はじまりは「砂浜美術館」で
ゴールデンウィークも終わりを迎え、世の中はだんだんと日常の暮らしへ戻っているようで。
どこを見ても県外ナンバーの車ばかり、夜ご飯を買いにと外へ出て行けば、どの飲食店にも見慣れない行列ができていた数日間でしたが、今日はいつもの落ち着いた月曜日に。
私の連休ですが、黒潮町の一大イベントとも言える「Tシャツアート展」へYamamoto Marketの屋号で本屋として出店させていただきました。
知り合いの方や初めましての方など、たくさんの方と本を通じて触れ合えたこと、本当に嬉しかったです。
前職では、町のPRのためのSNS運用を担当していたこともあり、Tシャツアート展は毎日のように出かけていた場所。朝日、夕日、水鏡、昼間の元気な青空と、刻々と変わる景色とともにTシャツを追いかけていました。
そもそも、黒潮町へ来るひとつのきっかけとなったのも、このTシャツアート展や砂浜美術館です。高校生の頃に祖母たちと遊びに来た際の、広く美しく開けた海岸線が印象に残っていて、23歳の頃、その頃の風景を思い出し、黒潮町での暮らしをイメージしました。
「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です」
砂浜美術館のコピーは、今となっては私の心の中にもあたりまえに落ちてきていますが、10代の頃にこの考え方を初めて聞いた時には、「そんな考え方ができるなんて、なんてすごいんだろう」と、梅原真さんや町の思想に感動していたように思います(もちろん、今も感動は変わらず)。
黒潮町で暮らしはじめてからは、私の生活がいつもこのコピーと無意識に紐づいています。
黒潮町で感じる日常の景色、瞬間を尊いと思うことはもちろん、
「砂浜で映画が観れたらいいな」
「海を見ながらワインを飲んだら、うっとりしちゃうな」
「あの道をランニングしてみたらどうなんだろう」
いつでも、もっと、この場所が楽しめる何かを探すようになりました。
だから、Tシャツアート展、砂浜美術館をYamamoto Marketの出発地にできたことは、なんとも私の暮らしのストーリーが続いていてくれているような気がして、とても嬉しいこと。無事出店を終えた今、そう思います。
8年前、ここでの暮らしをスタートしたきっかけに砂浜美術館があるように、8年後の今もこうして私の暮らしに寄り添ってくれている。
ここでの暮らしが大好きだと言える、この町が大好きだと言える。これから自分で切り開いていかなければいけない道には、不安がついて回るけれど、今、私はとっても幸せで。それは砂浜美術館がさりげなくそばにいてくれているからかもしれない。
これからのあらたな道もまた、はじまりは砂浜美術館とともに。
Thank you so much
砂浜美術館&黒潮町の皆さん、本を提供いただいた皆さん、お越しいただいた皆さん、出店者の皆さん、友人&家族のみんな