「何を大切にしたいか」が大事
「東急リバブル」は、CMや電車広告などでピンと来る人も多いと思うが、不動産会社が「メルカリ教室」なるものを開催し、成果を上げているという。ーーーなぜメルカリなのか?とこの記事にとても興味をもった。
要約すると以下だ。
ターゲットはシニア層。終活を考えて不動産売却を検討する可能性があるからだ。ターゲットとの接点を増やすため、メルカリとコラボして「メルカリ教室」を開催した。
一見、不動産とは関係のない「メルカリ教室」をフックに店舗への来店を促し、半年間で5,200名超集客し、内8割が「初めて東急リバブルに来店した」新規だという。
成果として凄い。
しかし、メルカリ教室を企画した理由はというと、テレビ番組の「終活特集」で、”ものを捨てるのではなく譲る”方法として、メルカリの使い方を教える「メルカリ教室」が紹介されており、面白いと思ったからだそうだ。
面白いと思った、という感覚的な理由だけである。
であれば普通にこういう考えが浮かぶだろう。
「店舗に来てもらえるのは良いけど、これが結果に繋がるの?」
上記での結果というのは、多くの人がイメージする「成約」や「受注」など、売上に直結するものの事だ。特にセールスの最前線にいる人などは、何かの施策が売上に直結する事を期待する。がしかし、この記事を読み進めても、「この施策を通じ成約率が◯%アップした」という記述は無い。それもそのはず、マーケティング的には「これをしたから売上向上」と一足飛びに行くことはない。人が何かにお金を払うまでには、”AIDMA” ”AISAS"などあるように多くのステップが存在し、そのステップ毎に数字が動いているのだ。
であれば、「施策の結果」というものの定義は様々だ。
では、この会社が求めた結果というのは何か。
それは、記事の最初にもあった「ターゲット層との接点」だ。
”不動産のお取引はサイクルが長く、頻繁にあるものではないので、不動産以外のところでも接点を作っていくことが大切”
確かに、接点があれば必ずしも売れるとは限らないが、頻繁にあるものではないので接点が重要、というのはとても納得がいく答えである。
自分たちが「大切にしたい」と考える事を、結果に置いた。
であれば、まずは自分たちが何を大切にしたいか?が大切だ。
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