映画「クラブ・ゼロ」を観た
今週いっぱいで子供達の給食が終わってしまう。
静かなおひとり様時間はしばらくの間お預け‥
とおセンチな今日このごろ。
久々に映画でも観るかな、と
思い立って調べて、
この作品を観ることにした。
ちなみに「バグダットカフェ」と
どっちにするか
5分ぐらい迷った。
平日の朝イチの映画館で、
全員おひとり様。
小さなスクリーンで20人弱の老若男女。
エンドロールが流れても誰1人物音も立てず、
場内が明るくなってから
のろのろと立ち上がっていた。
それだけラストはかなりのインパクトだった。
※以下、ネタバレあり※
舞台は学費が高価な私立のハイスクール。
生徒たちはみんなとても裕福そう。
「なぜこの授業を履修しようと思ったの?」という質問に
自分の意見この授業への期待などを
丁寧に伝える生徒たち。
どの子もみんな幼い頃からしっかりと教育を受けてきたんだろうなと思った。
制服はあるけれど、みんなメイクやヘアスタイルで個性を主張している。
いかにもお金持ちのティーンエイジャー
という感じ。
先生は、時には窓の外から。
時には食堂で。
受け持ちではない授業の発表会まで
見に行っちゃう。
生徒の成長をいつでも見守っていた。
たとえ親が行かなくても。。。
「がんばっているわね」
「こうしたらいいと思うの」
「成長が目覚ましいわ」
「ついにここまで来たのね」
「次のステージへ行けるわ」
一つひとつの言葉は、
ありふれた先生から生徒への励まし。
普段の何気ない交流で、
生徒からの信頼を確実につかんでいく。
見事だなと思った。
一方、授業ではそれらしいことの中に
トンデモないことを巧妙に混ぜていく。
そして
「周りの人には理解できないことなんだけど、
(ここまでがんばってきた)
あなたたちだから伝えるの」
「結果が出ているのに
エビデンスなんて必要ある?」
など。
生徒たちに優越感を感じさせて
周りよりも優れていると思い込ませることで
明らかに常識を逸脱していることでも
いとも簡単に納得させてしまう。
ゾクゾク…
スクリーンを通して見せ物として見ているから
(先生すげーな)と思ったけど
私がハイスクールの生徒だったら
騙されていたな。
そのお年頃の子の特有な
「周りよりも優れていたい」
「認められたい」
「親の言いなりになりたくない」
という特性?
そして、友達や先生などが
家族よりも大切な存在になる特性。
そして、親との関係の中に脆弱性が出やすいお年頃でもある。
先生は全ての要素をうまーく組み合わせて
生徒たちの心をモノにしている。
バレエ好きな男の子は
家族が大好きで、家族と暮らしたいとずっと願っていたけれど
父も母もそれを望んでいなかった。
そこに目を付けられ
最終的には先生と恋愛関係にまで。。。
シングルマザー家庭の母が
一番マトモかと思っていたけれど
先生とのつながりを無理やり
ぶった斬るまではできず。
母の愛は友達や先生とのつながりに敵わなかった。
スキーに行ったから、
最後に先生に会わなかった子だけが
先生に連れて行かれずに済んだ。
そこで、映画は終了。
エンドロール…
静止画かと思いきや長回しの動画で、
「え、なに、ちょっと、一体なんなの、何が起こったの‥」と
とっちらかってまとまらない思考のまま
ぼーっとスクリーンを見続けた。
わけのわからない相手から
我が子を守るには
「ぶった切る」以外ないのであろう。
きっとこれが答えなのかな…と、考えた。
そして、食事をしない洗脳をとくことはできるのか…
それは時間をかけて信頼関係を再構築するしかないのかもしれない。
100分ほどの短めの映画だったが、
ずっと緊張状態で集中していたのであっという間であった。
スクリーンの仮想世界に
どっぷり浸かって満足!
冬休みの母業
がんばるぞ。