完走した感想@未水槽ジーコ
こんにちは
オムニバス公演が無事終演しました。普段稽古場日誌をあまり書かないのですが、今回は珍しく長文を書きました。
今回の公演、役者側がどの役をやりたいか希望を出す形式だったのですか、僕が希望を出す前に、箪笥の演出さんが燈役をやってくれないかと打診してきました。そのときは脚本が公開されていただけで、読み合わせもしていない段階でした。正気か?と思いましたが、脚本を書いた時点で僕が適役な気がしたそうです。正直、セリフもそこまで多くないし、特別やりたい役があるわけでもないし…くらいの気持ちで当時の僕はOKしました。
箪笥、最初読んだときはぶっ飛んだ設定だなあ…くらいの印象だったのですが、稽古していく中でだんだん深みが増してきましたね。終演した今となっては本当に大好きな作品です。今回の5作品は、どれも作者さんの性格といか人となりが強く現れていたように感じてますが、箪笥は特にそうだと思っています。
※ここからは箪笥のネタバレを含みます
箪笥は(おそらく)今回の5作品で唯一、人知を超えた力が登場する作品であると同時に、家族愛がテーマのハートフルストーリーです。今思うと今回のオムニバス公演、内容が重めの作品の尺が長いので、ハートフル作品が一本存在していて良かったですね。お客さんは感情がジェットコースター状態だったと思いますが、それこそオムニバスの醍醐味というものでしょう。
今作ですが、亡くなってしまったばあちゃんという過去に目を向けるのではなく、今生きている母さんを大切にするという終わり方が僕はとても好きです。序盤の春解を見てると、(もっとばあちゃんのこと大事にしてあげろよ… 燈と違って冷たい奴だな…) と思ってしまいますが、現実だとむしろ燈みたいな子のほうが少数派なのではないでしょうか。家族にしても友人にしても、普段から感謝の気持ちがないわけではないけど、素直にそれを言動で表すことができずにいる春解のような人の方が、実際には多いのではないかなと思っています。というか僕自身もそうです。そういう難しいテーマを正面から扱って、納得感のある結論にもっていける脚本家さんは本当にすごいと思います。
そして僕は銀嶺祭公演に続き、主人公格ではないけど見せ場があって爪痕を残せるおいしいポジションを頂いてしまいました。燈くん面白いですね。愛想がよくてやたら察しがいい一方、ヤッターメンのこととなると暴走する男です。演じていてとても楽しかったです。
山脈アンソロジー、なかなか挑戦的な公演でしたね。主な稽古期間が帰省や試験が重なる1月ということもあって、うまくいくか不安もありましたが(と言っても僕は役者をやっていただけで大した働きはしてませんが)、いい感じに終われてよかったですね。正直今回の公演の成功は、多くの人の献身と、様々な奇跡的要因が重なった結果生まれたものなので、再現性があるかというと微妙です。そのため、こういう機会が次いつあるかは分かりませんが、楽しいので恒例企画になればいいなあと僕は密かに期待しています。
余韻に浸っている暇もなく、追い出し公演の話が既に始まっています。時代劇ということで、2024年度の山脈にはなかった感じの雰囲気を醸し出しています。24の一年間の活動の集大成ということで、みなさん楽しみに待っていて下さい。それではまた次の機会にお会いしましょう。
【箪笥演出へ】
誘ってくれてありがとう!参加して本当に良かった!ここまで来れたのもあなたの脚本・演出のおかげです!伊那ラジヲはあなたがいれば大丈夫な気がしてます。追い出しも頑張ろうね!
【春解へ】
前から面白い方だとは思っていましたが、本当に面白いし奥が深い方でした。何というか、24にはない大人の魅力がありました!短い間でしたが楽しかっです!また何かやりましょう!
【ばあちゃんへ】
すごく良い演技だった!前より確実に成長してる!最初はばあちゃんやるの不安そうだったけど、めちゃくちゃ優しくていいばあちゃんだったよ!在松どうしこれからもよろしくね。