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落ち着いて見る。作品の面白さや深さを知る。

みなさん、こんにちは。山梨県立美術館で開催されている「シダネルとマルタン展〜最後の印象派〜」を見学しにいきました。

ここでシダネルとマルタンについて少し説明をします。

シダネルは20世紀初頭に活躍したフランスの画家で、月夜、庭のテーブル、薔薇、夕暮れなど身近な題材を独特なタッチで描いています。

マルタンは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの新印象派の画家で、多くの公共建築物の装飾絵画を描きました。
それでは早速作品を見ていきましょう。

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1つ目の作品はマルタンの「野原を行く少女」です。【制作年:1889年】

私が感じたこの絵の特徴は、それぞれのものが決して明確には描かれていないことです。

例えば女性が手に持っているものは花ですが、仮に花の部分だけ切り取られて見せられたとしたらこれは何かわからないと思います。

ですが絵全体を見た時、手に持っているものは花と分かります。それがこの絵、そしてマルタンの作品の特徴だと感じました。


次の作品にまいりましょう。

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この作品はシダネルの「ヴェルサイユ、月夜」です。【制作年:1929年】

この絵は周りを暗くすることで月夜を明るく目立たせていると思います。特殊な道具を使わず絵の具だけで月を目立たせ明るく表現している点に感銘を受けました。

また、下の方に描かれている噴水もはっきりは描かれていませんがシンプルなタッチで描かれていて良いなと思いました。

他にもシダネルとマルタンの作品はたくさんありましたが、私はこの二人の作品ではなく別のものに興味を持ちました。

例えばこれです。

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これは美術館のお外にあったリンゴのオブジェです。
ただシルバーのりんごというわけではなく、中に向かって円錐状になっている穴がたくさん開けられています。

これには注目を集める効果があると思います。円錐は中に向かっていくにつれて尖っていきます。それによって集中がいき、それがたくさん集まることによって注目を集める効果があるのではないかなと感じました。

正直な感想を言うと、作品を見た直後にはあまり作品に感銘を受けませんでした。

しかし、このnoteを書いてみて絵をもう一度よく見てみると作品を見た直後には気づかなかった絵のタッチや明るさの色使いのこだわりに気づくことができました。

私自身絵や美術に関する知識があるわけでも興味があるわけでもありませんが、それでも落ち着いて見ることで作品の面白さや深さを知ることができました。

このように山梨県立美術館には特別展だけでなく常設されているものにも面白いものがたくさんあります。館内にも外にも面白い作品があり、今回はまわりきれませんでしたが、次に行く機会があるときは、今回興味を持っても見ることができなかった作品をたくさん見たいと思います。

文・写真:進邦和馬(山梨県立大学国際政策学部1年)

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