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日本YWCA主催 日韓ユースカンファレンス2024に参加しました!(前編)

みなさん、こんにちは💫
人間文化学部4年の福濱莉夢です!

私は2月13日〜15日に韓国・ソウルで開催された
日本YWCA主催日韓ユースカンファレンス2024🇰🇷に参加してきました。
この記事ではそのときの様子をみなさんに共有したいと思います!

今回の日韓ユースカンファレンスでは総勢19名の参加者が、ソウルの中心地・明洞で共に学び合いました。

カンファレンスのテーマは
「女性・平和・安全保障 ( WPS : Women, Peace and Security )」というものでした。

私がこのカンファレンスに参加した理由は、日頃から関心のあったジェンダーの問題に対して、また性差によって生きづらさを感じることのない社会の実現のために、自分にできることを実践していきたいと考えたからです。そのため、韓国のユースたちとの交流から日本社会における課題を客観的に捉え、課題解決のために行動するための学びの機会としてカンファレンスに参加したいと思いました。

私はカンファレンス参加前はテーマである“WPS”という概念自体を知りませんでしたが、3日間のプログラムを通してこのWPSへの理解を深めることができました。

それと同時に、日韓両国に共通する女性の生きづらさジェンダー格差フェミニズム慰安婦問題など様々な視点からジェンダーの問題について韓国のユースたちと対話を交わし、思いを共有できたことが何よりも嬉しかったです。

日韓両国からのナショナルレポートの発表

プログラムの1日目には日韓両国からのナショナルレポートの発表がありました。この時間では、韓国と日本のフェミニズムとジェンダー葛藤などについて、それぞれのユースから各国の現状の課題報告がなされました。

初めに韓国側からのナショナルレポートの発表があり、主に「ジェンダー葛藤」についてや「女性性と男性性」についての報告がありました。

現在の韓国では、男女の対立が深刻化していくことが懸念されており、女性へのヘイトと男性へのヘイトを相互にミラーリングし、嫌悪を嫌悪で返す社会となっていることを知りました。また、家父長制というかつての慣習から、女性の家事のワンオペが問題となっているだけでなく、その一方で、男性も同じように差別を経験し、性的役割を果たすための過度の負担からストレスや自殺を引き起こしているケースもあることがわかりました。
フェミニズムの最終的なゴールが「フェミニズムという概念自体の消滅である」という発表内容が印象的でした。

続いて、日本側からナショナルレポートを発表しました。
ナショナルレポートを制作するにあたって私たちは何度もミーティングを重ね、その中で出た意見をもとに、3つのトピックについてチームごとに分かれて報告することに決めました。1つ目が「日本の女性の政治参画」、2つ目が「日本の女性の生きづらさ」、3つ目が「米軍基地問題」についてです。

1つ目のトピックでは、女性が政治参画することができる法の整備が大きく進んでいく中で、政治分野では女性の政治参画に未だ多くの課題が残っていることを報告しました。
女性議員が増えない要因については、日本において政治の世界では家父長制の特徴を含んでいることや選挙立候補時点における必要な資源のジェンダー格差という2点に絞って報告しました。

2つ目のトピックでは、日本の電車内にある脱毛の広告やYouTubeの二重整形の広告を例に挙げ、日本の若い女性が日常的に「こうあるべき」という姿を見せつけられ、無意識のうちに女性だからそうでなければいけないと思わされる環境に置かれている現状についてなどの報告を行いました。

3つ目のトピックでは、日本の軍事・安全保障の問題であり、戦後処理と植民地主義に関わる在日米軍基地の問題について、日米関係や米軍基地と沖縄の状況、基地に起因する環境問題としてPFASを取り上げて報告を行いました。

PFASとは?:PFAS(有機フッ素化合物・ピーファス)は、近年注目されている有害な化学物質の総称。自然界では分解されにくく、環境だけでなく人体にも悪影響を与える可能性が指摘されたことで注目されています。
熱に強い性質があり、耐熱性、耐薬品性などで優れた安定性を持つため、1970年代から米軍基地内では航空機火災などに備え“泡消火剤”として使われています(現在、日本国内では原則使用・製造禁止。国際的にも使用が規制されている)。
日本国内でPFAS汚染が深刻なのは米軍基地周辺で、その主な汚染の原因は基地内で使用する泡消火剤の漏出とされています。米軍基地が集中している沖縄県はPFASによる汚染問題も集中し、大きな問題となっているのです。

私は今回米軍基地問題チームとして、『PFAS』に関する報告を行いました。
日本側からのナショナルレポートで報告する内容を決める際に、平和・安全保障の観点で沖縄の米軍基地問題(PFASによる汚染問題)について報告したいと考えて意見したことがきっかけでした。

私は2023年9月15日〜18日の4日間にかけて、ウェスレー財団というキリスト教精神を基盤とした団体が主催する「沖縄スタディキャンプ2023」のプログラムに参加しました。

この研修を通して、私は初めて『PFAS』という有害な化学物質の存在やそれに関する水質・土壌汚染について知りました。そして、実際に私が沖縄で見たのは、『PFAS』による環境汚染問題の解決のために強い意志を持って取り組んでいる地元住民の姿でした。命を脅かす汚染問題に団結して立ち上がり、声をあげている沖縄の人々の姿を見て、私自身も力になりたいと思い、そして感化されました。

『PFAS』の問題は決して沖縄だけの問題ではありません。本土の人や日本だけでなく、国境を超えて世界のみんなで取り組んで解決していくべき課題であると思います。だからこそ、情報を発信することで米軍による環境汚染の現状を多くの人に知ってもらう必要性を強く感じました。

両国からのナショナルレポートの発表を通して、家父長制や性別役割分担意識、女性が生きづらさを感じるジェンダー格差があるといった共通の問題を持つ韓国側に日本の状況を共有したことで、共感や新たな気づきが生まれました。一方で、韓国では相互にヘイトをぶつけ合っている部分が日本との違いだとも感じ、お互いの国の社会や置かれている現状について理解を深めることができました。

また、韓国側のユースから「日本の米軍基地問題を新たに知った」「福島の処理水問題は知ってたが、PFAS汚染の被害者の面があることが印象的だった」という感想がありました。米軍基地に起因する日本の環境問題について、韓国ユースに知られていなかった現状を新たに共有できたことで非常に有意義な時間になったと思います!

続きは後編で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!