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自動運転時代、クルマのスタイリングはどう変わる?

21世紀中には完全自動運転が実現するだろう

異論反論もあるでしょうが、一般に使われる自動車において自動運転化の方向に向かっているのは間違いないところ。テクノロジーの進化スピードは読み切れませんが、遅くとも今世紀中には完全自動運転が実現して、運転免許という資格自体が無意味になる日がやって来るでしょう。運転自体が楽しいという事実は否定しないものの、移動のため(モビリティを制御するため)に使うエネルギーを別の何かに活用できたほうが嬉しいという人のほうが多いでしょうから、そこにはニーズもあるわけです。

では、完全自動運転の時代になったとき、街の景色、道の様子はどのように変わってしまうのでしょうか。歩車分離の徹底、自転車やオートバイの排除などいろいろ考えられることはあるのですが、ここではクルマのカタチがどうなるかに絞って、考察してみましょうか。

空間を検知するセンサーは高い位置にあるほうが有利

自動運転のためには空間を検知するセンサーが必須。LiDAR、ミリ波レーダー、超音波ソナー、カメラなどなど様々なデバイスでセンシングすることで周囲のクルマや歩行者、障害物などを検知して安全に走ることが可能になるわけです。そのほか、車車間通信や路車間通信といったコネクテッドによってもスムースな流れや安全を担保するわけですが、ここではセンシングの基本について考えてみたいと思う次第。自動運転の試作車・実験車をみると屋根の上にセンサーユニットを積んでいることが少なくありません。これは既存のクルマにセンサーを後付けするにはルーフ上に載せてしまうのが手っ取り早いというのもありますが、センサーは高い位置にあるほうが遠くまで見渡せて、周囲の状況を把握しやすいというのも屋根の上に置く理由のひとつ。なお、超音波ソナーについては近距離の対象物を検知するという特性から低い位置に装着したほうが役に立つといえるかもしれません。

乗降性や居住性を優先するとガルウイングドアのミニバンフォルムになる

もちろん、完全自動運転を前提としたデザインであれば後付け感はなくなるでしょうが、基本的に高い位置にセンサーを置きたいと考えると、いかにもスポーツカー然とした流線形のカタチというのは減っていくだろうと思うのでした。なにより、自分で運転できないわけですし、スピード違反もあり得ない世の中になっていくわけですから、スポーツカースタイルを求める声も小さくなりましょう。むしろ、乗降性と乗車中の快適性が重視されるでしょう。

そうなると低床ミニバンのようなスタイルが主流になってくるであろうと思うのでした。乗降性を考えると開口部のステップが高くなりがちなスライドドアよりもサイドシルのすぐ上から開くようなガルウイングドアが主流になるかもしれません。ただし、その場合はドアを開いたときの上空スペースが必要なので多少の対応が必要になるでしょうが、完全自動運転でクルマを所有するというのは、ごくごく一部の専用車を欲するセレブだけの行為で、多くのユーザーはシェアリングになるでしょうから、乗降時に必要なスペースはほとんど問題にならないはず。

自分のイメージに近いスタイリング・パッケージなのがこちら

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こちら、ずいぶん前にトヨタが発表した燃料電池コンセプトカー「Fine-X」ですが、こんな風に側面がガバッと開く自動運転車が玄関前やクルマ寄せで待っているのが未来のモビリティと想像するのでありました。流線形スタイルがカッコイイと感じる世代からすると反発したくなるかもしれませんが、こういう時代になるとこのカタチがスマートに感じるようになるであろうことは、スライドドアのミニバンが普及してからの世代の嗜好を見ていると当然のことだろうと想像できてしまうのでした。

もっとも前述したように屋根の上にメインセンサーユニットを配置するとなれば、ガルウイングドアとの共存では干渉してしまう部分も出てくるはずで、次のステップではそのあたりも考察していかないといけないとは思う次第であります、ハイ。

参考までにトップ画の被写体はこんなクルマです↓

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