日本人の給料が上がらない理由
こんにちは。公認会計士の山本です。
私は、日本人の給料が上がらない理由は、①雇用が守られているから、ということと、②海外売上が増えていないから、の2つが原因と考えています。
先ず「①雇用が守られているから」という点については、
例えば、人件費が100の会社が、顧客から90で仕事をしてくれないか、という依頼を受けたとします。
この場合、普通に考えれば、90の収益があっても、人件費が100なので、仕事を受けることは合理的な判断とは言えないように思うのですが、
この時、若し、雇用が守られ、人が解雇できない、という制約があるとすると、
この90の仕事を受けないと、人件費100の支払いのみが発生し、トータルでマイナス100となってしまうので、
それであれば、90であっても、仕事を受けた方が得(トータルでマイナス10)という判断になる、ということなのだと思います。
こういう風にしてモノゴトが回転している時、人件費を100から引き上げる、という判断は有り得ないように思えます。
で、次に「②海外売上が増えていないから」という点については、
雇用を守るが、前述のようにマイナスの影響をもたらす理由は、そもそもの話として、需要が伸びていない、若しくは、減少している世界の中で、雇用を守ろうとしているから、ということなのだと思うんですね。
であれば、たとえ日本の需要が増えない、若しくは、減少しているとしても、日本の外の需要は全般に右肩上がりに上がっていますので、
国内の需要を90で取りに行くことに注力するのではなく、国外の需要を110なり120で取りに行くことが、日本人の給料を上げるために必要なのではないか、と思えます。