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リストとパガニーニ

鬼才のヴァイオリニストとしてヨーロッパを駆け巡っていたパガニーニ。後の時代に名を残す音楽家たちもまた、パガニーニの演奏に魅了されました。
ピアノの超絶技巧で知られるリストもその一人でした。

リストが出会った頃のパガニーニの話はこちら!








パガニーニはピアノの歴史も変えた

リストは若い頃、父の死や身分の差による失恋、差別などを立て続けに経験し、失意の底に沈んでいました。自分のスタイルを見出すことができず、演奏活動を休止した時期もありました。そんな中出会ったパガニーニの演奏が、彼の運命を変えたのです。

「最初の傑作を目の当たりにしたミケランジェロは『私も画家である!』と叫んでいます。パガニーニの最新の演奏を聴いて以来、この偉大な人物の言葉が私のなかを去来してやみません。なんという人物!なんというヴァイオリン!なんという芸術家!神よ!この四本の弦に、いったいどれほどの苦悩、苦痛、耐え難き苦しみが込められているでしょうか!」

作曲家◎人と作品シリーズ「リスト」福田弥著 音楽之友社

知人に宛てた手紙には、このような興奮が綴られていました。そしてパガニーニに感銘を受けたリストは、何時間も部屋に引きこもってピアノを練習しました。重音、オクターブ、アルペジオ… 超絶技巧として知られるリストのピアノの奏法は、彼がパガニーニを目指して身につけた技術でもあります。
ピアノの奏法に大きな影響を与えたリスト。彼を突き動かしたパガニーニの存在がなければ、今のピアノの歴史も変わっていたかもしれません。


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