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温泉チャンス!その5【春日温泉】(2023.12.21)

昨日は地震もあったけど、温泉にも行った。

仕事と家庭の僅かな隙間を無理やりこじ開けて、私は温泉へ行った。

今回行ったのは前回温泉へ行こうとした際(失敗した)に元々行こうと思っていた「春日温泉」だ。

この温泉は駅から近く、面する道幅もそれほど狭くはないが、駐車場がない。なので駅近くのコインパーキングへ車を停めて、手提げ袋にタオルだけ持って温泉へ向かった。

コインパーキングから温泉までは近かったので適当に向かったが、道のような、道でないような場所を通った。


通って良いかあやしい通路


ザ・路地


多分通ったらダメな場所。迷い込んでしまった

そうやって着いた春日温泉がこちら。

別府の温泉ではよくある、公民館が併設というスタイル。市民の憩いの場だ


建物の間の通路奥に温泉の入り口がある。


この飾らない感がたまらない


受付は無人で、お金を入れる場所を分かりやすく表示してある。たった200円!

男湯入口を入ると、目の前が湯舟になっていて、先客の20代と思しき男性と目が合った。メガネをかけていて髪が長く、やせている。苦学生か、売れていない漫画家みたいだ。でもその男性は別府の温泉マナーが身に沁みついているのか、私を見るなり、自然に挨拶をした。私も挨拶を返して、湯舟と地続きになっている脱衣所で脱衣した。

入念にかけ湯してお湯に浸かると、ちょうど良い湯温で、じわ~っと体の中に温かさが染みて行く。お湯に含有されている何かしらの成分も一緒に体に浸透していくみたいに感じる。

一緒に湯舟に入っていた男性はしばらくするとスッと立ち上がり、素早く体を拭いて着衣して、ガラッと戸を開けて出て行った。私はチャンスとばかり脱衣した服の隙間からスマホを取り出し浴室内を撮った。

無駄なものが一切ない。ただ、湯があるのみ。


煤けた窓枠の色が良い。高いところに隙間があって、そこから見える外は極寒だ


浴槽。別府のジモ泉(地元の温泉の意)にしては広い方。急いで撮ったのでブレてしまっていてすみません


隅っこに仏様が祀られている。別府の温泉はこういうのをよく見かける。

今回も素晴らしい温泉体験だった。高い壁の向こうからは地元のおばちゃんたちの楽しくおしゃべりする声がずっと聞こえていた。とりとめのない会話で、まるで子供みたいに毎日が楽しくてたまらないようだった。

温泉から上がり、車に向かって外を少し歩いた。好きなラーメン屋が道沿いにあったけど、まだオープンしてなかった。天丼で有名な店がそのすぐ近くにあって、店内では真っ白で清潔そうな服を着た料理人が姿勢正しく天丼を作っていた。待ちが何人か出ていた。さらにその向かいには新しめのホテルがあって、そこに入って行く様子を若い男性が実況していた。

少し何か間違えば、今あそこで天丼を食べている客は私であったかもしれないと思った。煌々とした光の中で熱々のご飯の上に乗った、外がサクサクで中がフワフワの海老天をやけどしないように注意しながら頬張って、傍らの、都会の匂いを身にまとった女性と「うまいね」などと言葉を交わして微笑みあっている。私たちはどこか遠くから観光か何かでここ別府へやってきて、あらかじめ調べたその店で、早めの夕食を食べていたのだ。

そんな事を考えていると、キャリーバッグを引きずった全体的に丸い女性が、道端で煙草に火をつけていた。「ああ、ようやく吸えるわ」という感じだった。あたりはもうだいぶ暗くなってきていて、細い煙草の白さが際立って見えた。

私はその丸い女性を追い抜いて、車を停めたコインパーキングに戻った。車に入りドアを閉めると急にしんとした。それから温泉に入る際お金をくずすために自販機で買ったドデカミンの固い蓋をひねり開けて飲んだ。すごく美味しかった。美味しすぎて、アルコールが入ってるんじゃないかと思う程だった。

家に帰ってすぐ、私は子供3人を風呂に入れてからPTAに向かった。その際、家じゅうからカレーの良い匂いがしていた。

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