Spirits of Clothing ~形作る洋装〜
こんにちは、山木です。
昨日のNoteの続きで今回書いていきたいことは洋装のシルエットのことです。
洋装のかっこよさというのは、色味や柄、生地感など様々な要素に分解されるのですが、最も大事なのはシルエットです。
世の中のスキニーやらニュールックやらワイドやらのトレンドなどを見てみても、ほとんどがその形にこだわった変遷を我々は眺めることができます。
ガブリエル・シャネルがコルセットからの解放を謳って提唱したジャージー素材のドレスには、柔らかさと優雅さを纏わせる形もある。戦争が終わり、かつ、クラシック回帰として、女性の持つ体型を活かす洋服に若者への活力を加えたディオールのニュールックという形もある。
このように、トレンドのシルエットは社会の世相とデザイナーの心情の合いの子として生み出され、反映されます。
では私が烏滸がましくも提唱したい、いや提唱していかなければならないシルエットはどのようなモノでしょうか。ヒントは紳士服全盛期と言われる1920~30年代のシルエットにあります。
男性の体が持つ特徴の長所を引き出し、短所を補うどころか、逆転させてカッコよく見せてしまうシルエット。具体的には顔が相対的に小さく見えるように適度に張り出した肩、程よいゆとりを持ちつつシェイプを入れたウェスト、最大限に足を長く見せるためのスリーピースのヴェストの体への接着感、靴に適度に窪みができてかかるぐらいの裾の幅と長さ。ボディコンシャスではなく奥に秘めた”かっこよさ”とでも言いましょうか。挙げ出したらキリが無いのですが、しかし、そこに”かっこいい”の答えはあるのです。
もちろん私たちが生きるのは2024年なので、その現在であっても当時のスタイルをモノマネして”かっこよさ”を出そうとする、その気持ちはわかります。完全に社会を見えていない21歳大学生の独断と偏見なのですが、モノマネの仮面をかぶって何かになり切るというのは正直生きづらいし大変です。
私は現代を間違いなく生きていますし、過去から学んだことを活かしていかに現代にかっこいいものを残せるのかに欠けてみたいという思いしかないです。どうせやるんだったら歴史に名を残したいわけですわな。
そう考えたときに、ありのままの体型を洋装の最も美しく”かっこいい”シルエットで作り上げていくことで、本当の”オーダーメイド”というものが完成するのではないかと信じています。
”カッコつける”のではなく”カッコよくなりたい”という根源的な素直な気持ちを形にできるのは英国の洋装のシルエットにある。洋装の原点はイギリスにあるのですから。そこから色々なものを拝借して2024年の日本で日本人が来て最高に”かっこいい”シルエットを提供するのが私の仕事です。
今回もお読みいただきありがとうございました。
山木でした。