見出し画像

NPOによる生きづらさを抱えた若い女性のための相談支援(特定非営利活動法人BONDプロジェクト)(令和3年版 厚生労働白書より)

本日は、「第1部 新型コロナウイルス感染症と社会保障」の「第1章 新型コロナウイルス感染症が国民生活に与えた影響と対応」、「第2節 特に大きな影響を受けた人々・活動への対応」より「3 女性」コラム「NPOによる生きづらさを抱えた若い女性のための相談支援(特定非営利活動法人BONDプロジェクト)」を紹介します。
以下、「令和3年版 厚生労働白書」から引用します(以下特記なければ、画面キャプチャ含めて同じ)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NPOによる生きづらさを抱えた若い女性のための相談支援
(特定非営利活動法人BONDプロジェクト)

新型コロナ感染拡大で若い女性が受けた影響
新型コロナ感染拡大で社会全体が不安定になる中、2020(令和2)年の夏頃から若い女性を含めた自殺者数が増加するなど、生きづらさを抱える若い女性が増えている。10歳代20歳代の生きづらさを抱えた女の子のための支援を行っているNPO法人BONDプロジェクトでは、同年6月にアンケート調査を行ったところ(BONDプロジェクトのLINEに登録している若年女性を対象に約
9,500人に調査を行い、約950人から回答)、回答者の69%から、「消えたい、死にたいと思った」との回答があった。

BONDプロジェクトの取組み①~相談者が話しやすい環境を整える~
BONDプロジェクトは、ライターの橘ジュン代表が、街頭の女の子の声を伝えるフリーマガジンVOICESを製作する中で、多くの困難を抱える女の子と出会い、話を聞く中で、彼女たちが抱える課題を解決したいとの思いで、2009(平成21)年に設立された。
BONDプロジェクトでは、生きづらさを抱える女の子たちの話を聞くことが何よりも大切との考えに基づき、彼女たちが話しやすい環境を整えるため、相談者の状況やニーズに応じ、様々な相談形態を設けている。
①相談所の開設
一番大切なのは、実際に会って、相談者の状況を確認しながら、相談する環境を整えることとの考えから、横浜に相談所を開設している。開かれた場所を用意することは、行く当てのない女の子たちの心安らげる居場所をつくる効果もあるという。
②LINE相談
相談者の中には、家族などの目があり、外出できない人や電話相談ができない人がいる。そうした方々に対応するため、LINE相談を行っている。LINE相談の特徴は、若い世代が相談員となり、相談者の心の声を聞くことに重きを置いている点である。相談者がまず必要としているのは、専門的なカウンセ
リングでは必ずしもなく、親身に自分の話を聞いてもらい、共感してもらう経験であることが多いという。LINEのやりとりを重ねる中で、相談者と信頼関係を構築した上で、個々人の状況に応じた行政的なサポートや具体的な支援につないでいくことになる。

画像1

③地方在住者向けのオンライン相談
これまで地方在住の方から相談を受けた場合、BONDのスタッフが地方に赴き、対面で相談支援を行ってきた。新型コロナ感染拡大の中で、地方の相談者の下へ直接赴くことが困難になったため、代わりの手段として、オンラインの相談を行っている。LINEとは異なり画像を通してではあるが相談者の顔を見ながら会話をすることができ、また部屋から相談する方も多いため相談者の部屋の状況などが把握しやすいという利点もあったという。

BONDプロジェクトの取組み②~ネット空間におけるアウトリーチ~
生きづらさを抱える女の子の多くは、身近な人に悩みや本音を言うことができず、ネット空間に居場所を求めている。SNSが大事な居場所になっている反面、弱みにつけ込まれ、犯罪被害に遭うケースも少なくないという。BONDプロジェクトでは、2018(平成30)年3月より、厚生労働省自殺防止対策事業として、「SNSによる相談事業」を開始し、インターネットを介して、生きづらさを抱える女の子にアクセスし、BONDプロジェクトの相談や必要な支援につながるようアウトリーチ活動を行っている。

画像3

具体的には、SNSの♯ハッシュタグ機能によって生きづらさを抱えるユーザーを見つけ、コメントやダイレクトメッセージで声かけを行う、また、自殺募集を行ったり家出少女に声をかけたりするユーザーの中で危険性が高いと判断した場合には各通報機関に連絡することなどを行っており、2020年1月から12月までの間で、ネットパトロールからBONDプロジェクトのLINE相談等に繋がった人数は1,579人だった。そのうちの52件が市役所等への同行支援に、15件が一時保護に繋がった。
おわりに
橘ジュン代表は、「生きづらさを抱える女の子たちは、これまで社会から見過ごされ、あらゆる社会的な支援とつながれず、取り残されてきた存在だったが、図らずも、新型コロナウイルス感染症による社会情勢の悪化により、彼女たちの置かれた状況が注目されることになった。このムーブメントを活用しながら、志を同じくする全国の支援者との連携や支援者の研修の拡充やケアにも力を入れて、質の高い支援者の育成・確保を行い、生きづらさを抱える女の子たちの支援を更に深化させていきたい。」と意気込みを語る。今
後もこうした女の子たちに寄り添った民間ならではのきめ細かい支援が期待される。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10代、20代の若い女性の相談支援を行うNPO法人の事例です。
コロナ禍でLINEやオンラインでのサポートを行っておられます。
NPO法人は「非営利活動法人」。ボランティア活動に賛同する方の会費や寄付金、助成金等で成り立っているそうです。
ボランティアに頼る、国の仕組み自体がどうなのか、という気もしますが・・・。
生きづらさを感じている人にどういうサポートをするか。お役所は敷居が高い感じもしますので、民間が役割分担する必要があるのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!

山中勧/伍魚福社長
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan