文字を通してこころ豊かな時間を
あっという間に毎日が過ぎ、もう3月も後半ですね。
こんにちは。
noteをご覧いただきありがとうございます。
今日はみなさんに、私が山梨県立文学館を訪れたときのことをお話できたらと思います。
今回は、私の通う大学から文学館まで歩いて行ってみました。
雲ひとつないきれいな青空で、歩いていて気持ちよかったです。
また、新しい発見もありました。
芸術の森公園の東口(正式名称は忘れてしまいましたすみません)から入ると、木々が立ち並んだ小道を見つけました。
静かで、落ち着いていて、ゆったりと歩くことができました。
素敵な道だったので、もし見つけたら、みなさんにも歩いていただけたらと思います。
本題に入ります。
『新収蔵品展 手書きは語る 作者のこころ』が開催されているということで、私は先日、文学館に行きました(2022年2月9日)。
この展示会で展示されているのは、
「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」を代表作にもつ夏目漱石さんをはじめ、
「蜘蛛の糸」や「羅生門」を執筆した芥川龍之介さん、
山梨県出身の俳人として有名な飯田蛇笏さんなど、
今も残る作品の数々を生み出した、著名な方々の資料です。
ここで、私にとって特に印象的だったものを紹介します。
まず、夏目漱石さんが描いた絵です。
(右から)夏目漱石 画「書斎図」1913(大正2)年夏
夏目漱石 画「達磨渡江図」1913年
夏目漱石 画「あかざと黒猫図」1914年
画家である津田青楓さんに指導していただいていたそうで、
”絵”に関連した内容の手紙も展示されていました。
夏目漱石 津田青楓宛書簡 額装 1913(大正2)年6月18日
小説、絵、俳句、、、と芸術の形は本当に様々です。しかし、そんな中で自分の表現方法を見つけ、難しささえも楽しんでいるのが彼らなのではないかとも思いました。手紙で言葉を交わすことができるのは、すごく素敵だと思います。そう考えたとき、夏目さんや津田さんのように自分とは異なる芸術を楽しむ人と関わり、手紙で言葉を交わすことができるのは、すごく素敵だと思います。
芸術の形をこえた交流は、彼らに限ったことではありません。
私たちが小説家として知っている芥川さんは、中学生の頃から俳句に親しんでおり、画家の小穴隆一さんを介して知り合った、俳人の小沢碧童と関わりがあったそうです。交友関係がみえると、イメージが変わりますよね。
私は、作家さんたちにまた違った色がプラスされるようにも感じました。
ずっと遠くにいた人たちが、前より少し近くにいる。
そう思うと不思議な感じがしました。
この展覧会で面白いと思ったことがもうひとつあります。
それは、紙の使い方です。
原稿用紙のように枠のある紙。
なんの遮りもない1枚の紙。
どちらも展示品にあったのですが、枠にとらわれずに書く方もいれば、並びを整えて書かれる方もいました。また、1枚の紙に大きく文字を書く方もいれば、こじんまりと、でもメリハリのある文字で書く方もいらっしゃいます。
人によって書く「字」が異なるように「紙」の使い方も違うのだなと実感したとき、それもまたその人の感性で、性格が表れたものなのではないかなと考えました。
3月、、、
3月といえば、卒業のシーズンですよね。誰かにとっては”お別れ”が、また誰かにとっては”新たなスタートへの準備”がある、寂しさやワクワクで溢れた、そんな時期だと思います。
私たちの区切りでもあるこの時期。
手紙を書きたいな、気持ちを伝えたいな、と思ったりしませんか。
私は去年、思いました。そして、感じていることを手紙として文字に表してみました。
家族に、友達に、思い浮かべた人に、、、
お手紙を書いてみませんか。
その前にはぜひ、文学館に足を運んで、文字が語る”作家たちのこころ”に触れていただければと思います。
きっと温かい気持ちになれるはずです。
この展覧会は、3月21日(月)まで開催されています。
月曜日はお休みなのですが、21日(月)はみなさんにお楽しみいただけるようです。
noteを読んで、楽しそうだな、行ってみたいな、と思ってくださった方がいたら、この機会にぜひ、ご観覧ください。
最後に、たまたま撮影することができたこの写真を、みなさんに共有したいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
文・写真:権守七映(山梨県立大学 国際政策学部 1年)