こんにちは。うっかりしていたら夜より昼が長くなっていました。2ヶ月くらい前のわたしは、冬にどうして大きく潮が引くのか気になっていたようですね。今もちゃんと気になっています。でも頭を使う体力が湧きませんでした。今もあまりないですが、金曜日ですし、そろそろベッドから出て調べます。
以前立てた仮説の根拠を引用して、いつもみたいに検証をしていきます。冬の海水面を大きく下げる変数の候補は、以下の3つでした。
潮位季節変動の変数候補
潮汐力
海水温
気圧
もうちょっと何かなかったのかなとは思います。でも見ていきます。
1.潮汐力について
もっとも苦手な天体の配置によりもたらされる潮汐力を、1番目の仮説に持ってきたことを後悔しています。わたしはまだ慣性系まで(しかも月と地球の距離)しか理解してないんです。でもやります。
まず以前勉強した、潮汐力を求める時の式は、T=Gm1m2/r^3です。それと万有引力はF=Gm1m2/r^2ですよね。ここでm1m2を月と地球じゃなくて、月と地球と太陽が直線的に並べば、ここに寄与すると思ったんです。それが他の季節と相対して小さいと、冬に大きく潮が引くのではと思ったのです。
では本当に冬は太陽と地球の距離が小さいのか。日本天文学会はこう言います。
えっ500万kmはいいとして、2%も違うの?って思いました。でもまぁ季節差はありそうです。それが冬の方が小さいのかどうか、上記ページの(引用外の)文脈からは読み取れますが、明記されていません。探せ探せ(冬の方が小さいという根拠が出てきますように)。
ひと通りインターネットをしたのですが、なんかよくわかんなかったのでNASAのHorizons Systemで引いてきました。最初はEphemerisをday単位にしていたのですが、実行結果がいっぱい出てきたので月単位にしました。
スマートフォンだとすっごい見づらいと思うのですが、1月のところに0.98333670660108とか書いてあるのが距離です。日本の夏がある7月には1.01662327788700って書いてあります。だから季節差があると見て良さそうです。ちなみに差異は±2%くらいですね。
2.海水温について
海水の密度について重要なパラメタを逃していました。2年くらい前に、「なんで冬は(も)釣れないのか。魚がいないんじゃないか。けしからん。」とか思ってた時期があったのですが、その時に、塩分の大きさも海水の密度に寄与することを学んでいました。つまり、水温が低くて、塩分が大きければ、密度が大きくなるんですね。この点に関しては以前調べたので省略しますが、冬は海水温が低くて塩分が大きいので、密度は大きくなります。つまりぎゅっとなるので、同じ海水量でも体積がちっちゃくなるのですよね。このことからも、冬に大きく潮が引くことと矛盾しません。
3.気圧について
これも、この仮説を立てた時点で気圧に季節差があることを、経験として知っていた感じなのでちょっとずるいなのですが、ちゃんと見ていきます。
まず1気圧はだいたい1,013hpaです。これより低いと(風や波の影響を無視すれば)海水面は引っ張られます。これより高いと、海水面は押し下げられます。では東京都の気圧配置は本当に冬に卓越して高いのかです。気象庁で調べました。
思ったより季節差がありません。目で見ても有意な差がなかったので、相関係数を求めたらワンチャンあるかなって思ったのですが、だめでした。計算したら0.12448109しかありませんでした。これってほとんど相関がないことです。つらいです。でもいつもお世話になっている気象庁様がそう言うのですから、この仮説にはあんまりこだわらないほうが良さそうですね。
まとめ
わたしが立てた仮説の中で、明示的に冬に卓越して海水面を下げる要素として採用できるのは以下のふたつだけでした。
太陽と月と地球の距離による潮汐力の変化
海水温(と塩分)の差異による海水体積の縮小
でもわたしの考えで間違っているところもわかりましたのでよしとします。何よりこうやってものごとの理論にふれるのがすきで、頭の中のデフラグができて、朝からとても気持ちがよいです。すっきりしました。
写真は冬の海にいたとりです。鳥もわたしも、ずっとここにいてじっとしていました。とてもさむかったです。でももうすぐ釣り日和です。早くあったかくなりますように。