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一般質問原稿 令和6年第2回定例会2024年6月6日

1 食育の推進に向けた取組について
(1) 調布市みんなの健康・食育プラン(第4次)について
 ア 和食文化の継承について
 イ 地産地消の取組について
(2) 公立学校における食育の推進について
 ア 栄養教諭及び栄養士の配置状況と各学校における食育の取組について
 イ 給食調理の実施体制の現状と課題について
 ウ 給食に充てられる時間について
 エ 物価高騰を踏まえた食材の質の確保に向けた取組について
(3) 学校給食における木島平村の食材を活用した食育の推進について
(4) 子ども食堂と連携した地域における食育の推進について
 ア 共食の機会確保について
 イ 調布市子どもの食の確保事業補助金の現状と課題について
(5) 長期休業期間中の学童クラブにおける共食の機会確保について
2 いわゆる「小1の壁」問題について
(1) 「小1の壁」問題に関する現状認識について
(2) 朝の時間帯における子どもの居場所確保の取組について

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〔6 番 山根 洋平議員質問者席登壇〕

◆6番(山根洋平 議員)  皆さん、こんにちは。チャレンジ調布、6番議員の山根洋平でございます。ただいま井上耕志議長より発言の許可を得ましたので、通告に従いまして一問一答方式にて質問を始めます。今日も項目が少々多くなってしまいましたので、簡潔に質問をしてまいります。よろしくお願いいたします。
 初めに、食育の推進に向けた取組についてです。
 まず画面を御覧ください。これは、国民の健康と食生活の向上を目的として平成17年に食育基本法が公布をされまして、翌年の6月から、毎年こうしたキャンペーンを通じて食育の普及活動を行っているというものになります。
 健康で心豊かな生活を送るには健全な食生活、環境と調和の取れた食料の生産や消費、豊かな食文化の継承など、食に関する知識と食を選択する力を習得することが重要であると言えます。去る6月1日と2日には、全国規模の中核的な行事として食育推進全国大会が開催されました。今年も全国各地で食育をテーマとした多くの取組やイベントが実施されることとなっています。画面を終わります。
 ここで食育基本法について少し御紹介したいと思います。食育基本法が制定された背景には、次のような問題意識がありました。食を大切にする心の欠如、栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向、食の安全上の問題の発生、食の海外への依存、伝統ある食文化の喪失というものです。こういった問題に対処し、健全な食生活を取り戻していくことが必要であると考えられ、私はこの食育基本法が制定されたものと理解をしております。
 この食育基本法が目指すところは、食育によって生涯にわたって健康的で文化的な生活を国民が享受し、結果として豊かで活力ある社会が実現することにあります。そのためには、食育を推進するための包括的な計画が必要になります。食育基本法は、計画の策定に当たっての基本理念を定めるとともに、国や地方公共団体の責務を明確にしています。
 これまで私は子育て支援の充実ということで幾つかのテーマについて質問をしてまいりましたが、いずれも子どもたちの健全な心身の育成を図るための取組につながるものと思っております。今回は食べること、食というテーマでお尋ねをしていきたいと思います。食育の推進を着実に進めていくことが市民の健康維持にもつながることから、調布市における食育の推進を着実に進めていくことが市民の健康維持、そして方向性を明らかにしていきたいと思います。また、様々な側面からの取組が必要であるということを今日明らかにするためにも、今日は5つの項目から順次お尋ねしていきたいと思います。
 1点目は、調布市みんなの健康・食育プラン(第4次)についてです。従来、調布市食育推進基本計画として、本市における食育の推進を計画的に実施されてきたというところになりますが、このたび、健康寿命の延伸と食育の推進を目的として、調布市民健康づくりプランと一体的かつ総合的に進めていくため、これら2つを併合して調布市みんなの健康・食育プラン(第4次)として新たに策定されました。
 この新たなプランの趣旨について伺うとともに、食育の中でも伝統食や郷土食といった和食文化の継承について、どのように位置づけられておられるのか、あわせて、調布市内で生産される農産物の地産地消の考え方をどのようにプランの中で位置づけられておられるのかを伺います。御答弁お願いいたします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。長友市長。

