見出し画像

最近幸せだったこと

いつもの金曜日だったら疲れ切って家から出ず、明日は土曜日だから夜更かしできると思いながらごろごろし、夜遅くに眠る私。だがしかし、その日は違った。なぜか。

そう、私の好きな漫画の単行本発売日だったのだ!漫画好きの私としては外せない用事だった。

その日、最後の授業を自宅で受け(オンライン授業だった)、漫画を買いに自転車を走らせる。ほかにも気になる漫画があったので、まずは古本屋からいき、それから本屋へ行くことにした。

しかし、私の計画を阻むものが二つあった。一つ目、私は県外出身であり、休日のほとんどを家で過ごすために甲府のことをまだ全然知らないこと。二つ目、私は方向音痴であった。どのくらいかというと、大学の入学式に道に迷って遅れるほどだ。

Google mapと仲良くなれない私は案の定迷った。古本屋にはまあなんとか行けた。古本屋でそろえたいと思っていたシリーズの漫画をたまたま見つけた私は、悩んだ末に16冊もの漫画をリュックに詰め込み、背負い、本屋へ向かった。

問題はその後だった。テキトーな私はどこの本屋に行くか決めていなかったので(そもそもどんな本屋があるのかも知らない)、古本屋から一番近い本屋をGoogle mapで探し、向かった。が、そこはどう見てもお目当ての漫画など売っていなさそうだった。

仕方なく、私は4月に一度だけ行った本屋を目指すことにした。土地勘がないので時折自転車を安全なところで止めて経路と現在地を確認しながら進んだ。途中で住宅地に迷い込み、来た道を引き返したりもした。

無事に本屋に着き、お目当ての漫画を買って、計19冊となった漫画を背負い、家路についた。寄り道も迷いもせずに行ったならば最短徒歩1時間ちょっとで行けるルートなのに、家に帰ってきたのは出発してから約2時間後だった。運動不足の私にはきつい行程だった。

家に着き、手洗いうがいをし、荷物を降ろしてリュックから漫画を取り出す。積み上げて高さを測ったら30cm近くあった。

増えた19冊もの漫画を置く場所は一人暮らしの部屋にはないし、自転車の旅は疲れた。でも、買いたかった漫画は買えた。非常に満足だった。一気に読めなくてもいい、少しずつ読もうと思う。

後日、夜更かしして朝まで読んだ。読み切った。その分、昼間に寝た。
徹夜する気満々だったので、体力のない自分に驚いた。
…運動しよう。

文・写真:相馬直子(人間福祉学部1年:学生広報委員)