頸椎アジャストについて

こんにちは。山根悟です。

カイロプラクティックの業界の定義として、以下のように明文化されています。

”筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職であり、関節アジャストメントもしくは脊椎マニピュレーション(アジャストメント)を含む徒手治療を特徴とし、特にサブラクセーション(神経系の働きを妨げ生理学的変化を起こす因子)に注目する。”(世界保健機関, 2005年)

アジャストの目的はズレを治すのではなく、動きの悪い椎間関節に動きをつけることにより機能的に神経系の働きを改善することです。

アジャストの効果としてドアを例えに説明すると、普通ドアを開閉するのに蝶番がありますが、もしこの部分がさびていたり、変形しているとドアの開け閉めに問題が生じます。そこで一般的にはクレ556などの潤滑剤を照射し、動きをつけますが、人間に照射することはできませんから、関節モビリゼーションとして椎間関節に動きをつけることです。その結果、関節に動きがつき、機能が改善されます。

アジャストは、接点、角度、方向が重要です。頸椎右側です。

左の上部頸椎一番二番に動きをつけます。しっかりコンタクトすることが重要です。

アジャストをする際にやってはいけないこと(禁忌症)

頸椎の場合、時に上部頸椎には椎骨動脈が頭蓋骨に入る前に後頭骨と上部頸椎の間を走行するわけですが、ここで必要以上に牽引や刺激により傷つけた場合、大変なことになります。

熟練したカイロプラクターはものすごい解剖学及び練習、経験を積んで臨床に当たっています。むやみやたらに矯正すればいいものではありません。

人の命にかかわる問題ですから十分考えた上で行うようにしてください。事故や医療過誤が起きてから遅すぎます。

今経験のない自称カイロプラクターが背骨に対し、ポキポキなどを面白おかしくやっている姿をSNSで見かけますが、本当に危険です。

私はアジャストをする際は、十分に考えたうえで矯正を行っています。決して遊びで行っているわけではありません。

矯正をする際は、しっかり医学的な基礎医学を勉強したうえで行いようにしてください。

本当の医療とは

特に頸椎のアジャストは素晴らしい結果を出すことがありますが、一歩間違えば、大変な問題も引き起こします。

医学に大事なことは、再現性のある臨床こそ本当の医療と考えています。

アジャストは見世物ではなく、カイロプラクターにとっては、西洋医の薬や注射に匹敵する素晴らしいツールであることを忘れてはいけません。

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