本日、「動く美術館」 開館します。
初めまして、こんにちは!山梨県在住の大学生、min☆teaです。
今回は現在、私の地元で開催されている美術館の特別展『テオ・ヤンセン展』についてご紹介します。
ところで、みなさんは“美術館”という単語を聞いてどんなことを思い浮かべますか。
捉え方はさまざまですが、おそらく多くの人が「静かなところ」「興味がないと行かない場所」といった、ある意味で非日常的な印象を持っているのではないでしょうか。そこで私は、この記事を通してみなさんにこれまでとは違った“美術館”の役割、そして概念にとらわれない作品のメッセージをお届けしたいと思います。
では、早速テオ・ヤンセンがどんな人物か、そしてストランドビーストがどんなものかを見ていきましょう。
まず重要なのは彼が初めから芸術家気質ではなかったと言うことです。
もともと大学で物理学を専攻していたのですが、27歳の時に何らかの影響を
受け画家になることを決意し、42歳の時にこの作品が生まれました。
ただ、彼自身はもともと科学のスペシャリストですから、作品の制作にあたっては細かい計算や丈夫な構造になるように物理学の基礎が応用されています。
つまり、ストランドビーストは芸術的美しさと科学的設計の組み合わせのもとで作られた現代のアートなのです。
次にストランドビーストの構成、特徴について見ていきましょう。
ストランドビーストとはオランダ語で“砂浜の生命体”と呼ばれ、風の力を動力として砂浜に生息しています。
そこで、テオ・ヤンセンは物理学上の計算で導かれた13の数字、ホーリーナンバーを用いて脚を形成し、主要な材料であるプラスチックチューブと結束バンド、粘着テープをつなぐことで胴体や部位を体現しました。
さらにペットボトルとウレタンチューブで体のバランスを保ちながら迫力としなやかさを生み出すことでさまざまな環境に順応出来るようになっています。
その一方で、彼らには設計図というものが存在しません。そのため、作品を
組み立てる時はテオ・ヤンセンの動画を参考にするようです。そうした陰の
支えもあり、彼らは今もなお生きているのでしょう。
ただ1つ、特性として後ろに戻ることが出来ないという弱点があります。もし、どこかでその姿を見かけたら見捨てずに手を差し伸べてあげてください。その姿にどこか愛くるしさを感じるかもしれませんね。
ここまでいかがだったでしょうか。本来、作品が展示されておりそこから私たちが考えることはあっても、今回のように作品自体が動きメッセージを伝える機会は多くなかったと思います。私にとっても美術館は少し格式高い特別な場所という印象でした。
ですが、広報担当の方にお話を伺ったところ、客層が子供連れのご家族やカップルといった若い人々になったようです。たしかに、その場にいた子供から大人までが声を上げて驚いていたり、実物の迫力に思わず拍手するといった普段では考えつかない光景がありました。これはおそらく、ストランドビーストが私たちに与えた1つの美術館の意義であったのだと考えています。
その内容については是非、みなさんご自身が実際に目で見て確かめてください。きっと、これまでの見方が180度変わるはずです。
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