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sujaku1979
玲瓏
ことさら苦痛を感じはしないが、私は「 」が嫌いだ。
「 」としている。「 」だ。聞けばいい意味だろう。だが私にとっては聞き苦しいだけの言葉だ。
劣等感を刺激する優越の言葉は日々を苛み、私を「 」から遠ざける。鈍行の刃が体を裂くように触れられないまま傷ついていく。
忘れ難き日に髪を引かれ、日という日が掠れさせられていく。
私という非が尾を引いて、非という非が際立っていく。
無知で居ればよかったのに、「 」を嫌ったせいで非が日に強まって手を伸ばせなくなる。
届かない羨望より、手を伸ばせば届く存在が忌々しくも眩くて
今日もまた、彼は玲瓏としている。