◎長友貴樹 市長  食育の推進に向けた市の基本的な考えについてお答えします。
 食育は、生涯にわたって健全な心身を有し、豊かな人間性を育んでいく基礎となるものと考えています。また、古来より受け継がれてきた和食文化は、ユネスコの無形文化遺産にも登録され、四季のある日本の風土ならではの多様な地域で生まれた文化として、次世代につなげていく必要があると認識しています。
 しかしながら、近年、少子高齢化に伴う世帯構造やライフスタイルの変化などにより、食をめぐる環境が大きく変わってきています。
 こうした中、市は、和食文化の継承をはじめ、食に関する興味や関心を高め、健康的な食生活が実践できるよう、食育基本計画に基づく様々な食育の普及啓発に取り組んできました。
 さらに、分野横断的な取組として、木島平産の米や野菜などをアンテナショップや各種イベントで販売することにより、食を通じた都市間の交流を進めています。
 加えて、農業振興の視点から、JAをはじめとする多様な主体と連携したマルシェ・ドゥ・調布や農業まつりを通じたPR、教育委員会と連携した学校給食での利用促進など、新鮮で安全・安心な市内農産物の地産地消の推進にも努めています。
 これらの取組も踏まえ、市は、本年3月、健康づくりと食育の施策を総合的に推進するため、これまで別体系で策定していた2つの分野の計画を統合、一体化し、令和12年度までの7年間を計画期間とする調布市みんなの健康・食育プラン(第4次)を策定しました。
 市は、同プランに基づき、市民が食文化の継承や地域のつながりを大切にし、主体的に食育、健康づくりに取り組めるよう、地域や民間事業者、関係機関等とも連携しながら、健全な食生活の実践につなげるための知識の普及啓発や機会の提供に取り組んでまいります。

○井上耕志 議長  八角福祉健康部長。

◎八角千里 福祉健康部長  食育の推進に向けた具体的な取組についてお答えします。
 市は、これまで3次にわたり、食育推進基本計画を策定し、食への意識や関心を高めるため、食に関する身近なテーマを取り上げた講演会の開催や、市民一人一人が望ましい食生活を心がけ、実践できるよう、健康教育や料理体験教室の開催、食事に関する相談事業に取り組んでいます。
 また、食事のマナーや地産地消、食品ロス削減、災害時の備えなどをテーマにした食育ガイドを作成、配布するほか、和食を含めた季節の行事食や郷土料理など、伝統的な食文化や旬の食材などを紹介する食育コラムを定期的に市報や市ホームページに掲載するなど、食を通じた心と体の健康づくりを推進しています。
 とりわけ、子どもたちが食に興味を持ち、食べることへの理解と感謝が深まるよう、市は、平成22年度から小学校4年生、5年生を対象とした食育セミナーを夏休み期間に実施しており、セミナー修了者を調布っ子食育マイスターに認定し、食の伝道師として、食育を地域へと広めていく活動を行っています。
 国の第4次食育推進基本計画に定められている6月の食育月間には、調布市の食育における基本目標を掲載したのぼり旗を市立小・中学校、児童館、図書館など、市内各所に設置しているほか、食育講演会を実施しています。今年度の食育講演会は、地産地消の観点や食べることの楽しさを盛り込んだ、調布産の野菜のおいしさ再発見をテーマに開催する予定です。
 こうした伝統的な食文化の継承や地産地消の推進をはじめ、生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進に向けた取組について、今年度スタートさせた調布市みんなの健康・食育プラン(第4次)に基づき、地域や関係機関と連携しながら継続してまいります。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  和食文化は、国際的な交流が今後増えていくという中で、日本を代表する文化であるといっても過言ではありません。自国の文化を紹介し、相互理解を深める手段として、ふだんの食文化を意識することが大切です。幼少期から慣れ親しむことで自己表現の一部となり、文化比較の際にも重要な役割を果たします。郷土食や伝統食を含めた和食文化を次世代に着実に継承することが重要です。また、地産地消は食育と農業振興の両方から重要であり、市内農家の経済的利益と消費者の関係強化にも寄与します。プランの着実な推進をお願いいたします。
 2点目は、公立学校における食育の推進について4項目お尋ねします。
 まず、栄養教諭、栄養士の配置状況と各校における食育の取組についてですが、学校教育の中で食育を推進する上で重要な役割を担うのが栄養教諭や栄養士の方々です。かつて我が会派の丸田議員が平成20年に栄養教諭の配置について質問をされたときは、いないとの答弁でございました。以来16年が経過いたしまして、当時平成20年、全国で1,897名の配置であったところ、令和5年には全国で6,924名と、15年で3倍を超える配置がなされています。
 全国的には増加している栄養教諭について、本市における現在の配置状況と東京都の動向を併せて伺うとともに、各校の栄養教諭や栄養士の方を中心に取り組んでおられる取組についても伺います。
 次に、給食調理の実施体制についてですが、直営校と委託校、それぞれ現状と課題を伺います。いずれにおいても調理員の採用が思うように進んでいないのではないかという懸念がございます。調理員の方の労働環境に配慮した取組について、どういったことを進めているのか伺います。あわせて、直営から委託への移行についての見通しについてもお聞かせください。
 次に、給食に充てられる時間についてです。簡単に言えば、給食を食べる時間数のことなんですけれども、保護者の方からは、食べる時間が短く、飲み込むようにして食べるけれども、それでも残食が出るということで、心を痛めるお子さんがいるとの御意見をいただいております。栄養摂取の面や食育の観点からも残食がないほうがよいにこしたことはないと思いますけれども、残してしまう理由が好き嫌いではなくて、食べる時間がないからというのは一体どういうことなのでしょうか。給食に充てられる時間の考え方と現状の認識について伺います。
 最後に、給食に使用する食材の質の確保についてですが、近年の物価高騰は食料品においても影響が大きいと考えております。今年度からは公立学校の給食が無償化となる中、食材の質を落とさずに調達できているのか心配する保護者の方の声もいただいております。
 調布市では学校給食運営協議会やS&Aの取組によって、学校給食の質は他の自治体と比較しても高いレベルにあると私は評価しております。こうした認識の上で、昨今の物価高騰をどのように織り込んで食材の質の確保につなげているのか伺います。御答弁をお願いいたします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。阿部教育部長。

