国政報告会 24年8月26日 フェニーチェ堺 文字起こし


山本かなえでございます。本日は大変お忙しい中、4階席までたくさんの皆さま方に国政報告会にお集まりいただきました。本当にありがとうございます。
また、上川陽子外務大臣にもお越しいただきました。自民党の総裁選に立候補される前の大事な時に、かつ先週から台風が来るかもしれないという状況ということで、“ほんまに来てくれるかな”とやきもきしていましたが、今朝、「行くわよ」とお電話をいただいて。先ほど、お顔を拝見してほっとしたところです。ただ、まだ推薦人が20人集まってないということでありますが、上川大臣だったら確実に集めて、女性初の総理大臣を期待したいと思いますが、皆さんどうでしょうか。

私も頑張らなければなりません。昨年の5月に、北側さんの後任として、衆議院大阪16区の公認をいただきました。本日までの間、堺の皆さんにお支えをいただきまして、感謝の思いでいっぱいでございます。その感謝の思いを必ず仕事でご恩返しできるよう、全力で戦い抜いてまいりますので、どうぞよろしくお願い申しあげます。

物価高対策の必要性

本日は、国政報告ということでございます。今、本当に日本の国内外における課題が山積しています。やはり、最初にやらなければならないのは物価高対策です。もう既に第1弾として、電気代、ガス代の負担軽減や、ガソリン代等の燃油高騰対策を実施しておりますが、これで終わりではありません。絶対に、第2弾となる追加の経済対策が必要だと思います。

物価高の影響は大きいですね。やはり、年金生活者とか、低所得の方に対する支援が必要であることは当然ですが、現場を歩いておりますと、いろんな方にお会いします。特に医療、介護等の業界は、実は物価が高騰しても自分で勝手に値段を変えられないんです。国が、“いくら”って価格を決めているんです。こうした価格転嫁できない医療や介護、障がい福祉、保育といった業界への支援は何があっても、しなければなりません。皆さま方のお声と支援をいただきながら、総理が誰になったとしても必ず、追加の経済対策を実施したいと思います。

ただ、これだけでも十分ではありません。やはり中小企業の皆さま方にも、元気になっていただく必要があります。今、この堺の中小企業の皆さま方から、たくさんのお声を聞きます。円安や物価高で原材料費が上がり、コロナの時よりも経営が厳しいとのこと。人手も全く足りない。また、受注先の会社に、「コストが上がった分、もうちょっと価格を上げてください」って価格転嫁をお願いしても、なかなか応じてもらえない。そういう厳しい状況をたくさん伺っております。ただ、こうした状況をなんとしても変えていく対策を取らなければいけない。経済の規模を拡大するだけではなく、今こそ経済の好循環をつくらないといけない。その際の最大のポイントとなるのが、雇用の7割を占める中小企業の皆さまでございます。つまり、中小企業がちゃんと稼いで、そのお金が働く人の原資となり、賃金アップが実現する。現役世代の賃金が上がっていくと、今度は年金給付額も上がっていくわけです。

消費が拡大して経済が回っていく。「経済の好循環」と言いますが、これを今まさに作っていかなくてはならないわけであります。では、どうしたらできるのか。中小企業の皆さん方が困っているような人手不足だとか、デジタル化とか、イノベーションとか。そういったことへの補助金給付や税制改革など、総動員でやっていきます。

下請法の改正を

そしてもう一つ、小売価格をちゃんと上げられるようにしていく。ここが一番大事です。実は、2021年9月から公明党を挙げて、具体的に価格転嫁ができているかの調査を後押しして、現在、中小企業庁が年に2回のアンケート調査をしています。

その結果をもって、ちゃんと価格転嫁、価格交渉に応じているか、また後ろ向きな企業はどこか、企業名を公表するということをさせていただきました。今年8月の上旬にも4回目の公表をさせていただき、過去最多の290社の評価が表になったわけであります。調査を重ねるごとに価格転嫁の状況が、自然と改善されてきており、引き続き調査をしていきたいと思っています。

また「下請法」という法律があります。名前がどうかなと思いますが、この20年間変わっていない「下請法」を今度、改正しようと思っています。国会でも、この問題を取り上げまして、7月にはようやく見直しの検討会が立ち上がりました。

