2022AW_調べたもの_日本港湾のスタメン
ここを読んでいるみなさんが、港湾にどれくらい興味があるかわからないのですが、今日も釣れなかったわたしの話を聞いてください。わたしはサーフも好きですが、港湾・臨港地区がとても好きです。もともとデリカシーのない構造物や大きい建造物が好きで、臨港地区のただ分区の目的に従って整備された景色はとても美しいと思っています。だから今日は港湾の話をします。
港湾にはさまざまな種類があり、その中でも日本が世界と貿易をするために特に重要な位置付けとされている国際コンテナ戦略港湾というものが、関東には3つあります。川崎港、横浜港、そして東京港です。この3つをまとめて、京浜港といいます。京浜港は、貿易額では日本の貿易額の約20%を、貨物の取扱量では日本の取扱量の10%を、外資のコンテナ取扱量では日本の取扱量の約40%を占めます。つまり最初に述べたとおり、京浜港は海外との貿易に重きを置いた港湾です。大事なことなので2回言いますが、京浜港は日本の貿易額の20%と、国内における海外との貿易の40%を占めます。このたった3つの港だけで。(ちなみに日本には2022年時点で932の港湾があります。)
そして何より、日本の貿易量の99%は海運による輸送です。ちょっと感動しませんか?
次にコンテナの話をします。コンテナは四角柱のあの入れ物です。これは1950年代に発明されたもので、たくさんの規格を標準化して、あっという間に世界に受け入れられていったものです。これこそが革命でした。
コンテナを運ぶためにはコンテナ船が必要で、この輸送方法が世界に浸透するにつれてコンテナ船の取り扱い荷量は増え、そして大型化していきました。すると何が起こるかというと、港湾の規模拡張や大水深化です。大型船の寄港を受け入れ、たくさんの貨物を取り扱うために、岸壁は拡張され、海底は削られていきます。
この拡張と大水深化により、これらの港では深場に居るべき魚種も釣れるようになったのではないかと思いました。ちなみに川崎港を例に取ると、たぶん思ってるのの6倍は大きいです。海に面した川崎市はぜんぶ、概念的に川崎港だと考えて大丈夫です。東扇島西公園も、もちろん川崎港の一部です。
川崎港の岸壁水深は1号岸壁及び2号岸壁ともに-14.0m(5階建のビルにちょっと満たないくらい)あり、わたしたちがルアーを投げる先の航路も、-12.8m程度は確保されています。 次に横浜港の岸壁水深ですが、こちらは-18.0mで国内最大です。これは日本で唯一、世界最大のコンテナ船を受け入れることができる水深です。最後の東京港に至っては、すごく昔は-2.0mから-4.0m程度でしたが、今では最大の岸壁水深が-15.0mまで確保されました。興味があれば、ぜひ東京港の歴史をみてください。ちょっと涙なしには読めないです。
他の港と比較して、これらの港の岸壁水深はすごく大きいでしょ、だからここで釣れる魚種は他と比較してこんな特徴がありますって言おうと思ったのですが、調べたら茨城港も清水港も最大水深が-15.0mくらいありました。そうなりますよね。でもこまりました。仮説が成り立たなかったので、今回は結論がないですね。好きが故に書きたいことがいっぱいあって、まとまりのない記事になっちゃったし、京浜港の紹介で終わっちゃいました。
まとまりのないついでに、タイトルになぜ日本とついているかというと、アジア域の中で(もちろん世界全域と比べても)、日本の港湾は規模が小さいからです。なので日本の港湾はこれからも拡張していくしかないと思いますし、実際に今も拡張計画の中です。
これを調べるにあたって、改めて深場ってなんなんだろうと思いました。深いところは水温が一定のはずで、冬は深場の方があったかいからみんなそっちに行くと思っていました。でも陸から釣れなくなる原因は、魚にとって水深よりも沖であることが大事かもしれません。陸に近いところでは、深さがあっても攪拌ブロック礁という、海水をぐるぐるするための構造物があったり、もちろん他の要因もあって、海水温が一定でないと思ったからです。いずれにせよ深場という言葉は水深だけの意味ではなさそうです。沖っていう意味っぽいなと思いました。世の中わからないことでいっぱいです。
出典
1)国土交通省 > 港湾一覧
2)新版 港湾工学,港湾学術交流会編,2009
3)土木計画学ハンドブック,土木計画学ハンドブック編集委員会編,2017
4)グローバル・ロジスティクス・ネットワークー国境を越えて世界を流れる貨物ー,柴崎隆一 / アジア物流研究会,2019
5)日本の港湾政策―歴史と背景,黒田 勝彦 / 木俣 順 / 奥田 剛章,2014
6)日本インフラの体力診断 Vol.1(港湾),中島 敬介,2021
7)国際コンテナ戦略港湾政策「最終とりまとめフォローアップ」,国土交通省港湾局,2019
8)「みなと」のインフラ学,山縣宣彦 / 加藤一誠, 2020
9)第3回国際コンテナ戦略港湾政策推進ワーキンググループ「国際コンテナ戦略港湾政策推進ワーキンググループ 中間とりまとめ」,国土交通省港湾局,2021
10)東京港埋立のあゆみ,一般社団法人東京港湾振興協会_大野 伊三男
11)国際コンテナ戦略港湾における 大水深岸壁の利用状況,国土交通省,2020
12)国土交通省,京浜港の概要
13)国土交通省,港湾管理者一覧表,2022
写真はSignboardにある通り上海です。どうして上海かというと上海には世界一の港湾があるのです。なので本当は上海港の写真を撮りたかったけど、うっかり機密事項にさわってどこかに連れて行かれたら困るなと思って(そんなわけないよねと思いながらも外国なので)撮らないでいました。だから陸の写真です。めずらしく青空。