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2週間で得られた知見と考察

初めまして。山梨県立大学の看護学部看護学科1年の田代英奈です。

1.はじめに

 私は、2/20〜3/6に行われた「米国 シンプソン大学 語学・文化研修プログラム」に参加した。自分の将来の夢や目標と結びつけて担当期間である2/24〜2/26の出来事から考えたこと感じたことを記録しておきたい。

2.私の将来の夢

 私は将来、海外で看護師として活躍することを視野に入れている。
 世界には医療の行き届かない地域や適切な医療を受けられない人たちが大勢いるといろいろな場面で耳にする。WHOは「開発途上地域の妊産・死亡率は先進国の14倍にものぼり、適切な医療を受けられる女性は全体の半分に過ぎない。」「世界で毎年500万人を超える子どもが5歳の誕生日を迎えることなく命を落としており、そのうち8割はサハラ以南アフリカと南アジアの2地域で暮らす子どもだ。その原因の多くは栄養不足や、はしかのようにワクチン接種で予防可能な感染症などだ。」「途上国では、HIV/エイズやマラリアといった感染症が主な死亡原因となっている。これらの感染症は、ワクチン接種での予防や治療によって治るものも多々あるが、地理的・経済的な理由から医療サービスに多くの人がアクセスできず、命を落としているのが現状である。」といった情報を公表している。日本の看護技術は高度なものが多いと思う。しかし、高度な技術だけでなく、まずは誰もが経験によって習得できるような技術や誰でも実行できる正しい感染症対策の方法などをもっと広めていくべきであると私は考えている。看護師としてその手伝いができたら至極光栄だ。

3.自分なりの目標

  上記の夢を実現させるため、以下の4つの目的・目標をもってこのプログラムに臨んだ。
 1つ目は、英語での言語コミュニケーション能力をつけることだ。海外で働くためには必ず必要になってくる能力だ。常に英語を使う環境に自分の身を置き、現地の人と英語で会話をすることで英語力の向上を図っていきたいと考えた。学校で習ったことを基にして会話を積極的にしたり、ネイティブの人たちが実際どんな英語を使うのか観察したりして、本場の英語を吸収しようと考えた。
 2つ目は、非言語コミュニケーション能力をつけることだ。日常的に英語を話していたり、日頃から英語に触れていたりというわけではないため英語力が未熟なのが現状であった。そのため、どんな場面でも自分の意思が伝わるということは困難で、意思疎通ができないことは多々あると予想していた。そんなとき、非言語コミュニケーションのツールであるジェスチャーや表情などから相手の主張を汲み取り、自分の考えを発信していくという体験をしたいと思っていた。将来看護師として働くうちに出会う人は、言語を使ってコミュニケーションをとることができる人ばかりではないと思う。言語が伝わらないもどかしさを体験し、どうしたら伝わるかを模索する力をつけることで将来看護師として働くときに活かせることがあると感じている。
 3つ目は、シンプソン大学の授業への参加、日本文化クラスでの交流、スポーツ観戦、周辺大学の見学、シンプソン大学の生徒との交流などの活動を通して外国の文化に触れて理解しようとし、また、日本人と外国人との感性の違い・考え方の違いを学ぶことだ。様々な感性、考え方に触れることで看護師として働くときに、一つの事象・場面から多様な感情を想像でき、一人ひとりにあった適切な対応ができると思うからだ。積極的に自分の感じたことを伝え、同時に相手の感じたことを訊ねることを意識しようと考えた。
 4つ目は、自分の言葉で日本の魅力を伝えることによる相互理解をすることだ。自分がアメリカに足を運び、アメリカの文化に触れ、アメリカについて理解するだけでなく、日本のことも理解してもらえるような行動を心がけようと考えた。相互理解をしようとする姿勢が国際関係を良好に進めていく上では必要であり、且つ重要であると感じる。また、看護の世界では日本人だけを看るわけではない。同じ国籍の人でも、違ったとしてもお互いに理解しようとする働きかけが瞬時にできるようになりたい。