◎阿部光 教育部長  公立学校における食育の推進についてお答えします。
 初めに、栄養教諭及び栄養士の配置状況と各学校における食育の取組についてです。
 現在、市立小学校全20校に栄養教諭2名を含む正規職員の栄養士を配置しており、市立中学校全8校には会計年度任用職員の栄養士を配置しています。栄養教諭は、昨年度、東京都全体で77名が配置されている状況の中、今年度、市に配置された2名は、他校の栄養士と同様に、献立作成や給食物資の選定、発注、食育の取組などの業務を担っています。
 食育の取組については、栄養士が担当教員と連携し、生活科の授業で、給食で使用するソラマメのさやむき体験を行うなど、食材を通じた食に関する指導を行うほか、1月の学校給食週間では、おにぎりやソフト麺などの懐かしい献立や日本各地の郷土料理を提供するなど、各学校で様々な工夫をした取組を行っています。
 次に、給食調理の実施体制の現状と課題についてです。
 現在、市立小学校20校のうち8校は、市職員の学校給食調理員が給食調理業務を担う直営校であり、ほか12校については行革プランに基づき、民間事業者に給食調理業務を委託しています。
 児童・生徒数の増加に伴い、調理食数が増えている中、直営校、委託校ともに、業務の多忙さなどから離職する調理員が増え、人員確保と適正配置が課題であると認識しています。引き続き、職場環境の改善を推進し、行革プランに基づく民間委託への転換も含め、給食調理業務の適正な体制整備に努めてまいります。
 次に、給食に充てられる時間については、小学校ではおおむね45分、中学校では30分で、給食の準備から片づけまでの実践活動を通して、児童・生徒が望ましい食習慣を身につけるのに必要な時間の確保に努めています。
 なお、小学1年生では、給食の配膳に慣れるまで6年生や保護者が補助を行うなど、配膳時間を短縮し、喫食時間を確保するよう配慮するほか、食材を児童が食べやすい大きさにするなど、調理の面からも工夫しております。
 次に、給食に使用する食材の質の確保についてです。
 市教育委員会は、学校給食物資食材取扱基準に基づき、原則国産品であることなど厳正な基準の下、学校給食の食材を選定しています。食材費の高騰は、一般家庭と同様に学校給食にも及ぶ課題として認識をしており、給食の質を落とすことなく提供できるよう、今年度は昨年度の給食補助金を含めた給食費にさらなる物価上昇分を上乗せして、各学校の給食食材費として支給しています。
 今後も給食費無償化の取組と併せ、今般の物価高騰を踏まえた適正な食材費を算出するとともに、安全性を考慮した食材の選定に努めてまいります。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  学校給食に関する法律として学校給食法がございます。これは給食の実施基準を定めるものですが、これを教育的側面から補完するものとして食育基本法があると私は理解をしております。
 学校給食を通じて子どもたちが多様な食材に触れ、食の大切さや食文化を学び、健康的な食生活を身につけることができるようになるということが期待されています。学校給食は食育を進めるに当たって重要な手段の1つであることから、栄養教諭や栄養士といった専門の職員の配置だけではなく、学校給食の調理を担う調理員の担い手の確保というのも併せて重要になってきます。質を維持向上させていくためにも、安定的な運営ができるように引き続き御尽力をいただきたいと思います。
 時間数については、子どもたちの健康のためにも、よくかんで食べる、残さず食べることのできる時間数をしっかりと確保していただくよう、お願いいたします。
 3点目は、学校給食における木島平村の食材を活用した食育の推進についてです。
 先月、木島平村を訪れる機会をいただきまして、現地で村の方々と交流をして、親睦を深めてまいりました。そこで、木島平村のお米を、木島平村の水で炊いた御飯というものを頂いたんですけれども、これが本当においしかったんですね。思わずお代わりをしてしまうというような、それぐらいおいしかったということで、私は、これを調布の子どもたちにもぜひ食べてもらいたいという思いを強く抱きました。
 画面を御覧ください。こちらは、木島平村の農産物としてただいま申し上げましたお米のほかにも、ズッキーニやアスパラガス、ネギなどの自然の豊かな恵みを味わうことができます。こうした木島平村の農産物を学校給食の食材に活用すると同時に、生産者の方の思いや御苦労なども語っていただきながら、感謝の意を伝えることで食育として大いに活用できるのではないかと考えます。ここで画面を終わります。
 来年は、木島平村との姉妹都市盟約締結が40周年という節目の年になります。木島平村との連携協調の機運を高めるためにも、木島平村の農産物を調布市の学校給食の食材としてより積極的に採用してもらえないでしょうかという要望になります。市のお考えをお聞かせください。答弁をお願いいたします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。阿部教育部長。

