こども誰でも通園制度 モデル事業、各地で始動
育児の負担軽減、孤立化防ぐ/公明の主張が具体化へ
2023/07/21 1面 公明新聞
■全国31自治体50施設で
政府の「こども未来戦略方針」で創設を掲げた「こども誰でも通園制度(仮称)」のモデル事業が、全国31自治体の50施設で順次始まっている。同制度は、親の就労の有無にかかわらず、保育所などを時間単位で柔軟に利用できる仕組みを構築するもので、未就園児の親の育児負担の軽減や孤立化を防ぐのが目的。公明党が昨年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」などで提唱し、政府に実現を訴えていた。
今年度のモデル事業は、既存の「一時預かり事業」を参考に、保育所や幼稚園に通っていない未就園児を対象に、定員に空きのある保育所で週1~2回程度受け入れる。保護者が保育所に事前登録することで毎回の手続きを省き、定期利用しやすくする。保護者に対しては、定期的な面談などを通じて支援する。
■政府、24年度本格実施めざす
モデル事業には仙台市や横浜市、千葉県松戸市、東京都文京区、北海道白老町など全国の31市区町が参加。政府は効果を検証した上で、2024年度からの本格実施をめざす。
こども家庭庁によると、21年度時点で0~2歳児の約6割に当たる146万人が未就園。親が自宅で子どもと向き合い続けて疲弊したり、誰にも悩みを打ち明けられなかったりする“孤育て”に陥る可能性が指摘されている。こうした問題は家庭内で起きるため、虐待や障がいといった課題を抱えていても発見が遅れがちになるのが特徴だ。
同制度を利用することで、親がリフレッシュしたり、保育士から助言を受けたりすることができ、孤立化の防止につながる。また子どもにとっても集団遊びの経験は発育への効果が期待される。
■子育て施策の充実、応援プランで提唱
公明党は子育てしやすい社会の実現に向け、国と地方の公明議員が子育て世帯の声を直接聴き、施策充実に力を注いできた。中でも“孤育て”を防ぐための取り組みを進めるため、「専業主婦家庭も定期的に利用できる保育制度の創設」の必要性に着目し、「子育て応援トータルプラン」や4月の統一地方選重点政策で提唱。政府への提言をはじめ、国会質問などを通じて同制度の早期実現を訴えていた。