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準備2カ月で、一人で海外出張に行った話

<結論>

・(1)は「英語、2ヶ月あれば意外となんとかなる」という話

・英語は言語、コミュニケーションである

・しんどくならない勉強例

* * * * *

■それは役員の気まぐれか、それとも

前提として、当社では「個人情報はセキュリティ対策の面からオンプレ環境で厳重管理すること」というローカルルールが強く、今までクラウド上に個人情報(取引先情報、購入者/請求先情報など)をUPしてはならない、という鉄の掟がありました。

が、「取引先情報や商談中の名刺交換者情報であれば、クラウド上にUPしてもよい」と緩和され、やっと2010年代らしくなってきたぜ、とテン年代末に実感する日々を過ごしておりました。

そんな会社でしたので、「気合のエクセル管理」「部署ごとにレギュレーション違うぜ問題」「1to1メール100本勝負」などなどのa.k.a"ヒラメ筋スタイル"が常態化しており、「働き方改革とは」という状態になっていました。

鉄の掟が撤廃されてからすぐに取り組んだのはMAとCRMの本格導入。省略しますが、いろいろ検討し、Salesforce社のPardotとSales Cloudを選択することになりました。

導入するからには、きっちり機能しなければ無用の長物となります。ので、営業企画部門に所属する私が取り組んだのは、マーケ/IS/FSのフロー整理、プロダクトごとのファネル整理と見直し、そして各プロジェクトにおいて何がボトルネックで、どう解決すればよいのかの課題設定と解決策のサジェスト、KPI/KSIの設計でした。これ以上は、ここも本旨ではないので省略します。

そうこうしている9月、役員からはっと思いついたように、「そうだ、お前Dreamforce行くか?」と告げられます。ひょんなことからサンフランシスコ行きの切符を手にすることとなったのでした。

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■英語どうすんの問題

純ドメ100%のオールドメディアで働く私。そもそも海外旅行すら、新婚旅行でヨッメとワイハ〜に行ったきりという貧弱っぷり。

Dreamforceへは1人で行くこととなっており、頼れる者は己のみ状態。つまり、ぼんやりと「英語勉強しないとなー」と思っていたところから、「英語できないとマジでやべー」という状況にいきなり置かれたのです。

とはいえ邦/洋問わず音楽が好きだったこと、今もPitchforkはたまに見るし、学生時代は一生懸命NMEやRolling Stone誌を電子辞書片手に読んでいた私。なので英語に抵抗感はなかった、という前提があります。

とはいえ、

・「2ヶ月後、俺は1人サンフランシスコに乗り込むことはとりあえず決定」

・「会社がまあまあのお金を自分に投資するんだから、それなりのレポートも書かないとアカン」

そんな状況の中、”とりあえず何をどこまで持っていけば最低限生きていけるか”から整理してみました。

そこで導き出したマトリクスがこちらになります。

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英語は言語、コミュニケーションである。だとすれば、大きく「話すこと」と「聞くこと」、この双方向に分類できる。理想は「話す」ことも「聞く」ことも双方マスターすること。ただ2ヶ月で何をどこまで?と考えたときに、右上の理想形に仕上げるはむっちゃしんどそうだし、自分のスペック的に期待していない。でも、ある程度さえ理解できない左下の状態だと詰む現実もある。しかしスタートラインはもちろん左下から。ううむ。Do or Die、Die寄りのDieといった状況である。

じゃあ...

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「聞く(わかる)」さえある程度のレベルに持っていければ最低限死ぬことはないだろう、という仮説を立てました。結論からいうと、正しい判断だったと思い返してます。

「いけんじゃね?」の根拠は本当になく、野生のカンで「なんとなくいけんじゃね?」と思えたことに他ありません。苦手意識のなさがよかったのかもしれません。


■「聞く(わかる)」ために取り組んだこと

「聞く」こと、「わかる」こと。

この精度を高めるために必要なことってなんですかね。

それを考えた結果、以下の3つにたどり着きました。

(1)自分の趣味・関心分野の動画を”字幕付きの英語”で見る

海外のYouTuberやTED、ネトフリの番組などを字幕付きでとにかく見ました。

ねらいは、ネイティブの発音や、接続して発音される”コトバとしての文章”に慣れるためでした。

例えば「Can I have a fried egg?」と話すとき、「キャン・アイ・ハブ〜」とは言わず、「キャナイハブァフライデッグ?」と話しますよね。この”音と音の繋がり”を、音楽的には”レガート”と表現することもしばしばあります。音がどう繋がって、どう発音されるかを意識してヒアリングしたということです。レガート感覚を身につける。これでとりあえず、現地で買い物するときに何を言ってるかが把握できるようにはなって非常に助かりました。

また「生活シーンでの口語っぽい表現」「フレンドリーな表現」も知っておきたいなあとおもって、これはテラハのハワイ編が非常に参考になりました。ローレン、お前、この野郎。

あとは当然ですが、Dreamforceに行くのだから、去年のイベントレポート動画なんかもさまざま視聴しました。Marc Benioffはこういう言い回しするのね、とかわかった状態で乗り込めたのは非常によかったです。

(2)とにかくシャドーイング

テラハやYouTuberなどの表現を、ゆっくりでよいので真似て話します。

YouTubeは「再生速度」の調整機能があるんです。これが非常にありがたかった。ネイティブの表現についていけなかったら、速度を落として聞き込み、シャドーイングしました。現地で自然な感じで「I really suggest you try it!」と話せたときは達成感ありました。

(3)馴染んだら、ボキャブラリー強化

これは地味ですが、頑張って覚えるほかありません。ですが、単語帳を読み込むのもなかなか辛いものがあります。ので、BBCなどのニュースサイトやPolyglotsなどの学習サービスを使って、地味な単語帳と、実際に使われるシーンでの語彙強化と双方向で行いました。


■ 成果

Dreamforceでのカンファレンス聴講もある程度理解でき(写真は我が心の師:GartnerのBrent氏の講演から)、

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SFMoMAにも無事に行けたし、

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Super Duperでハンバーガーも頼めたし、

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万事大丈夫でした。という話です。

(2)以降は自分の備忘録も兼ね、Dreamforceで印象的だったセッションをまとめたいと思います。


■ 書きながら聞いてた曲

Tower of Power - Can't You See


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