◎阿部光 教育部長  学校給食における木島平村の食材を活用した食育の推進についてお答えします。
 学校給食においては、これまでも木島平村の米やリンゴなどの果実類、生キクラゲなどのキノコ類、アスパラガスなどの野菜を給食食材として使用しています。
 木島平村の食材を使用する日には、給食メモや校内放送などで児童・生徒に献立の内容を周知するとともに、保護者に対しては学校が発行する給食だよりで木島平村食材の魅力などについて啓発を図っています。
 また、夏季休業期間中に市教育委員会が実施する親子料理教室においても、食材に木島平村の農作物を使用し、木島平村の姉妹都市交流推進員と連携しながら、木島平の食材の知識を深めてもらう場としています。
 今後も、市立小・中学校全校での木島平村食材の使用を継続するとともに、来年度は木島平村との姉妹都市盟約40周年を迎えることから、木島平村の食材を取り入れた献立を積極的に提供する期間を設けるなど、さらなる姉妹都市交流と食育の推進に努めてまいります。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  ありがとうございました。木島平村の食材をどのように給食に取り入れるかというところは、先ほど触れました各校の栄養教諭や栄養士の方々のお力添えが必要となってきますので、御協力をお願いいたします。
 また、実際に学校給食の食材として採用するには、相応の量を確保する必要もあるかと思いますので、こういった供給の面においても必要な検討を進めていただきまして、ぜひとも実現をしていただきたいと重ねて要望を申し上げます。
 4点目は、子ども食堂と連携した地域における食育の推進についてです。
 食の安全・安心を確保する取組として、子ども食堂がありますが、子どもたちが安心して食事を取れる場を提供し、地域のボランティア団体が運営しているということで承知をしております。
 その子ども食堂には、経済的に困難な家庭の子どもたちを支援するという趣旨で提供されるものがある一方、他方では、地域コミュニティ形成のきっかけづくりとして提供されるものもあると捉えております。どちらの趣旨で提供されるにせよ、結果として子どもたちが健やかに成長できる環境づくりに資するものであり、地域社会の連携を強化しながら、子どもたちの食事支援を図っているものと承知をしております。
 この子ども食堂を食育の推進という文脈で捉えたときに、みんなで一堂に会して同じ物を食べるという、こういった共食の機会の創出につながっていると私は認識しています。こうした子ども食堂が地域で活発に活動するということは、子どもたちの健全育成の機会を広げるものとして重要であると考えていますが、市の認識を確認したいと思います。
 また、子ども食堂の運営を経済的に支える支援として、子どもの食の確保事業補助金が重要な役割を果たしています。現状では月1回以上開催する場合に月4万円、年間48万円の補助がされていますが、実際に子ども食堂を運営されている方からは、この金額では月1回が精いっぱいだという声を頂戴しております。食材価格が以前より上がっているため、この補助金の拡充ができないか要望するものですが、市のお考えをお聞かせください。御答弁をお願いいたします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。松井子ども生活部長。