この中で特に、価格転嫁できない中小企業、困っている商慣行のところを徹底的に見直すための法改正をしてまいりたいと思います。中小企業を元気にして、それが賃金に跳ね返り、日本の経済を元気にして、皆さま方の懐具合も元気にしていく。そのために、山本かなえは全力で頑張ってまいりたいと思います。何卒よろしくお願い申しあげます。

同時に、中小企業だけではなくて、全国が元気にならなければいけない。堺が元気にならなあかんと思いますが、皆さんどうでしょうか。

もっとすごい堺へ

私、堺って魅力がたくさんあると思うんです。ポテンシャル、潜在力、ものすごくいっぱいあります。例えば、“ものの始まり何でも堺”と言うように、刃物も線香も、そして鉄砲も。こちらは使いませんが(笑)。「堺はさまざまなものの発祥の地で、伝統が根ざしたものづくりの町です」という話をしていたら、先日ある方に、「堺のものづくりは、単なるものづくりちゃうねん」と。「ひと味違うねん」と言われたんです。「どう違うんですか」と聞くと、例えば刃物です。刃物といえば、古墳時代の鋤や鍬などに起源がありますよね。その技術が、戦国時代に鉄砲になり、包丁になって、それが今や自転車になり、スコップやシャベルになったんです。そして、望遠鏡や万年筆にも、現代に脈々と引き継がれているような技術になっているわけです。

すなわち堺のものづくりは、何かをうまく作るというようなものではなくて、自分たちで作り上げ発展させていく、自主と進取の精神があふれたものづくりなんです。だから現在、堺には世界で大きなシェアを占めている企業がたくさんあります。

そして、仁徳天皇陵もあります。こちらは世界文化遺産に認定されて今年で5年になりました。さらに、与謝野晶子、千利休のゆかりの地でもある。さまざまな歴史や文化の宝庫であります。そしてこれから、秋祭りが始まりますけれども、ふとん太鼓やだんじりも、担ぎ手のものすごい結束力が、“すごいな”と拝見して感動しました。

そしてもう一つ、堺は農業がすごいんですよ。大阪府内で農業産出額1位の市町村は堺です。岸和田市ではないんです。岸和田の方、気を悪くしないでくださいね(笑)。春菊とか小松菜とか、葉物野菜ですね。春菊は全国1位です。畑が町中にあるわけですから、朝採った野菜がぱっと食べられて、めちゃくちゃおいしい。すごいと思いませんか。

また実は、アクセスが非常に充実している。皆さん、当たり前だと思っておられるんですが、堺は関西国際空港、伊丹空港、神戸空港の真ん中にあるわけです。しかも、神戸空港では国際線がこれから飛ぶようになり、来年には発着便もどんと増やします。三つの国際空港が近いところなんかないんですよ。この便利さを、ぜひ享受していただきたいんです。そして北側一雄さんが作った阪神高速大和川線、便利じゃないですか。さらに先日、斉藤国交大臣と共に視察にお伺いしたのですが、南海本線の連続立体交差は令和10年3月には完了する予定なんです。これで7つの踏切がなくなります。次は南海高野線の方ですね。堺東から浅香山の区間から、10個の踏切がなくなります。

最後に残っている課題が、堺の東西をつなぐ交通軸です。南北には5本も通っているのに、東西には1本もありません。これは、明治時代からの長年の課題だと伺いました。先ほども申し上げましたが、南北の路線からは計17個の踏切がなくなるわけです。こういうことが現実になる中で、もう一度、単に堺東と堺の間の道路をどうこうするだけではなくて、20年先、30年先の堺を見通して、東西の交通軸の問題を皆さん方とともに何とか解決していきたいと思うんですが、皆さんいかがでしょうか。

めっちゃ大変なことなんですけど、北側さんに「お前、頑張れよ」と言われました。公共交通というのは、街づくりそのものなんです。交通網がないから街が活性化しないという場合があります。街づくりだからこそ、皆さんと一緒に作り上げていきたいと思うんです。頑張りたいと思います。

