”才能”と”スキ”の話
”スキ”に向き合ってみる話の中で、”才能”の話には触れていませんでしたが、結論からいうと、スキと才能はちょっと違います。
才能とは
「才能」を辞書で引いてみると、「生まれつきの能力。 また、その働きのすぐれていること。 才幹」(『日本国語大辞典』より)、「物事をうまくなしとげるすぐれた能力。 技術・学問・芸能などについての素質や能力」(『大辞林』より)
才能とは、生まれながらに持っている能力のことで、幼少期にほとんどが決まっていると言われます。
ちょっとやったらすぐに出来てしまう人。そんな人をイメージしてみると分かり易いかもしれません。
勿論、”スキ”が講じてどんどん上手くなり、レベルアップしたりプロ化していた、というということはあると思いますが、
非凡な才能があるがゆえに、逆に苦労してしまうこともありますよね。
もちろん、才能とスキは近似値(ニアリー)である可能性は高いのですが、明確なイコールで結ぶものではないんですね。
「能力の輪」
卓越した投資手法から「オマハの賢人」「投資の神様」とも呼ばれている、アメリカの著名投資家のウォーレン・バフェット。
そのバフェットが人生のモットーとして「自分の『能力の輪』を知り、その中にとどまること。輪の大きさはさほど大事じゃない。大事なのは、輪の境界がどこにあるかをしっかり見極めること」と、著書である「Think clearly」の中で語っています。
「人には何かしら他人よりも抜きん出た能力を持つ分野がある」と言われていて、幼少期から続くようなポジティブな意味での「執着心」、寝食も忘れて打ち込んでしまうような事があるとしたら、その欲望に従い、自分の『能力の輪』に常にピントを合わせていけば、金銭的な成果だけではなく、感情的な成果をも得ることができる、と。
たしかに、人から見たらすごいのに、当人は特にすごいとも思っていない。私自身の本業で出会うクライアントさんの中にも、得意なことが分からなかったりうまく言語化できないという方は少なくないです。
想像してみてください。ずば抜けたコミュニケーション能力を持ち、人と人を繋いでいく能力が優れたセールスマンが、ある日突然、顧客と一切コミュニケーションのとれない部署で、PCと一日中にらめっこしてデータ分析の仕事を依頼されたとしたら・・・
想像するだけでダークな気持ちになりそうです。退屈でしんどくて、エネルギーを消耗して疲れてしまう・・・。
これはその人が持つ能力の輪の「外側」に出てしまったという証拠です。
自分自身のケースに当てはめてみると、私は営業やコンサルタントの仕事は大好きで得意な領域だと思っていますが、細かいデータを分析してから何かを考えたり、それを分かり易く資料や図に落とし込んだりが大の苦手分野です(今となっては自覚して振り切ってますが、当時はそのことに対するコンプレックスも)
オールマイティーにできるようになった方がいい、と頭では分かるのですが、資料作成がものすごく得意で速い人には永遠に勝てないと思うし、その間に人と会っていた方が何十倍も想像力がかき立てれ、ストレスも少なく、楽しく仕事ができます。
大人も子供も、その人の”不得意”に目を向けるのではなく、その人本来の持っている才能や能力にフォーカスを当てて、それを積極的に伸ばしていけるようになると良いなと思います。できないことや苦手なことを克服しようとする姿勢はとても素晴らしいことですが、得意なことに目を向け、自己投資し、突き詰めていけば、社会や世界はきっともっと良くなるだろうな~。
大事なのは、能力の輪の大小で判断しないということ。能力の輪が大きいほどチャンスは広がり、大きな収益を上げるという考え方ではなく、「能力の輪の量の輪の境界を見極める・その輪の中にとどまることが大切(byバフェット)」なので、他人と比べてしまう気持ちはちょっと脇において、自分自身の中にある能力にフォーカスしてみるといい。
”才能”に投資しよう
これを一般的な転職活動に当てはめるとしたら、「年収を上げる」ことはあくまで結果であるということがわかると思います。
その会社が持っている年収基準が変化することにより、やや年収が上がったり(逆に下がったり)、多少前後することはありますが、その人の持つ能力が大きく変わらない限り、大幅に上がること自体が違和感です。
なので、年収を上げたいと考えた時(それをキャリアアップだと呼ぶ人がいるならそうしたい時)は、自分の『強み』や『能力の輪』を意識して仕事をしていくと、迷いが無くなってきて、選択や判断もしやすくなるのでおススメです。
副産物として、会社員であっても副業の機会が得られるかもしれませんし、フリーランスの方であれば仕事の依頼が増えたり、相対的に高付加価値になるので単価を上げていけることもできる(結果、総年収は上がる)と思います。
自分の強みや能力に気づけていない、知りたい、といったご相談にお答えすることもできるのでご連絡ください^^
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