◎松井佳孝 子ども生活部長兼福祉健康部低所得世帯支援給付金担当部長  子ども食堂についてお答えします。
 現在、市内子ども食堂は、市民団体による自主的な取組として積極的に展開されており、子どもがいる生活困窮世帯への食の支援に資するとともに、子育て家庭への経済的支援や保護者の家事負担の軽減など、大きな役割を果たしております。
 また、子ども食堂は、子どもやその保護者が地域の人たちと共に、温かな団らんの中で食事を楽しむことができる共食の場でもあります。共食とは誰かと一緒に食事をすることであり、家庭における共食が難しい子どもにとっては地域社会とのつながりを体感できる貴重な共食の場となっているものと認識しています。
 市はこれまで、子ども食堂に対する支援として、令和2年度に調布市子どもの食の確保事業補助金を創設し、子ども・若者基金や東京都の補助制度を活用する中で、コロナ禍や物価高騰の状況下においては補助内容の拡充を図ってまいりました。
 一方で、市の補助対象となる子ども食堂の数は年々増加しており、安定的な支援の継続に向けた財源の確保が課題となっております。そのため、今後の子ども食堂に対する補助の拡充については、国や東京都の補助制度の動向を注視するとともに、子ども・若者基金の状況を踏まえながら、適宜検討を進めてまいります。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  子ども食堂に関する共食の場という認識については共通の理解であるということが確認できました。また、子ども食堂に対する補助の拡充については、東京都の子供食堂推進事業が今年度から拡充をされているというように伺っておりますので、そうした動向も踏まえて拡充に向けて検討をしていただきたいと思います。
 また、子ども・若者基金について言及がありました。この基金は、子ども食堂以外の施策に対しても活用されている基金であると承知しておりますが、例えば、「市報ちょうふ」におきまして子ども食堂の特集記事を組まれた際に、子ども・若者基金へ御寄附いただくことで調布市の子ども食堂の運営の補助ができますというような御案内ができれば、応援をしたいという方がこういった基金への寄附という選択肢があるというのを知ることができると思います。
 基金への寄附というのは、当然寄附金控除の対象にもなりますので、こうした案内もセットでできると財源の一助として活用できるのではないかと思います。ぜひとも前向きに御検討をお願いいたします。
 5点目は、長期休業期間中の学童クラブにおける共食の機会確保についてです。
 夏休みなどの長期休業に入りますと、学校給食もお休みになるため、学童クラブにお弁当を持っていくということになります。しかし、近年、多くの家庭では両親が仕事で忙しく、子どもたちに適切な昼食を用意することが難しい場合があります。こうしたことから、学童クラブで昼食を提供することで、栄養バランスの取れた食事を保証し、食育の機会を提供するとともに、子どもたちが社会性を育む場を創り出しているという事例があります。
 多摩地区においても、八王子市では提供日数は限られますが、小学校の調理室で調理した昼食を1食250円で提供する取組を行っているという例もございます。他方、お弁当の手配となりますと、アレルギー対応や残食の処理など、課題が多いということも認識をしております。
 まずは、現実的に実現できそうな部分として、学童クラブの中で簡単な食事を作る体験を通じて共食の機会を創出することで、喫食機会の確保につながり、このことが長期休業期間中における共働き世帯の保護者の負担軽減にもつながるのではないかと考えます。こうした取組を広げられないでしょうか。市のお考えをお聞かせください。御答弁お願いします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。松井子ども生活部長。

