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メイドインジャパンが正義ではない

こんなタイトルにすると誤解を生み兼ねないので早めに今回の内容を言っておくと、「メイドインジャパン以外は品質が低い」というイメージを払拭したいのです。

「メイドインジャパン」が抱える問題

「メイドインジャパン」というフレーズは、長らく高品質な製品を象徴する言葉として世界中で親しまれてきました。日本製品に対する信頼と誇りは根強く、国内外でその品質の高さを評価する声も多く聞かれる。

しかし、現在、国内の製造業はさまざまな問題に直面していて、必ずしも「メイドインジャパン」こそが最良の選択肢であるとは限らない。

特に「職人の高齢化」や「人手不足」「コストの上昇」といった課題が、国内生産における大きな壁となっている。

一方、海外、特に中国をはじめとするアジア圏では製造技術が急速に向上し、品質面でも十分に信頼に足る製品が増えている。

実際に、弊社ブランド「Y-Tag」も中国での生産を基本としていますが、この決定にはコスト面での理由が大きく関与しています。国内生産ではどうしても現実的な価格に収めることができないので海外生産にシフトせざるを得ないのです。

しかし、単なるコスト削減の目的だけでなく、商品開発に携わる中で見えてきたのは、海外での生産における技術力の向上と、その品質の高さでした。

国内生産の今と課題

日本の製造業は長年、職人技によって支えられてきましたが、近年その職人たちの高齢化が進み、後継者不足が問題となっています。聞くところによると「70歳」でも「若手」扱いされるとか...

特に小規模な工場や個人経営の職人たちは、技術継承がうまくいかず、次世代の技術者が育成されていない。

これにより、国内での高品質な製造を維持するためには、「時間」と「リソース」がとてもかかることとなり、コストが膨らむ。その結果、製造コストが高騰し、結果国内では作れない事業者がほとんどで海外生産になるのです。

また、製造業全体の「人手不足」も深刻で、少子化と高齢化により、製造業の労働力を確保するのが難しくなり、これが生産能力に影響を与えていて国内市場の縮小も影響し、今後、国内での生産を維持するのは困難な状況にあるのです。

「海外生産=低品質」は遥か昔の話

弊社ブランドの「Y-Tag」は、主に中国での生産を選んでいます。コスト面で国内生産では現実的な価格が実現できないためです。

しかし、事業を始めてから2年以上が経ち、商品開発に携わる中で気づいたのは、中国をはじめとする海外での技術力の向上による高品質な製品の生産ができるということ。

かつては「中国製=品質が悪い」といった偏見がありましたが、現在では「安くて高品質」という印象が強くなっています。

また、弊社が依頼している製造工場では、生産を取り仕切るオーナーが「日本人」であることも、品質の安定性に寄与している。現地の工場スタッフは外国人ですが、品質管理や生産管理はオーナーが日本人として責任を持ち、細部にわたる調整が行われているお陰で、外国の職人による技術と、日本人オーナーの指導が相まって、非常に高い品質が維持されているのです。

高い技術を持った外国人が日本へ

さらには近年、技術力の高い外国人の職人が日本に出稼ぎに来て、製造に携わるケースが増えている。中国をはじめとするアジア諸国では、賃金が低いのでより良い収入を求めて日本に来る職人が増えているのです。

彼らは、日本国内でのその高度な技術を学び、持ち帰ることで、さらに高い技術力を培うことができます。海外からの職人が日本に来て働くケースは、技術的な交流を促進し、双方の製造業にとってメリットがあるのです。

「海外製品で高品質」が常識に

「海外製=品質が悪い」という古いイメージは、今や過去のもの。実際、Y-Tagでも中国製の製品を取り扱っていますが、その品質は国内生産と何ら変わらず、むしろ高いレベルを誇ります。(SHI○EやT○MUは多分まだまだ崩壊的だが)

これは、高い技術を持った職人たちが、細部にまでこだわりを持って製造を行っているからこそ実現できること。品質管理も徹底されていて、日本市場向けの厳しい基準を満たす製品が安定して提供されているのです。

海外での生産がもたらすコストの削減は、消費者にも還元され、より多くの人々に高品質な製品の開発が可能になっています。品質面での海外生産に対する偏見も次第に薄れてきて、グローバル化した現代においては、どこで作られたかに関係なく、「製品の価値」が評価される時代になりつつある。

結論

「メイドインジャパンが正義ではない」と言うと、驚かれるかもしれませんが、現実として日本の製造業はさまざまな課題に直面しています。国内生産には限界があり、海外生産がその選択肢として重要な役割を果たしています。特に中国をはじめとするアジア諸国での技術力の向上により、海外製品の品質も高まり、品質管理も徹底されています。

「どこで作られたか」ではなく、「どのように作られたか」が重要視されるべき時代が来ていて、品質と技術を重視して製品を作り出すことが、これからのものづくりにとって最も重要なアプローチであると言えるでしょう。


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