息子とわたしの夢の国
年に数回、ワクワクしながら行くところがある。
東京のマイナーな駅から歩くこと数分。住宅街の中に突然真っ赤な京急線の車体が現れる。
ホビーセンターKATO
こちらは鉄道模型メーカーのショールーム的なお店。Nゲージと呼ばれる鉄道模型の走る大きなジオラマや、模型の様々な車体が広い店内に展示されており、親子連れから、シニアの方まで、いつ訪れても程よく賑わっている。入場は無料。
電車好きの子供を喜ばせるために見つけた場所だったが、いつしか私が魅了されている。
屈指の広さを誇る運転体験
模型を運転出来るスペースがあり、お店で指定額以上商品を購入すると運転体験券(切符風のデザイン)がもらえる。一回20分とかなりたっぷり運転できる。
何回も通い、慣れた様子でお店の人から説明を聞く息子は、すでに運転姿が玄人の風格。運転しながら「電車をここから写真を撮って」の指示に、母はカメラマン係。
同士の年齢を越えた友情
お店の人も、お客様さんも、子供たちへ特別優しく声をかけてくれるわけではないのだけど、電車に興奮して声を上げたり、少し走ってしまってもお小言を言われた事がない。
「気持ちはわかるよ、君たちも電車好きの仲間だからね」という無言の安心感。
小さい子が「触らないでね」と書いてあるトーマスの模型を、魅力的ゆえ触ってしまっても、飛んで来て注意し止めたりする大人もいない。
(もしかしたら模型に夢中過ぎて目に入っていないだけかもしれない)
鉄道は未来へのメッセージを乗せて
そうだ、自分にもこんな時があったな。
いつか、大人の仲間になる。
そんな君を待っているよ。
と、鉄道好きのおじ様たちが思っているかどうかは知らないけど、
「好き」のレンズを通すと、優しい気持ちが蘇るのかもしれません。
あぁ、今日も2時間立ちっぱなしで足が疲れた!
それでもまた、切符片手に息子とあのお店を訪れよう。