国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現、介護保険制度の現状と目指す姿(令和3年版 厚生労働白書より)
本日は、「第2部 現下の政策課題への対応」の「第7章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現」、「第4節 地域包括ケアシステムの構築と安心で質の高い介護保険制度」、「1 介護保険制度の現状と目指す姿」を紹介します。
以下、「令和3年版 厚生労働白書」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
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第7章 国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
第4節 地域包括ケアシステムの構築と安心で質の高い介護保険制度
1 介護保険制度の現状と目指す姿
2000(平成12)年4月に社会全体で高齢者介護を支える仕組みとして創設された介護保険制度は今年で22年目を迎えた。
介護サービスの利用者は在宅サービスを中心に着実に増加し、2000年4月には149万人であったサービス利用者数は、2020(令和2)年4月には494万人と、約3.3倍になっており、介護保険制度は着実に社会に定着してきている。
高齢化がさらに進展し、「団塊の世代」の全員が75歳以上となる2025(令和7)年の日本では、およそ5.5人に1人が75歳以上高齢者となり、認知症の高齢者の割合や、世帯主が高齢者の単独世帯・夫婦のみの世帯の割合が増加していくと推計されている。特に、首都圏を始めとする都市部では急速に高齢化が進むと推計されている。
そこで、このような社会構造の変化や高齢者のニーズに応えるために「地域包括ケアシステム」の実現を目指している。「地域包括ケアシステム」とは、地域の事情に応じて高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制のことをいう。高齢化の進展のスピードや地域資源の状況などは地域によって異なるため、それぞれの地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築を可能とすることが重要である。
また、介護保険制度が定着し、サービス利用者数の増加に伴い、介護費用が増大している。介護保険制度開始当時の2000年度は3.6兆円だった介護費用は、2019(令和元)年度には10.8兆円となっており、高齢化がさらに進展し、団塊の世代の全員が75歳以上となる2025年には、介護費用は約15.3兆円*13になると推計されている。
*13 「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(平成30年5月)の経済ベースラインケース、計画ベースにおける推計。
介護費用の増大に伴い、介護保険制度創設時に全国平均3,000円程度であった介護保険料は、現在約5,900円になっており、2025年には約7,200円になると見込まれている。
このような介護保険制度の状況に加え、今後、いわゆる団塊ジュニア世代の全員が65歳以上となる2040(令和22)年には、高齢人口がピークを迎えるとともに、介護サービス需要がさらに増加・多様化し、現役世代(担い手)の減少も顕著になる中、制度のさらなる見直しを進める必要があり、社会保障審議会介護保険部会での議論等を踏まえ、「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案」を第201回通常国会に提出し、2020年6月5日に成立し(令和2年法律第52号)、2021(令和3)年4月より順次施行している。この法律には、地域の特性に応じた認知症施策や介護サービス提供体制の整備等の推進並びに医療・介護のデータ基盤の整備の推進、介護人材確保及び業務効率化の取組みの強化等を盛り込んでおり、地域共生社会の実現に向けた取組みを進めていくこととしている。
これらを踏まえ、2021年度からの第8期介護保険事業計画においては、以下のような事項を盛り込んでいる。
ア 2025・2040年を見据えたサービス基盤、人的基盤の整備
イ 地域共生社会の実現
ウ 介護予防・健康づくり施策の充実・推進
エ 有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅に係る都道府県・市町村間の情報連携の強化
オ 認知症施策の推進
カ 地域包括ケアシステムを支える介護人材確保及び業務効率化の取組みの強化
キ 災害や感染症対策に係る体制整備
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2000年に創設された介護保険制度。
介護サービスの利用者は在宅サービスを中心に増加しています。
2000年4月には149万人であったサービス利用者数は、2020(令和2)年4月には494万人と、約3.3倍になっているそうです。
今後ますます増えていくことが予想されます。
当然これは、費用の拡大にもつながっています。
2000年度は3.6兆円だった介護費用は、2019年度には10.8兆円。
団塊の世代の全員が75歳以上となる2025年には、介護費用は約15.3兆円となる見通しだそうです。
恐ろしいことですが、現実です。
担い手の減少に伴い、社会全体の制度設計の見直しが必要ですね。
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