花粉症の季節
今年もまた花粉症の季節がやってきた。私に現れるアレルギー症状は、まるで溺れているかのようである。
腫れた鼻腔は空気の通り道を封鎖し、その奥から止めどなく流れてくる水が防波堤を破壊し尽くす。たまらず口を開けて息継ぎしても、満足に空気は吸い込めない。視界はぼやけて、ゆらゆらと水面が揺れる。酸欠の私の意識は遠のき、水の中へと沈んでいく。
そんな私を助けてくれるのは、溜まった水を流れ出してくれる魔法の液体。鼻の奥にノズルを差し込み数回それを吸い込むと、ひときわ大きな津波が起こる。全てを流したその後には、すがすがしい澄んだ空気が流れ込む。
そんなことを繰り返すと、枕元には白い丸まったティッシュの山ができている。早くこの季節が過ぎてくれることを願う。