「株主への手紙」を書かない、日本の上場企業
恐らくこんなことを気にしている人は、そんなにいないのではないかと思うのですが、私は日本の上場会社の社長が「株主への手紙」を書かないことが気になります。
「株主への手紙」というのは、毎年、決算が終了した時に、会社のトップが株主に向けて書く手紙で、直近の業績、会社の置かれた状況、今後、どうなっていきたいか等、トップ自らが株主に報告する手紙です。
一部、そうでない国もありますが、殆どの国の上場会社の社長は、決算が終ると「株主への手紙」を書きます。しかし、日本企業でそれをしている会社を、私は見たことがありません。
勿論、「株主への手紙」に書かれている内容の多くは、有価証券報告書や決算説明資料等に書かれていることに近いものが多いので、「株主への手紙」が無くてもよいのではないか、という意見もあると思うのですが、
これは関係性の話なのではないかと思います。株式会社がそもそもどういう存在なのか、誰が誰に事業を任せているのかを考えれば、事業を任されている人間が、事業を任せている人間に報告するのは当り前だと思うのですが、
そういう報告が無くても問題ない、というのは、日本では、その関係性が成立していないからなのではないかと思えます。
上場している会社の第一の使命は、会社の価値を上げることにあると思います。しかし、日本には、会社の価値が上げられずに何年も何年も経過しているにも係らず、トップが変わらずにいる会社が無数にあります。
それが許されてしまうのも、この関係性が成り立っていないからなのではないかと思えます。