相方列伝その③〜四天王編(後)〜
3人目の相方、川嶋くんと「四天王」というコンビを結成したところまで話しましたね。
前回はこちら
その続き
以前も書きましたが僕たちNSC30期は最初、Aクラスが女性だけのクラス、B〜Jクラスは、入学願書を早く出した順に振り分けられていました。
ギリギリまでNSCに入る事を親に言い出せなかった僕は願書出すのが1番遅かったJクラス。
川嶋君はIクラス。
環境を変えたかった僕はIクラスへ異動する事にしました。
このIクラスがとんでもない猛者揃いで
【ツートライブ】(当時はラフキカクというコンビ名)、【ダブルアート】、現在は吉本俳優班に所属する大西ユースケが当時組んでいた【突堤4号】、そして、現在はどちらも辞めてしまいましたが、僕たち30期の中で当時1番早く売れるだろうと言われていた【ボンボンヤサゴナボン】
特にこの4組が目立っていて、ネタもめちゃくちゃ面白いし、ネタ終わりの講師の先生方と絡む時もダメ出しを受けながらも受け答えで絶対に笑いをとる。
衝撃でした。
それまで僕がいたJクラスにも面白い人はいましたが、ネタ見せの授業で笑いが起こる事などほぼ無く、ダメ出しの時間もみんな真面目に話を聞いているだけ。
クラスのムードが全然違ったんです。
「これこれこれっ!!これがワイが求めてたNSCやで!!」
と、スラムダンクの彦一のような話し方だったかはわかりませんが、僕はとても嬉しくなったのを覚えています。
レベルの高い新しいクラスは望むところだったのですが、僕たち四天王には暗雲が立ち込めていました。
僕はそれまでのコンビ、ネタ作りを担当してきたので、僕もネタを考えては持っていってたのですが、川嶋君には採用されませんでした。
川嶋君の言動は自身に満ち溢れていて、歳も僕より5つか6つ上だったので、妙な説得力があり、僕は結構彼の言いなりでした。
僕に何かを感じた男だから、確かな感覚を持っているんだろうという信頼もありました。
しかしある日のネタ合わせ
漫才では僕がツッコミをしてたんですが、ツッコミ方に川嶋君は結構厳しく
「こんな言い方をして欲しい」
という注文は結構ありました。
その日彼が言ったのは
「ここはそうじゃなくて、、『3回目〜っ!』ってツッコんで欲しいねん!!」
ん?
『3回目〜っ!!』
どっかで聞いた事あるぞこのくだり、、、
そうや!アンガールズさんや!!
当時ネタ番組に出まくっていたアンガールズさんのコントに、全く同じ部分があったのです。
しかも川嶋君の指示は完全に田中さんの言い方を模している、、、
でももしかしたら偶然似てしまったのかもしれない
僕は川嶋君に
「これ、アンガールズさんのネタに全く同じ言い方で同じ箇所出てくるけど大丈夫?」
と聞きました。
大丈夫?と聞きながらも「このツッコミは出来ない」という意思表示。
すると彼の返事は
「別に大丈夫やろ。俺はこんなんどんどんやってもいいと思う。」
いや、どんどんやったらあかんよ(笑)
人のやつやから(笑)
たしかにNSCの講師の先生方は
「売れてる人のネタはどんどん参考にしなさい」
みたいな事は言われてだけど
それとちゃうやん。
完全にパクりやし
何より
俺苗字「山根」やねん。
田中さんのツッコミを【山根】が丸パクリして言うわけにはいかんて、、、
今これを許したらそのうち
「やぁまぁねぇ〜!」
まで僕が言わされる可能性もある。
これはまずい
よし、解散
パクりツッコミを絶対言いたくなかったのもありますし
自分の考えたネタでやりたい
人にリードしてもらうんはあまり性分に合わない
と感じたのも理由です。
そして僕は、まだ移動したばかりの猛者揃いのクラスで1人になり、新しい相方を探す事になるのです
続く
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