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Spirits of Clothing 〜洋装の"モノ"のエッセンス〜

こんにちは、山木です。

そろそろ洋装のモノの話をしていきます。

何でもかんでもコンセプトが叫ばれる時代。コンセプトとモノの乖離を起こさないためには、まずはモノにこだわり、そこから自ずと導き出される、滲み出されるコンセプトという流れに私はこだわっていきます。

したがって、洋装というモノに、原則として”かっこよさ”を求めるのは、孔雀のオスが派手な羽を持っているのと同じで生存的本能だとつくづく思います。”かっこいい”洋装を作るには洋装をどんな要素に分割すれば良いのか。私なりの答えを言います。

1.生地  
2.シルエット 
3.仕立て

”いい”生地や”いい”シルエット、”いい”仕立て、というのはそれぞれの主義があります。私はそれぞれに対して否定はしたくないので、ただただ他の仕立て屋と違うと思うところを述べさせていただきます。もちろん多少は被るところがあるのはご勘弁。

  1. 生地

いい生地とはやはり、張りがあってコシがあって、ある程度の重みがあるモノです。先人の言葉を借りるとすると「生地の中に、一本の”銀糸”が入っている」とのことです。正直銀糸を触ったことがないので、「何言ってるんだ、この先人は」という気持ちです。

しかし、やはり最初に言ったように、生地の中に一本”芯”が通っている感覚は触っていけばわかるようになってきます。人間と同じですね。そのような特徴を持つ生地だからこそ2,3の”いい”が形作られていくのです。

2.仕立て

いい仕立てというのは、一口に着心地がいいと言っても、ジャケットで言えば適切なところに重心がかかっているのか、無駄なしわが入っていないか、腕の運動量が確保されているのかなど多岐に渡ります。

昨今流行っているジャケットメーカーのそれは確かに羽織っている事実を忘れさせるかのような軽さ、体への接着感があります。正直、その良さは一度はまってしまったら抜け出せなくなる気持ちもわかります。

しかし、僕にとっての洋装はどこまで行っても僕の体型の短所を覆い隠すモノであり、洋装の”かっこよさ”のためには、天にものぼる着心地、仕立てというのは多少目を瞑らなければなりません。まあそれでも硬い張りのある生地でも十分に着心地はいいんですけどね。

3.シルエット

ここをみえていない”スーツ屋”が多いです。そしてここに関しては苛立っているわけではもちろんないですけど、どうしても強く言っておかなければならないところがある。したがって次のNoteではこちらのところを深掘りしていきます。

もちろん、生地や仕立てについてのより解像度の高いお話や、着こなしのマナーみたいなところもこれから、お話しさせていただきます。しかし、洋装に関して、原理原則である三つの要素へのさらっとした全体像を今回はまとめました。

また次回もお読みいただければ幸いです。誰かが読んでいなくとも僕は伝え続けていきます。

今回もお読みいただきありがとうございました。

山木でした!


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