“web3 × ローカル” ー山古志村が問いかける「ローカルDAO」の未来
みなさん、こんにちは。Nishikigoi NFT/山古志DAOのファウンダーチームです。Nishikigoi NFTの発行から一年が経ちました。
web3×ローカルのファーストペンギン事例として多方面から注目いただき有難い限りではありますが、一周年の今、ファウンダーチームとしてNishikigoi NFTおよび山古志DAOの現状分析と今後の展望について共有させていただきます。同時に、今後の展望に関しては、山古志DAOの構成メンバーであるNishikigoi NFTホルダーにその是非を問うためのエントリーとさせていただきます。
Nishikigoi NFTおよび山古志DAOについて初めて聞く方は、以下を参考にしてください。
デジタル村民がリアル村民の数を超える
この一年間で、山古志デジタル村民(=Nishikigoi NFTのホルダー)がリアルな山古志村民(物理的に山古志地域に住む方)の数をこえ、消滅の危機に瀕する限界集落「山古志村」の今後について共に考え、コラボレーションする仲間を1,000人以上得たことが最大の収穫と言えます。デジタル村民発のプロジェクトが多数生まれ、デジタル村民が集うメタバース空間がメンバーによって作られたり、地域のお祭りや震災追悼イベントをデジタル村民が手伝いに行くなど活発に活動が行われています。中には、リアル山古志村で就職するデジタル村民も出てきました。また、web3×ローカルの先進事例として広く認知され、多数のメディアからの取材を受け、国の審議会等で事例紹介されるなど、山古志村の露出機会が格段に増え、山古志村とNFTの歴史に新たな一ページを刻むことができたと言っても過言ではないと思います。現在は、Nishikigoi NFTを参考に同様のプロジェクトが各地で構想され、その相談が多数寄せられています。山古志村に限らず、全国各地の地域やお祭りなどの存続が危ぶまれ、新たな解決策が必要とされている状況です。
試行錯誤の連続
当初、私たちファウンダーチームが選択したマーケティング戦略は、海外を主なターゲットにしていました。そもそも日本全体の人口が減っているということ、ブロックチェーンという技術特性から国境をこえることを大前提として進めてきましたが、一部の海外ホルダーの参画はありつつも、結果的には「まだ道半ば」な状況ではあります。NFTの社会的活用が世界中で試行錯誤されている中、「限界集落の存続」「地方創生」という切り口は、グローバルにおいてはハイコンテキストすぎたという分析もしています。
次に収益モデルについてです。私たちは、NFTのプライマリーセールとは別に二次流通におけるロイヤリティ(2次流通での手数料)を収益源の柱の一つとして期待していました。Nishikigoi NFTに限らず一般的に、クラウドファンディングのように初期段階で資金を集め切って終わるのではなく、コミュニティの熱を維持することで、新たに参画したい人が既存のホルダーからNFTを購入する際に発生する手数料が継続的な収益モデルになると言われています。しかし、結果的にはOpensea(2次流通のマーケット)上のList率(出品されている比率)が2%とかなり低く、十分なボリュームにはなっていません。一方で、Nishikigoi NFTがガチホ勢によって支えられているという側面を持っていることになります。現時点で、人的リソースの獲得には大きく成功しているが、NFTの販売売上によって山古志DAOの経済的な持続性は確立できていない状況にあり、今後も活動の幅を広げていくために、ファインナンススキームを検討している最中です。
今後の方針(案)
◉ デジタル村民1万人を達成する
当初から掲げている「800人+10,000人の新しいクニづくり」を目指し、次なる3rdセールを経て、早急にデジタル村民1万人の達成を目指します。仲間を10倍に増やし、関係人口の最大化によって、今後の可能性や選択肢が増すと考えているからです。デジタル村民1万人が起こす風景はどのようなものなのか、楽しみです。
◉ 山古志(DAO)単体の発展 => 日本各地に点在する貴重な文化や地域の営みを世界とつなげ、発展させるエコシステムに進化する
近視眼的に山古志DAO単体の発展に目を向けるのではなく、Nishikigoi NFTがゲートウェイとなり、山古志村をはじめとする各地のプロジェクトをつなげ、互いに支え合うエコシステムとして発足させることを考えています。山古志村が「web3 × ローカル/ソーシャル」のムーブメントの発端となり、結果的に山古志DAOの持続性にも寄与できる状態を目指します。
