの製作家で、ワルター・ベレットさんという方が製作されたギターです。実はこの作品は歴史的銘器と言われている、エンリケ・ガルシア氏(1868~1922)の作品をモデルとしたものです。
小ぶりなボディでとても抱えやすく、さらに一音一音に深みがあってとっても良い音色を奏でてくれます。
実はこのベレットさんの作品はかつて何本も私は販売したことがあります。
3年ほど前には、中国の有名なシンガーソングライターの方もこのギターをとても気に入ってくださりお求めになりました。
お名前も出せませんが、日本でいうと福山雅治さんのようなスーパースター的な存在の方だそうです。(その方がご来店されているときは毎回中国人のお客さまがサインを求めてきます!)
クラシックギターはとかく”ブランド”から入り"がちと思われる方もいるかと思いますが、”まず音色から入る”という方もいらっしゃいます。
この中国のお客さまは一切このブランドは知らず、音色と弾きやすさのみでベレットさんのギターを選ばれました。
ベレットさんについては、とても偶然のことなんですが、実際にあった話ですが、何年か前、正確に年は覚えていませんが、少なくとも2019年8月の売場改装前でありましたが、ご来店されたベルギー人の方が、ベレットさんのギターとラベルの地名から判断されて「このギターを作った方の息子さんが私の教え子なんだよ」と教えてくれました。
地球は狭い!つくづく思いました!(^^)!
地元でもベレットさんは、有名なんでしょう。
話は今展示しているギターに戻りますが、この作品をオーダーされた方が、”とにかく一番良い材料であなたの1番のギターを作ってください”と頼んだとのことです。(使用しているパーツ、糸巻もこれ以上はないのでは?と思われる最高級糸巻ロジャースです!(^^)!)
大変大袈裟な言い方をすれば、このギターはとにかく弾いていてとても楽しく、いつまでも演奏をしてしまいます!
それもそのはず、ベレットさんは現代の名工と呼ばれているスペイン在住のホセ・ルイス・ロマニリョスさんはじめかつてはブーシェ、フレタ、フレドリッシュ、アグアド等歴史的銘器を生み出した製作家と接点を持ち研究されているのです。
本当に勝手な言い方をしてよければ、”様々な銘器の良いトコ取り”のような気がします。
ギターだけに限らず、楽器はそれぞれ人により好みが分かれます。
あくまでも私個人的におすすめの作品ですが、興味が沸いた方はぜひお試しください!貴重なご意見をいただける日を楽しみにしております!(^^)!
(Arcangel アルカンヘル)