◎松井佳孝 子ども生活部長兼福祉健康部低所得世帯支援給付金担当部長  3季休業期間中の学童クラブにおける共食の機会確保についてお答えします。
 初めに、3季休業期間中の昼食の提供課題についてです。
 学童クラブでは、土曜日及び3季休業中の昼食について、各家庭でお弁当を用意していただいておりますが、学童クラブを利用する一部の保護者において、3季休業期間中のお弁当作りを負担に感じている方がおられることは認識しております。現在、幾つかの自治体において3季休業中に給食センターでの調理や配食、あるいは保護者が弁当業者と直接契約するような形で昼食提供を行っている事例があります。
 しかしながら、昼食提供に当たっては、食物アレルギー対策など安全性の確保や供給体制など、導入に当たり多くの課題があることから、市は、児童にとって望ましい昼食提供について、引き続き他自治体の事例などを調査研究してまいります。
 次に、学童クラブにおける共食の取組についてです。
 3季休業期間中に保護者がお弁当を用意する負担の軽減と食育の推進を目的に、一部の学童クラブにおいて、児童が共に食事を用意し、喫食する共食の機会を設けています。引き続き、共食の概念を取り入れた機会を創出し、3季休業期間中の保護者の負担軽減と児童の健全育成に努めてまいります。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  ありがとうございました。長期休業中の学童クラブにおけるお弁当の手配については、私のほうにも市民の方から御要望をいただいているところでございます。引き続き、この件については考えていきたいと思いますけれども、まずは、できるところからの方法として、レトルト食品や防災備蓄品といった、アルファ米とかありますけれども、こういった非常食を実際に食べてみるというようなことができれば、これは災害時も見据えた食育というものにもつながるかと考えます。
 被災時になって初めて食べるものしかないという状況は、子どもたちにとっても大きなストレスになるというのは容易に想像できます。日頃からの備えの一環として、給食がお休みになる、こういった長期休業期間、3季休業期間の機会を捉えて、学童クラブで非常食を食べてみるというような機会をつくり出せれば、共食の機会を確保するだけではなく、保護者の方の負担軽減にも資する取組になるかと思いますので、できるところからでも検討を進めていただきたいと思います。
 それでは、食育の推進についてまとめます。
 ここで画面を御覧ください。こちらは食育基本法の前文となりますが、ここに食育を進めていく上で重要な観点が盛り込まれています。全て読み上げると時間がありませんので、要点をかいつまんで申し上げます。
 21世紀の我が国の発展には、子どもたちの健全な心身の育成と国民全体の健康が不可欠です。特に、食育を通じて子どもたちに生きる力を育むことが求められています。食育は、知育、徳育、体育の基礎となり、健全な食生活の実践に必要な知識と選択力を育成します。しかし、現代社会では食の大切さが忘れられがちで、栄養の偏りや不規則な食事、肥満、生活習慣病などの問題が増加しています。また、食の安全性や海外依存度の問題も浮上しており、食に関する正しい情報に基づく判断が求められています。
 このような状況の中で、国民は食に関する考え方を育て、健全な食生活を実現することが重要です。また、都市と農山漁村の共生、消費者と生産者の信頼関係の構築、地域社会の活性化、食文化の継承と発展、環境に優しい食料生産と消費の推進が期待されています。国民一人一人が食について意識を高め、食育を国民運動として推進することが我々の課題です。さらに、我が国の食育推進が国際的に貢献することも期待されています。
 以上が食育基本法の前文の要約となります。画面を終わります。
 私は、この前文のところに重要な視点が入っていると思います。それは、食に関する正しい情報に基づく判断ということです。これが何を意味しているかというと、これを食べたら駄目だなというのが分かるということだと思います。テレビで紹介されていて、これを食べたら体にいいからと思って、言われたままに食べるということではなくて、いいものとよくないものの見極めがつくと。そういった判断力を養っていくということが、まさに食育によって身につけていかなければならない、そういった能力だと私は捉えています。
 ただいま調布市における食育の推進について多くの関係部署の方々より御答弁いただきましたように、それぞれの分野で、ただいま申し上げました食育基本法の前文に書かれている趣旨と冒頭お尋ねしました調布市みんなの健康・食育プランを意識した施策の展開をしていただきたいと思います。
 あわせて、来年迎える調布市制施行70周年、木島平村との姉妹都市盟約40周年のこの節目の年を契機に、調布市の食育が市民全体の運動として広く浸透していくよう、積極的な施策の展開につなげていただくよう要望を申し上げて、次の質問に移ります。
 大きく2点目は、いわゆる「小1の壁」問題についてです。この小1の壁というものは、保護者の目線と子どもの目線の両方から語ることができるかと思います。
 まず、子どもの目線から考えますと、学校という新たな環境への適応であったり、授業の内容や集団生活におけるルールやマナーを理解し、授業の時間や宿題などの自己管理をする、そして、友達づくりをしていくコミュニケーション能力が必要となるなど、大きな変化に直面するということになります。こうした課題を克服しながら、子どもたちが成長していくものだと理解をしています。
 他方、保護者の目線から説明しますと、保育園に子どもを預けていたときにはできていた保護者の仕事と子育ての両立が小学校進学とともに難しくなることを指す言葉として使われております。主な原因は、保育園から小学校に進学した際、小学校では子どもが学校にいる時間が保育園より短くなること、学童の終了時間が保育園のお迎え時刻より早くなること、学校活動が増えることで必要な準備が増えることなどが挙げられています。
 今日は、いわゆる小1の壁について、この教育行政をつかさどるお立場として、どのような認識をお持ちなのか、最初に伺いたいと思います。御答弁お願いいたします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。阿部教育部長。