世界中の日本(ローカル)好きのゲートウェイになる
山古志DAOのアイデンティティでありパスポート的役割を担っていたNishikigoi NFTは、今後立ち上がっていくローカルDAOの集合体をサポートするためのゲートウェイとなることを目指します。山古志村をはじめとする各地のローカルDAOによってローカルDAOリーグは形成され、国内に限らず世界中の日本ファンがNishikigoi NFTを介してローカルと繋がり、ボーダレスな新たな関係性とクリエイティビティを産みつづけるようになるのです。
同時に、山古志DAOの運営経験を生かし、各地のローカルDAOに対する支援も行っていきます。ローカルDAOの立ち上げを検討されている方はご相談ください。
web3スタートアップは山古志の山間より
Nishikigoi NFTがゲートウェイとなり、各地のローカルDAOの立ち上げ支援およびローカルDAOリーグの運営を行っていく法人をファウンダーチームが中心となり、2023年に山古志村(長岡市山古志地域)に設立します。同時に、これまでは地域の任意団体(山古志住民会議)が中心となって運営してきた山古志DAOに関しても、議員立法が検討されている「DAO法」について、最新の動向を追いながら専門家チームと協議を重ね、活動実態に則した組織形態へシフトすることを考えています。DAO法が施行されるまでの移行期間を、既存の法人スキームを活用しながらもDAOを体現できるモデルをお見せできると思います。
ローカルDAOとは一体何なのか
これまで地域づくりやまちづくりの活動主体は、その地域に住み続ける人であり、よそ者はあくまでもサポーターという考えが一般的でした。かつては、地域で活動する際に「骨を埋める気があるのか?」といったような常套句が、地元からよそ者に対して投げかけられることがしばしばありました。しかし、そうこうしている間に日本の地域から若者は流出し、少子高齢化、人口減少は加速化しているのが現状です。Nishikigoi NFT/山古志DAOは、そこに小さいながらも突破口を開いたプロジェクトです。山古志デジタル村民は、Nishikigoi NFTを買った直後から「山古志(デジタル)村民」と名乗り始めます。山古志村に縁もゆかりもない、ましてや山古志村に行ったこともない人が、“地域名を冠したアイデンティ”を表明することが許されるのです。これまで、そんなことはあり得ませんでした。
顔が見えて信用が物を言う「トラストフル」な従来の地域づくりに対して、地域名という無形資産をNFTという技術にのせてデジタル空間上でコモンズ化することで「トラストレスかつパーミッションレス」な地域づくりを並行することを可能としています。加えて、並行するリアルとデジタルを橋渡しするコーディネーターが存在することで、地域が残したい大切な資産を丁寧に扱いながら、地域づくりを徹底的に開放することで、まだ見ぬ仲間やリソースを集めることができるようになる。これがローカルDAOの可能性だと、現時点では理解しています。
ローカルDAOのロールモデルとして
山古志DAOは、今後立ち上がっていくローカルDAO群にとってのロールモデルになっていかなければなりません。ゲートウェイとしての役割になるNishikigoi NFTの保有者は、(新たに設定される)山古志デジタル住民票NFTをfree mintできるようにします。つまり、山古志DAOはローカルDAOリーグにおけるフリーミアムモデルとして存在し、多くのユーザーが山古志村を入り口に「web3 x 地域」を体験するようになるでしょう。ローカルDAOリーグの象徴として山古志DAOが存在することになり、多様で多才なデジタル村民1万人によって支えられる山古志DAOを目指します。
デジタル村民選挙にて、Nishikigoi NFTの新たな展開について可否を問います。
以上、ここまで説明してきた方針(案)は、Nishikigoi NFT/山古志DAOにとって、ダイナミックな方針転換となります。これまで、デジタル村民向けにAMAを2回開催、1周年記念のオフ会等を通じて意見交換をしてきました。それを踏まえて、今回の方針(案)を改めて公表させていただきました。その是非をデジタル村民による投票にて可否を問います。投票はYES(賛成)/NO(反対)方式で、賛成票上回る場合に方針(案)は実行に移されます。
投票はsnapshotにて!
投票期間:12/19, 2022, 12:00 PM - 12/25, 2022, 11:59 PM
ファウンダーチーム
山古志住民会議
atsushihayashi
Toshi