とにかく堺の魅力をもっと国内外に発信するとともに、堺のポテンシャルを引き出し、人が集まるだけでなく、モノとお金が集まるような堺づくりを皆さんと共に築いてまいります。

社会保障のイノベーションを堺で

そしてもう一つ。私は、厚生労働副大臣をさせていただいたんですが、党の中では社会保障全般のことを担当しています。社会保障は今、いろいろと本当に見直さなければいけない点があるんです。人手不足の問題もあります。そこで、今日は、時間の関係で1個だけにはなりますが、ぜひ堺で実現したいというものをお一つご紹介したいと思います。

それは何かと申しますと、今、堺には元気な高齢者の方がいっぱいいらっしゃいます。今日もいっぱいいらっしゃるかと思いますが、“別に会社で働きたいとは思ってないねん”と。“空いてる時間を使って、人のために役立って。ちょっとただ働きはしんどいから、ちょっとお小遣い程度欲しいな”。そういう方がいらっしゃるかと思います。そういう方々に、ぜひご活躍をしていただくような仕組みを作りたいと思っています。

具体的に、どういうことかといいますと、現在の介護保険の枠組みでは、ヘルパーさんが何でもかんでもできるというわけではないんです。要支援や要介護のご家庭や、単身高齢者の方のお宅に行った時に、庭の草がぼうぼうであったとしても、草むしりはできないんです。お布団を干してあげたくても、できない。病院に行く時には院内まで付き添いたくても、ヘルパーさんは病院の前で帰らないといけないんです。でも、中に入って一緒に待ってあげないと困るじゃないですか。ところが、こういうことはできないんです。これを、住民の皆さんが、例えば1時間500円などの「有償ボランティア」の仕組みで解決できないかと考えています。これは、“ボランティア”ですから雇用ではありません。無償ボランティアでやれる人は、やっていただけばいいのですが、やはり担い手が限られます。ですから、「有償ボランティア」という選択肢も作るべきではないかと国会で審議をしまして、制度を改正いたしました。

大阪の大東市ってご存知ですか? 大東市では、この仕組みを導入され、単身高齢者の方に何かがあった時に助かるだけではなく、「有償ボランティア」をやっていただく高齢者の方の生きがい作りに加え、介護予防にもなりました。同時に、医療や介護の費用を抑制することにもつながったそうです。先日、市長さんと直接、お話ししました。大東の市長さんは、全国で初めてリハビリテーションの専門職を経験された逢坂さんという女性です。“8年間で介護費を137億円も抑制できた”と教えてくださいました。それによって、介護保険料もすこし削減できたそうです。それだけではなくて一番大事なのは、介護の専門職の方をより重度の方にシフトすることができたことです。要するに、軽度の方の所には住民サービスが入ることができた。これによって、介護人材の不足を抑止する効果があったそうです。こうした仕組みを、ぜひ堺市でも実現していきたいと思いますが、皆さんどうでしょうか。堺市と連携しながら、ぜひ実現してまいりたいと思います。

終わりに

とにかく子供から高齢者に至るまで、皆さんが活躍できるような、そういった社会を実現するために頑張っていきたいと思います。とにかく今、日本はものすごく重要な時を迎えています。だからこそ、政治が、ガタガタするわけにはいかないんです。自民党の皆さん方も今いろんな問題を抱えていますが、「とにかく政治とカネの問題は片付けてください」っていうことを北側さんと口を酸っぱくして言っております。先般の国会で議論した「改正政治資金規正法」は公明党がリードして、もう二度と起こらないようにしたいと思いますし、大事な時だからこそ、皆さんお一人お一人の声に耳をしっかりと傾けながら、皆さんの願いや思いをしっかりと受け止めて、それを政治に反映していきたい。

皆さんに安心感を持っていただき、信頼していただける。そうした政治をここ、堺から皆さんと一緒に作りあげてまいりたいと思っております。4期23年参院議員としての経験をフルに生かし、皆さまのお役に立つ決意でございます。大変、大変厳しい戦いとなりますが、何が何でも“負けたらあかん”と決めて、頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申しあげます。今日は本当にありがとうございました。頑張ってまいります。よろしくお願い申しあげます。

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