◎阿部光 教育部長  小1の壁問題に関する現状認識についてお答えします。
 一般的に小1の壁とは、小学校入学を機に、子どもの生活リズムや環境に変化が生じ、共働き世帯やひとり親世帯の保護者において、早朝保育や延長保育などによってできていた仕事と子育ての両立が保育園での預かり時間と小学校の在校時間の差により困難になる現象を指すものと捉えています。
 また、小学校入学後の放課後の子どもの居場所確保に関する課題に加え、最近では、登校時の子どもの居場所確保が課題の1つになっているものと認識しております。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  では、早速、その具体的な例として、朝の時間帯における子どもの居場所確保の取組について伺います。
 ここで画面を御覧ください。こちらは、保育園と小学校で、朝の時間がどのように変化するのかというのを示しています。
 保育園では朝7時30分に子どもを送ってから、会社の始業時刻に間に合うように通勤するということができます。しかし、小学校に進学すると、市内の小学校では8時15分から25分の間に来てくださいというような案内がありますので、例えば、8時15分に子どもを学校に送ってから通勤するというようになりますと、始業時刻に間に合わないということがあります。そのため、働き方を変えなければならないということに直面する方もいらっしゃいます。
 企業側の取組として、柔軟な働き方への対応がありますが、1日の勤務時間を変えられるフレックスタイム制度の普及率はまだ10%にも満たない状況であり、一般的とは言えません。コロナ禍で広がった時差出勤についても、窓口業務やコールセンターなど、決まった時間に業務を始める職種では対応できないなどの課題もあります。
 また、通勤の必要がなくなる在宅勤務やテレワーク、こういった制度はコロナ禍を経て急速に普及しましたが、現在では原則出社に戻す企業も増えてきています。テレワークについては、そもそも対面での業務であったり、現場作業が中心となる業種では導入できないということもあります。
 こうした状況ですので、始業時刻と通勤時間を考慮した場合に、小学校に進学することをきっかけに働き方を変えなければならないという事態に直面する方もいらっしゃいます。市民の方には、転職を2回して完全在宅勤務、フルテレワークが可能な仕事に変わって何とかやっていますという方もいらっしゃいます。
 しかしながら、働き方を変えられないとなると、小学校に進学すると保育園の頃と大差ない年齢なのに、いきなり子ども1人で過ごす時間が増えることとなり、子どもにとっても大きなストレスになります。子どものことを考えて保護者が転職する、そして働き方を変えようというふうになりますと、転職前後で今度は保護者に大きなストレスがのしかかってきます。親子共々、できればそういった負担をかけないような対応ができないものかと思います。ここで画面を終わります。
 こうした状況に向けた対策として、大阪府豊中市では、朝7時に校門を開けて、登校時間まで児童を体育館等で見守る事業を始めています。こども園が始まる時刻と同じ時刻から小学校内での朝の見守り体制を整え、保護者の仕事と育児の両立に資することを目的に、本年度より始まっているとのことです。
 また、三鷹市では、昨年11月から、市立小学校での校庭開放の時間を朝7時30分に早める取組を始めました。共働き、共稼ぎ家庭のニーズや、児童の健康づくりを目的に実施し、シルバー人材センターから各校2名ずつを配置しているとのことです。見守りや声かけは配置員が行い、何かあった際の一報の連絡は教育委員会事務局が受け付けることとし、万が一、朝の学校開放中にけがをした場合は、授業や通学中のけがと同様に、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度の対象になるとのことです。
 ここで画面を御覧ください。本来であれば、先ほど申し上げたとおり会社の出退勤時刻を柔軟にできるようにすることであったり、短時間勤務での相応の賃金が得られるような社会の変化が起こるということが望ましいのではありますが、目の前に起こっていることへの対応として、朝の子どもの居場所の確保というものが急務であります。
 続けて、こちらは、昨年12月22日に閣議決定されました、こどもの居場所づくりに関する指針から抜粋した資料となります。この指針は、居場所がないことが孤独、孤立の問題と深く関係している中で、子どもが生きていく上で居場所があることは不可欠でありながら、地域コミュニティが変化し、児童虐待件数や不登校、自殺者数の増加など、子どもを取り巻く環境が厳しくなってきていることなどを背景に、国が子どもの居場所づくりについての考え方を示したものとなっています。
 この中で、学校については、教育機関としての役割のみならず、子どものセーフティーネットになるなど、居場所としての役割も担っており、その認識を深めていくことが重要であり、そうした認識の下、学校、家庭、地域が連携、協働することにより、地域社会との様々な関わりを通じて、子どもが安心して活動できる居場所づくりを推進すると明記されています。画面を終わります。
 このように、学校は子どもの居場所であるということが改めて明確にされたわけですが、今まさに問題となっているのが、特に子どもの朝の居場所づくりということになります。調布市では保育園の朝の開所時間は午前7時からとなっていますが、通勤時間の状況を考慮すると、実態としては朝7時30分頃から預ける方が多くなっていると思われます。小学校についても朝7時30分には入れるようにということで運用ができないものでしょうか。
 現在、管理業務を調布市シルバー人材センターに委託し、7時30分から人員配置がされていると承知しております。既に管理業務委託をしているというものがありますので、この仕様を若干変更するような対応でできないものかと思いますが、朝の子どもの居場所づくりの取組として、小学校を7時30分に開門するということはできないのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

