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我が国におけるリカバリー経験(休み方)の現状(令和元年版「労働経済の分析」より)

我が国におけるリカバリー経験(休み方)の現状について紹介します。

以下、特記するものを除き、令和元年版労働経済の分析からの引用またはキャプチャーです。

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2 我が国におけるリカバリー経験(休み方)の現状について
●「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、男性、30歳台~50歳台、係長・主任相当職や課長相当職、50人超~300以下の中規模企業に勤める方において、リカバリー経験(休み方)が「出来ている」と自己評価された方の割合が低い


「心理的距離」「リラックス」「コントロール」「熟達」といったリカバリー経験(休み方)が出来ている場合には、仕事中の過度なストレスや疲労を回復させ、後日再び就業する際に、働く方のワーク・エンゲイジメントや労働生産性の向上を実現させる可能性が示唆された。つまり、「働きがい」を向上させるためには、リカバリー経験(休み方)も重要であることが確認されたことを踏まえ、我が国におけるリカバリー経験(休み方)の現状について、概観していきたい。

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まず、第2-(3)-31図の(1)により、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」「熟達」といったリカバリー経験(休み方)が「出来ている」又は「行っている」と自己評価された方の割合をみると、「心理的距離」が66.1%、「リラックス」が83.6%、「コントロール」が75.0%、「熟達」が22.2%となっていることが分かる。「心理的距離」については、33.9%が「出来ていない」と自己評価しており、「リラックス」や「コントロール」における同評価と比較すると、高い水準にあることが分かる。
ここからは、リカバリー経験(休み方)が「出来ている」又は「行っている」と自己評価された方の割合に関して、いくつかの属性に着目しながら、その特徴を考察してみたい。

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最初に、同図の(2)により、同割合を性別でみると、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、女性の同割合が高い一方で、「熟達」については、男性の同割合が高いことが分かる。Sonnentag(2005)では、分析の結果、男性は、女性と比較して、リカバリー経験が上手くいっていない可能性があることを指摘しており、Sonnentag(2001)において、
男性の方が、余暇時間に仕事に関連する活動により多くの時間を割いているといった分析結果が得られたことと整合的であるとしている。したがって、本分析結果についても、こうした先行研究とおおむね同様の傾向を示していると評価できるだろう。

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次に、同図の(3)により、同割合を年齢別でみると、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、「30歳台」「40歳台」「50歳台」において同割合が低い一方で、「熟達」については、おおむね加齢に伴って同割合が高くなることが分かる。

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さらに、同図の(4)により、同割合を居住地域別でみると、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、「三大都市圏」「地方圏」における同割合ともに、おおむね同水準である一方で、「熟達」については、「三大都市圏」における同割合が高いことが分かる。

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続いて、同図の(5)により、同割合を勤め先企業における役職別にみると、「心理的距離」については、「係長・主任相当職」「課長相当職」「部長相当職以上」といった役職者において同割合が低いことが分かる。また、「リラックス」「コントロール」について、「係長・主任相当職」「課長相当職」における同割合が低い一方で、「熟達」については、加齢に伴って同割合が高くなることが分かる。

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最後に、同図の(6)により、同割合を勤め先企業規模別にみると、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、「50人超~100人以下」「100人超~300人以下」において同割合が低い一方で、「熟達」については、企業規模の高まりに伴って同割合が高くなることが分かる。

以上のように、リカバリー経験(休み方)が「出来ている」又は「行っている」と自己評価された方の割合については、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」と「熟達」に分けてみると、「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、男性、30歳台~50歳台、係長・主任相当職や課長相当職、50人超~300以下の中規模企業に勤める方において、同割合が低い状況にあることがうかがえた。また、「熟達」については、女性、若者、地方圏、非役職者、小規模企業に勤める方において、同割合が低い状況にあることがうかがえた。
特に、「心理的距離」については、33.9%が「出来ていない」と自己評価しており、「リラックス」や「コントロール」における同評価と比較すると、高い水準にある中、男性、50歳台、課長職相当や部長相当職以上、中規模企業に勤める方において、リカバリー経験(休み方)が「出来ていない」と自己評価された方の割合が高い。

上述したように、働く時はしっかりと働き、休む時はしっかりと休むことで、後日再び就業する際の良質なパフォーマンスの発揮に結びつけていき、その両方の時の間にポジティブな循環を生み出していくことが肝要だと考えられるが、そうした好循環の実現に向けて、我が国におけるリカバリー経験(休み方)の現状に関する本分析結果を踏まえながら、働く方は、自身の「休み方」について改めて再考してみることが有用であり、また、企業は、従業員が積極的に休める環境整備を推進することが、働く方のワーク・エンゲイジメントや労働生産性を向上させる可能性があることをよく認識した上で、従業員に対して講じられる支援を検討していくことも有用だと考えられる。
今後、我が国では、少子高齢化による生産年齢人口の減少が見込まれる中、労働供給制約を抱えており、その時々の景況感によって左右される可能性があることに留意が必要であるものの、3年先(2022年)に関する企業予測では、現状よりも高い人手不足感が見込まれている。
こうした人手不足下では、働く方の「休み方」を通じて、「働きがい」を向上させる好循環を実現し、働く方がより豊かな職業人生を過ごしながら、健康の増進と労働生産性の向上を同時に実現していくことで、企業としての成長にも結びつけていくといった人材マネジメントの視点が重要であり、働く方の「休み方」について、労使でしっかりと話し合っていくことが重要であると考えられる。
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再度、4つのリカバリーの内容を記します。
「心理的距離」とは、仕事から物理的及び心理的にも離れている状態であり、仕事に関することを考えない状態。
「リラックス」とは、心身の活動量を意図的に低減させて、くつろいでいる状態。
「熟達」とは、余暇時間における自己啓発の実施。
「コントロール」とは、余暇時間に何をどのように行うのかを、自分で決められる状態。

「心理的距離」「リラックス」「コントロール」については、男性、30歳台~50歳台、係長・主任相当職や課長相当職、50人超~300以下の中規模企業に勤める方のできている割合が低い。

「熟達」については、女性、若者、地方圏、非役職者、小規模企業に勤める方において、できている割合が低い。

特に、「心理的距離」については、33.9%が「出来ていない」と自己評価しており、「リラックス」や「コントロール」よりも高い。
中でも男性、50歳台、課長職相当や部長相当職以上、中規模企業に勤める方において、リカバリー経験(休み方)が「出来ていない」と自己評価された方の割合が高い。

個人の仕事の責任が重くなるに従って、休みの日でも考えてしまう。
人間なので、完全に切り替えるということは難しいかもしれません。
それがストレスになる人もいれば、休んでいる時にふと気づくことがある方もおられるでしょう。
心の問題でもありますので、個人の特性によって一概に決められないように思います。
深く考えれば考えるほど、こんがらがってきますね。

「熟達」に関しても、自ら進んで自己啓発する場合と、やらねばならないという義務感で自己啓発する場合とで、エンゲージメントへの関わりが変わってきそうです。もともと向上心があって、進んで本を読んだり、資格を取ったりするタイプの方は前者ですので、それが良い休み方になりますね。
松下電器産業(現在のパナソニック)が完全週休二日制になったとき、松下幸之助は「一日休養、一日教養」として週休二日のうちの一日の休日を教養の取得にあてることを社員に求めたそうです。
そう考えることのできるメンバーを増やしたいです。

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山中勧/伍魚福社長
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan