サブカルチャーに憧れていた
僕はずっとサブカルチャーに憧れていた。
なんの違いも分からないくせに分かったフリしてレコードをたくさん買った。やっぱり買うならタワレコじゃなくてディスクユニオンだよなって顔しながら。ヴィレヴァンに行ってなんか流行ってそうな読み切りの漫画を手に取って買ってみたこともあった。彼女が出来たらソラニンのふたりみたいな生活をしたいなんて思っていた。
とにかく、サブカルチャーが好きな人に憧れていたし、自分もそうならなくちゃという強迫観念すらあった。
僕には意思がなかった。なんとなく、サブカルチャーを好きになったらみんなの輪に入れると思ったのだと思う。今となっては分からないけれど。
その思考になってからはなんとなく、聴く音楽も変わっていった気がする。サークルモッシュを小馬鹿にするような気持ちになってみたり、ハヌマーンやドレスコーズを好きになろうとしたり、暇があったら喫茶店をさがしてみたり、自分の中にうっすらある所謂「エモい」生活に近付こうとしてみた。
でも、ずっと違和感を感じていた。
でも、それに気付かないフリをし続けていた。
そんな僕に本当の気持ちを気づかせてくれたのが、中村とかいうよく分からんツイッタラー。
彼は本当にたくさんのカルチャーを愛していて、音楽だけじゃなく漫画や映画などたくさんのことを吸収している。そんな彼と接していたらなんか僕なんて全然薄っぺらいなと、僕なんて音楽とか好きじゃないんだろうなと、そんなふうに最初は感じていた。
でも多分そうじゃないんだと思う。僕は、案外サブカルチャーが好きじゃないんだと思う。僕は、サブカルチャーに憧れる必要が無いんだと思う。
思い返せば僕は高校生の頃はめちゃくちゃにライブキッズをしていた。水色ディッキはいてフェス行って、モッシュしてダイブして、怪我して帰るのが勲章だ!みたいな生活をしていた。音楽だってパンクロックやラウドロックが大好きだった。もちろんKANA-BOONとかKEYTALKとかオーラルとかフォーリミとかあの頃のライブキッズが好きだったバンドはちゃんと全部通ってる。今でもやっぱり大好き。
無理にサブカルチャーに憧れるのはやめよう、僕は僕の好きな物を好きだって思おうって思ってから、なんか色んなものが楽しいと思うようになった。
SiMとか聴いたらめっちゃアガるし、GReeeeNは未だに大好きだし、NARUTOは最高だし、ドラゴンボールのガチャガチャでテンション上がるし、やっぱり僕は所謂メインカルチャーが好きだ!
でもサブカルみたいなものもちゃんと好きだよ。ソラニンは多分今見ても号泣するし、銀杏BOYZはずっと大好きだし、ドレスコーズもゴッホはいい曲だなって思うし。
でももう昔みたいに憧れるのはやめる。誰かみたいになろうとしないで、僕は僕の好きなものを胸張って好きって言う。誰かが好きなものにケチつけたりしない。
だって好みなんて人それぞれだしそんなの周りがどうこう言って変わるもんじゃないし変えようとする方がちゃんちゃらおかしい。
やっと気づけた!
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