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北杜で暮らしながら、富士吉田の織物を広める活動を続ける。〈装いの庭〉藤枝大裕さん
山梨移住計画の鈴木啓太です。
今回は、住まいは北杜市。なのに富士吉田でさまざまな活動をしている藤枝大裕さんのことを記事にしたく思います。
藤枝さんを人に紹介するとき、どんな職業の人なのかひとことで言えずいつも困ります(苦笑)。〈装いの庭〉という屋号でテキスタイル関係のプロジェクトを企画したりしながら、富士吉田の「ハタオリマチフェスティバル」の企画・運営もしています。テキスタイルとイベントが交わるあたりでいろいろプロデュースしてる、そんな人です。
ちなみにこの週末の2021年10月30日-31日に、藤枝さんも関わっている「ハタオリマチフェスティバル」が富士吉田の街で3年ぶりに開催予定です(前回はコロナで、前々回は台風で中止)。よかったら富士吉田に足を運んでみてください。
ハタフェスをきっかけに、富士吉田に深く関わる
愛知の繊維会社の営業からスタートした藤枝さんは、その後「もみじ市」「東京蚤の市」などのイベントを主催する東京の手紙社に入り、繊維業界にいたという強みを活かしててテキスタイルと手芸の祭典「布博」の企画・運営に携わります。その後、独立とともに、2016年に山梨県北杜市に移住しました。
移住後は、山梨のデザイナーやクリエーターと出会い、関わりあう中で、藤枝さんの実績の中でも代表的なイベント、富士吉田の「ハタオリマチフェスティバル」の企画・運営に関わることになります。
ハタオリマチフェスティバル(通称ハタフェス)は富士吉田の街中をイベント会場とし、ワークショップや出店を通して富士吉田や全国各地の織物の良さを伝えるイベント。繊維業界出身で、前職で全国のテキスタイル関係の人々と関わりをもっていた藤枝さんにとって、自身の経験や人脈が活かせる最適なイベントでした。
ハタフェスの成功もあり富士吉田の市役所や地域の織物工場と深いつながりができた藤枝さんは、その後「FUJIHIMURO」「氷室どよう市」「B TAN MARKET」など、富士吉田で行われるイベントのプロデュース、コーディネートに積極的に関わっていくことになります。
藤枝さんとしてはどのイベントも、「この街でやる意味があるかどうか」を意識しながら企画をしているそうです。
ハタオリマチフェスティバル
ハタオリのまち、富士吉田の街中を会場として毎年10月に開催される秋祭り。富士吉田や全国の織物が集まります。
FUJIHIMURO
オフィス、保育園、ギャラリー、移住者向け滞在スペースなどが集まる複合施設。藤枝さんはギャラリーでの年2回の展示企画を担当。
氷室どよう市
毎月第3土曜日にFUJIHIMUROで開催される小さなマーケット。地域で採れた野菜の販売など、地域の人々の結びつきも重視したイベントです。
B TAN MARKET
傷や間違いがあって今まで世に出回る機会がなかった布「B反(びーたん)」に目を向け、B反の販売や廃材を活用したアイデアを目で見て触れられるイベント。
〈装いの庭〉としての活動
富士吉田のイベント関係とは別に、山梨移住後に〈装いの庭〉という屋号で藤枝さん個人の活動も行っています。
装いの庭
藤枝さんのコラムや実績紹介も見られます。
こちらでは山梨にかかわらず、全国のテキスタイル関係の商品開発やポップアップストアの企画プロデュースなどに携わっています。今回の取材では沖縄の自然や暮らしを切り取った模様の布製品「シマノネ」を見せていただきました。
繊維を広め、マーケットをつくる
藤枝さんは「繊維の産業をもっと広めたい」と言いいます。そのためにも、富士吉田でのイベントのプロデュースや〈装いの庭〉としての活動を通して、クリエーターとメーカーをつなげて新しい試みものを生み出す試みをしたり、つくるだけではなくそれらを世の中に広めるマーケットまでを形づくっていきたいそう。その対象は山梨県内だけではなく、日本全国を見ています。
↑FUJIHIMUROで開催中のイベント
北杜市と富士吉田の違い
最後に、北杜市と富士吉田を行き来している藤枝さんにそれぞれの街の特徴を聞いてみたところ、
「富士吉田は人との距離が近い。仕事のことでいえば富士吉田や甲府みたいな人が集まった街が働きやすいかもしれない。一方、北杜市は自然との距離が近い。仕事に困らなければ住むのにとても良い環境」
という感想をいただきました。
そういう考えると、北杜市で暮らしながら、富士吉田に深く関わり通い続ける藤枝さんのライフスタイルは、けっこう理想的なのかもしれません。
(取材・文 鈴木啓太)