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安心した夜間病院の対応

動物を飼っていると、急な体調不良やケガに見舞われることがあります。

特に夜間は、かかりつけの動物病院が閉まっていることが多く、飼い主さんにとって、大きな不安要素です。

私のクリニックでは、夜間の急患対応として「ひがし東京夜間救急動物医療センター」の受診をお願いしています。

先日、実際に夜間病院を受診された患者さんのケースを通して、その対応の素晴らしさを実感しました。


夜中の受診:猫の跛行
ある日の深夜0:00、私のクリニックに通っている猫さんが「足をひきずって歩いている」という症状で夜間病院を受診しました。

飼い主さんは、猫の様子を動画に撮影しており、これが診断の参考になりました。

跛行の原因としては、大きく分けて

①骨折や脱臼、ねん挫などの外科的要因 と、
②神経の損傷などの内科的要因

を考える必要があります。


夜間病院での診察と判断
夜間病院では、まず 入念な触診と神経反射のチェック が行われました。

その結果、「ねん挫ではないか? 爪をどこかに引っかけた可能性が高い」と診断されました。

翌朝、念のため私の診療所にも来院して下さいましたが、私も全く同じ見解でした。

【夜間病院と“かかりつけ医”の連携】
夜間病院では、受付時に「かかりつけの動物病院」を確認されます。
診察が終わると、夜明けまでに「診察内容の報告書」がFAXやe-mailで送られてくる仕組みになっています。

このシステムのおかげで、かかりつけ医は翌日の診察時にスムーズに対応でき、獣医師にも飼い主さんにも負担が少なくなります。


過去の経験と比較して感じたこと
私は獣医師になりたての頃、夜間病院でアルバイトをしたことがあります。

そこでは、「どんな症状であっても、X線撮影と血液検査は必ず行うように」と上から指示されていました。

経営的な理由から、検査をルーチン化されていました。

今回のケースのように跛行している場合、当時の病院なら間違いなくX線撮影が行われていたでしょう。

しかし、「ひがし東京夜間救急動物医療センター」では、基本に忠実に、まず丁寧な触診と視診を行い、必要に応じて検査を選択する という方針でした。

その姿勢に、私は感動に近い気持ちを覚えました。診察の基本を大切にしながら、飼い主と動物にとって最善の選択をする姿勢は、信頼に値するものと感じます。


安心して任せられる夜間病院の存在
動物たちは、いつ何が起こるか分かりません。夜間に急変することも少なくありません。しかし、今回の経験を通じて、しっかりとした診察を行う夜間病院がご近所にあることに、安心感を覚えました。

「夜間だから仕方ない」「とりあえず検査をする」といった対応ではなく、基本に忠実な診察 を行い、かかりつけ病院との連携を大切にする姿勢は、今後も多くの動物と飼い主さんを支えてくれます。

夜間の急患対応に不安を感じている飼い主さんも、安心して受診できる病院を知っておくことで、いざという時に落ち着いて行動できるはずです。

👇ありがとうございました👇


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山本健二(Kenji Yamamoto, 獣医師やまけん)
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