○井上耕志 議長  答弁を求めます。阿部教育部長。

◎阿部光 教育部長  朝の時間帯における子どもの居場所確保の取組についてお答えします。
 朝の児童の居場所づくりについて、他自治体においては、登校時間前に校庭や体育館などを開放する、早朝の学校開放の取組を進めている事例があることは認識しております。
 市立小学校の登校時間は、登校中の児童の安全管理を基本に、授業開始時刻及び教員の勤務時間等を考慮する必要があります。その上で、各学校において登校時間の目安を設定し、その時間に合わせて児童を登校させていただくよう、保護者に対して、入学説明会や学校だよりを通じて、御理解、御協力をお願いしております。
 あわせて、地域の方々にも登校時の子どもの見守りについて、児童の安全確保の取組に御協力いただいております。
 登校時間前の学校開放の取組を進めるためには、児童を見守る体制整備が重要であり、朝の時間帯を考慮すると、地域の方々や、委託事業者による安定した人員の確保が課題となります。さらに、開放時間内における児童のけがや事故等の対応について、学校管理下において、働き方改革の面からも十分な体制が整えられないことも課題であると考えています。
 また、登校時間前に学校に向かうことは、スクールゾーンの規制時間帯前の登校となることも想定されることから、児童の通学時の安全確保にも配慮する必要があります。
 このため、市教育委員会は、こうした課題認識の下、他自治体における先進事例を参考にし、市長部局とも連携を図りながら、引き続き調査研究を進めてまいります。
 以上でございます。

○井上耕志 議長  6番、山根洋平議員。

◆6番(山根洋平 議員)  子どもたちにとって安全で安心な環境を提供する上で、朝の子どもの居場所づくりというのは非常に重要なテーマになります。保護者が仕事で早朝に家を出る場合、子どもたちは学校が開くまでの間、適切な監督を受けられないということがあります。
 開門時間を早めることで、子どもたちが学校で過ごす時間が長くなって、友達との交流というものの機会が増えますし、また、学校が地域社会を支える一員であるということを体現することにもつながると思います。
 このように小学校の開門時間を早めるということは、子どもたちの日常生活における安全を向上させることにもつながると考えております。地域に開かれた学校ということを今まで言われておりましたけれども、これからは地域と共にある学校という、こういった転換をしていかなければならないと思いますけれども、教育機関と地域社会との連携、協働、こういったものを強化しながら、子どもたちの学びと成長を支える重要な取組になってくると考えておりますので、ぜひとも前向きに御検討を進めていただきますよう要望を申し上げまして、本日の私の質問を終わります。ありがとうございました。

引用元
http://chofucity.gijiroku.com/voices/CGI/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=0&SORT=0&KTYP=2,3,0&KGTP=1,2&TITL_SUBT=%97%DF%98a%82U%94N%81@%91%E6%82Q%89%F1%81@%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C06%8C%8E06%93%FA-02%8D%86&HUID=&KGNO=2409&FINO=3117&HATSUGENMODE=1&HYOUJIMODE=0&STYLE=0

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