4.現地での体験による目標達成度合いの分析

  まずは、1つ目の言語コミュニケーション能力の向上についてだ。留学先では、常に英語が話されている環境で最初は相手が何を言っているか全くわからない状況だった。しかし、毎日聞いているうちに、日常会話では文の単語単語を拾って相手の発言の意図をなんとなく予測できるようになっていった。上達したい言語に触れる回数を多くしていけば、自ずと力がついてくるため英語にふれる時間を毎日作ろうと思った。
 次に、2つ目の非言語コミュニケーション能力をつけるという目標はある程度達成できたように思う。日本語クラスの生徒に日本についてのプレゼンをする授業があった。そこで山梨県で有名な信玄餅の食べ方を英語で伝えた。山梨県を紹介するプレゼンの原稿は用意していたが、信玄餅の食べ方はその場で英語を考えて説明した。説明には、普段使わないような単語ばかりが必要で初めは、なかなかうまく伝えることができなかった。しかし、自分も実際に信玄餅を手元に用意し同時に見せながら説明することで、英語では伝えられなかった部分も伝えることができた。また、ルームメイトがメキシコ料理で有名なお店に連れて行ってくれたときも、ジェスチャーを用いて自分の意思を伝えることができた。言語だけでなく、非言語コミュニケーションであるジェスチャーなどを用いることで伝えられることの幅が拡大すると実感した。
 次にさまざまな活動を通して外国の文化を理解しようとし、日本人と外国人との感性の違い・考え方の違いを学ぶことについてだ。シンプソン大学の授業や活動に参加して、人との関わり・繋がりを大切にしている国だと感じた。授業では、誰かが困っていると周りの人がアドバイスをしたり、授業後の時間には生徒たちが企画したビンゴ大会やパーティーが行われていた。自分たちでチラシを作り、声をかけて人を集めるというコミュニティの作り方がそこにはあり、日本でももっと積極的にそのような活動をしていくべきであると感じた。初めて会う人同士でも壁を全く感じることなく関わるきっかけが作りやすい環境であった。看護の世界でも人との繋がりはとても重要なので日常生活から人との関わり方・コミュニティの作り方を見直していきたい。
 最後に、自分の言葉で日本の魅力を伝えることによる相互理解をすることについては少し一方的になってしまったと分析している。日本のことを紹介する授業では、自分たちも今回紹介するために情報を集めた部分もあり、質疑応答の時間には、生徒さんからの質問に答えのみで追加で役に立つ情報をその場で提供することができなかった。同じように、アメリカについて情報を受け取るとき、「説明を聴くだけ」になってしまうことが多々あった。相手を理解しようとする意識はあったので今度は実際に行動に移していきたい。

5.今後の展望

  今回の交換留学プログラムを通して今後自分が取り組むべきだと感じたことは3つある。 
    1つ目は英語力の向上だ。なんとか自分の意思を伝えられたとはいえまだ全てをスムーズに伝えられたわけではない。「英語が話せたらこんなことも言えるのに」と感じたシーンも少なくなかった。毎日英語に触れることで英語力の向上を図っていきたいと考えている。英語の学習は短期間で向上させようとせず、継続して行うことに意味があると思う。定期的に自分の英語力を図る場を設け、英語力向上に努めていきたいと思う。 
    2つ目は、海外の情報を積極的に収集していくことだ。自分とは全く違う考えをもった人の意見を聞くことで、人間性がとても豊かになると思う。様々な方面から、物事を考えられるようになり、他者の意見を受け入れることが以前より容易になると考える。看護師として働く前に確実に身につけておきたい力であると考えている。 
    3つ目は、海外に関係するボランティア活動に参加することだ。もちろん、日本国内で完結するボランティア活動にも参加して社会に貢献しようと思っている。近年、コロナウイルスの感染拡大の影響で海外に関する活動が減ってしまっている。今ある貴重な機会を有効活用して、将来海外で活躍できる看護師になるための経験を積んでいきたいと考えている。それらの活動が「相互理解をしようとする姿勢を行動に移す」ことにつながるかもしれないと感じている。 

6まとめ  

   以上が私の留学での体験と自分の将来の夢や目標とを結びつけて考えたことだ。たった2週間という短い期間であったが、日本にとどまっているだけではできない体験をすることができた。また、今後考えることがなかったであろうことを考えるきっかけになり、いい経験ができたと感じている。私は海外に行ったことがないどころか飛行機にも乗ったことがなかった。そのため、正直今回の交換留学プログラムに参加するかとても迷った。しかし、今は本当に行って良かったと感じている。自分のなかで確実に変化したことがあると実感しているからだ。