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今こそ知っておくべき『働き方改革』本来の目的
皆さんは『働き方改革』と聞いたら何を思い浮かべますか???働いている方であれば有給5日・残業禁止・週休2日、経営者の方は人件費高騰・営業日減少・リスク増加などを思い浮かべるかもしれません。しかし、本当の目的は違うところにあるんです。そんな情報を簡単にまとめてみました。
厚生労働省のサイトによると狙いは『企業生産性の向上、それによる利益の拡大』
休むこと、極力働かない事が先行したイメージを持っている働き方改革ですが、実が違ったんですね。『企業の生産性を高めることで利益を拡大し、それを原資として社員満足や顧客満足につなげることが狙い』だったんですよ。厚生省のサイトにはこのように書かれています。
適切な労働時間で働き、ほどよく休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識やモチベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されます。社員の能力がより発揮されやすい環境を整備することは、企業全体としての生産性を向上させ、収益の拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。 ※引用元リンク⇒働き方・休み方改革のポータルサイト
生産性を高めるポイントとして『仕事への意欲増進と業務効率向上』をあげており、そのために必要なこととして『適切な労働時間とほどよい休暇』があるよ、と言っているわけですね。
より多くの人が豊かな生活を送れるようにすること
この改革は決して企業のためじゃないんですよ、国民のくらしを豊かにするためには所得が増えていかなければならないんです。だからこそ企業の生産性を高めそれにより社中分配を増やし、需要の喚起を行うことを狙ったのですね。首相官邸サイトにもこのように掲載されているんです。※下記画像は官邸サイトから引用しています
中小企業はこんな中で何をどのようにしていくべきなのか
『生産性向上』というたぐいの広告や雑誌記事、ネット記事を良く見かけるようになりましたね。クラウドサービスについても効率化関連の言葉が増えているように感じられます。生産性向上のためにできる事をまずは挙げてみましょう。
■企業の生産性向上のためにできること
・業務効率化する(IT導入、フロー見直し、コストも含めた無駄の最適化)
・ヒトのスキルアップをする(資格、研修、教育制度など)
・社内コミュニケーション強化する(人間関係、情報伝達など)
・売上UP(顧客増加、単価UP、購入頻度UP)
・などなど
大きな部分でしか羅列していませんが、こんな感じでしょう。他にもありましたら是非お教えください、私の肥やしにしたいです。ただ、生産性向上と言っても打ち手はたくさんありますよね。売上アップの方法にしても、新しい商品・サービスを作ることや既存商品をまだ導入できていないお客様に提供していくことでも売り上げは上がりますね。しかし、打ち手を考えるためにはまずは『どんな打ち手が自社にとって最適なのか』を検討する必要があります。
何をするにも現状把握は大切
ダイエットする時は必ず体重計に乗り、体重や体脂肪などを把握しますね。そして、その数字になってしまっている原因を自分なりに振返り改善策を検討しますよね。だからこそ目標設定が出来るわけです。それができていないダイエットはきっとうまくいかない、一過性のものになるでしょう(私も経験がたくさんありますので間違いありません)。
生産性を高めるために自社の正しい現状把握を!
以下のケースで考えてみてください。
ある自動車関連製造業である株式会社A車体の会議での会話です。
社長『売上を増やせ―!!!とにかく売上だ!!!』
社員『わかりました!(どうすればいいんだ・・・)』
ずいぶん端折りましたが、無策で具体的に何をするのかがわからないまま売上拡大に向けて動き出す組織は少なくありません。
本来ならば現状把握と分析を正しく行い以下の流れで進めるべきです。
■理想の流れ
社長『今わが社は単価が下がり、全体の売上が減少している。その原因は、付加価値の無い営業になっている点にある。現在はルート販売をする際にカタログを広げて既存製品との入れ替え提案をしているにとどまっていることがわかっている。』
社員『そうですね、商談の場でも値引きを求められることが多く、応じざるを得ません。5年前と比べるとすでに10%は単価が下がっています。』
社長『そうでだね、ではなぜ価格勝負に巻き込まれてしまっているか分かるかな?お客様目線になって考えてみよう。』
途中までとしますが、正しく分析をしたうえで売上拡大をしていかなければいけないということを認識できれば、解決すべきことが何か?を具体的に特定していくことが可能になる気がしませんか?
この会社の場合は『単価を上げるために、顧客の課題をヒアリングし、自社の商品サービスを活用した課題解決プランを提案する』営業の仕方がベターだと結論づけられるでしょう。
企業の多くは売り上げをあげることが生産性向上につながります。(中には効率という意味で粗利に注目すべき場合もあります)
そして、生産性を高めるためには、最初に現状把握をし正しく問題点とその原因分析を行い、適切な打ち手を検討しましょう。
働き方改革の本当の目的である生産性を高めたことにより利益が増えたら、社員満足と顧客満足につながる経費として使っていくことをお忘れなく!